馬券の買い方・入門

地方から中央への移籍とは|競走馬の転入の条件とカク地・マル地の違い

この記事の要点

  • 地方競馬の馬がJRAに移るには、地方馬登録を抹消して、JRAの馬主が調教師に預け、JRAの競走馬登録を受ける。移った馬は「マル地」(地)になる
  • 2015年9月12日以降に登録を受けるマル地は、申請のときの収得賞金が2歳で150万円以下、3歳で300万円以下、4歳以上で500万円以下だと、JRAのレースに出られない。JRAが認定した地方の競走(認定競走)を勝った馬などは例外
  • 「カク地」[地]は、地方競馬に所属したまま指定交流競走に出る馬。マル地はJRAの所属、カク地は地方の所属という違いがある
  • JRAの馬が地方馬登録を受けると、JRAの競走馬登録は抹消される。地方からJRAに戻る(再登録)には、地方で決まった勝ち数を挙げる必要がある
地方から中央への移籍とは|競走馬の転入の条件とカク地・マル地の違い
目次
  1. 地方から中央へ移籍する条件は?
  2. 移籍したあとに出られるレースは?
  3. マル地・カク地・マル外・カク外の違いは?
  4. 中央から地方への移籍は?
  5. 騎手の移籍は?
  6. まとめ

地方から中央への移籍とは、地方競馬で走っていた馬が、地方の登録を抹消してJRAの競走馬登録を受け、JRAの所属として走ることだ。JRAの規定では、2015年9月12日以降に登録を受ける馬は、申請のときの収得賞金が2歳で150万円、3歳で300万円、4歳以上で500万円を超えていないとJRAのレースに出られない。移った馬は出馬表で「マル地」(地)と表示され、地方に所属したまま指定交流競走に出る「カク地」[地]とは別の扱いになる。本記事では、転入の手続きと条件、移籍したあとに出られるレース、馬の記号の違い、中央から地方への移籍と出戻りの決まりを順にまとめる。内容はいずれも2026年11月時点(2026年度の競馬番組)のものだ。

地方から中央へ移籍する条件は?

手続きの流れ

地方競馬の馬の登録(地方馬登録)は地方競馬全国協会が、JRAの馬の登録(競走馬登録)はJRAが行う。JRAの競馬施行規程では、地方馬登録を受けている馬は競走馬登録を受けられないため、まず地方の登録を抹消する。JRAは、登録の審査のために地方馬登録の抹消証明書の提出を求めることがある、としている。

競走馬登録を申請できるのは、その馬を持っているJRAの馬主だけだ。申請には、血統を証明する書類、自分の馬であることを証明する書類、JRAの調教師との預託契約を結んだことを証明する書類と、登録料5,000円が要る。地方で走っていた馬の名前は、地方馬登録の抹消証明書に書かれた馬名のまま登録する決まりで、移籍のときに名前は変えられない。

地方競馬から中央競馬に移ってきた馬は「地方上がり」とも呼ばれる。

収得賞金の条件

JRAの競馬番組では、地方で走ったことがある馬がJRAのレースに出るための条件を、登録を申請したときの収得賞金で決めている。

申請のときの年齢 出られない馬(収得賞金) 例外
2歳 150万円以下 ―
3歳 300万円以下 2歳の12月末日時点で150万円を超えていて、3歳の1月末日までに申請した馬
4歳以上 500万円以下 3歳の12月末日時点で300万円を超えていて、4歳の1月末日までに申請した馬

この条件は、2015年9月12日以降にJRAの競走馬登録を受ける馬にかかる。JRAが認定した地方競馬の競走(認定競走)で1着になった馬が、そのあと3歳の12月末日までに初めて競走馬登録を申請する場合は、賞金の条件はかからない。JRAから地方に移って戻る馬(再登録)で、後で説明する勝ち数の条件を満たした馬にも、この賞金の条件はかからない。

賞金のほかにも、出られない条件が2つある。

  • 登録を申請した日の前日からさかのぼって6か月間、1回も出走していない馬
  • 3歳の7月1日以降に申請する、地方馬登録を受けた未出走の馬

地方の賞金は収得賞金にどう数える?

地方競馬で1着になったレースは、そのレースの1着の本賞金を次のように直して収得賞金に足す。10万円未満の端数は切り捨てる。

地方のレースの1着本賞金 収得賞金に足す額
1,200万円以上 本賞金の半額
400万円以上1,200万円未満 400万円
10万円以上400万円未満 本賞金の全額
10万円未満 10万円

2着も、地方の重賞(日本グレード格付管理委員会が格付けしたダートグレード競走)の2着と、2着の本賞金が100万円以上のレースの2着は数える。2着の本賞金が480万円以上なら半額、160万円以上480万円未満なら160万円、160万円未満なら全額だ。

地方で何勝していても、1勝ごとの本賞金が小さければ収得賞金は大きくならない。たとえば1着の本賞金が50万円のレースを3勝した2歳馬は、収得賞金が150万円で、2歳の条件(150万円以下は出られない)に届かない。

移籍したあとに出られるレースは?

マル地はJRAの所属になるので、収得賞金で決まるクラスのJRAのレースに出られる。JRAのクラスは、収得賞金が500万円以下なら1勝クラス、1,000万円以下なら2勝クラス、1,600万円以下なら3勝クラスで、それを超えればオープンだ。

クラス 収得賞金
1勝クラス 500万円以下
2勝クラス 1,000万円以下
3勝クラス 1,600万円以下
オープン 1,600万円を超える

上の賞金の条件と合わせると、4歳以上で移る馬は収得賞金が500万円を超えているので、1勝クラスではなく2勝クラス以上から走ることになる(3歳の12月末日時点で300万円を超えていて、4歳の1月末日までに申請した馬を除く)。

新馬戦には出られない。JRAの競馬番組では、新馬戦は地方競馬や外国の競馬を含めて一度もレースに出たことのない馬のレースと決めているからだ。

JRAの競馬番組には、地方や外国のレースに出たことがある馬が、JRAに登録して最初に走るとき、出走できる馬を決める順位で上のほうに置く決まりもある。3歳以上のオープン(重賞・リステッド競走を除く)などで、出走できる頭数より申し込みが多いときに効く。

マル地・カク地・マル外・カク外の違いは?

マル地・カク地・マル外・カク外は、馬の生まれと所属を表す記号で、JRAの出馬表では馬名の前に付く。丸で囲んだものを「マル」、四角で囲んだものを「カク」と呼ぶ。本記事では、丸を( )、四角を[ ]で書く。

呼び方 出馬表での表示 意味 所属
マル地 (地) JRAの競走馬登録のとき、すでに地方競馬に出走したことがある馬([地]の馬を除く) JRA
カク地 [地] 指定交流競走に出走する、地方競馬に所属する馬 地方競馬
マル外 (外) 外国産馬([外]の馬を除く) JRA
カク外 [外] 国際交流競走に出走する、外国の調教師が管理する馬 外国

マル地とカク地の違いは、所属だ。マル地は地方からJRAに籍を移した馬で、JRAの調教師に預けられ、JRAのふつうのレースに出る。カク地は地方競馬に所属したままで、JRAが地方競馬の馬に開いた指定交流競走にだけ出る。JRAの競馬施行規程では、指定交流競走のために受けた競走馬登録は、その指定交流競走についてだけ効力を持つ、としている。

マル外とカク外の関係も同じで、マル外はJRAに登録された外国産馬、カク外は外国に所属したまま国際交流競走に出る馬だ。

出馬表のほかの記号の読み方は「出馬表の見方」でまとめている。

カク地が出られるレース(指定交流競走)

指定交流競走は、地方競馬に所属している馬や騎手が、所属したまま出走・騎乗できるレースだ。JRAは、レースに付く記号を次のように決めている。

レースの記号 意味
(指) [地]が出走でき、地方競馬の騎手が騎乗できるレース((特指)を除く)
(特指) JRAが認定した地方競馬の競走で1着になった[地]などが出走でき、地方競馬の騎手が騎乗できるレース
[指] 地方競馬の騎手が騎乗できるレース

JRAは毎年度の競馬番組で、[地]が出走できるGⅠとそのステップ競走を示している。カク地が勝ってもJRAの所属にはならず、JRAで走り続けるには、上の転入の手続きと条件を満たしてマル地になる必要がある。

中央から地方への移籍は?

JRAの競馬施行規程では、JRAの競走馬登録を受けている馬が地方馬登録を受けたとき、JRAの競走馬登録は抹消される。中央から地方へ移るときは、JRAの登録を抹消して地方競馬全国協会の地方馬登録を受ける形になる。地方競馬のクラスは各競馬場が決めるため、どのクラスから走るかは移る先の決まりによる。

ただし、JRAの馬が地方競馬の指定交流競走(地方の競馬場で行う、JRAの馬が出られる交流のレース)に出るために受ける地方馬登録では、JRAの登録は抹消されない。JRAの所属のまま、地方の交流重賞に出られるのはこのためだ。

地方からJRAに戻る(再登録)の条件

JRAの競走馬登録を抹消された馬は、原則として再び登録しない。例外は、持ち主の申請で抹消したあと地方馬登録を受けた馬(または外国に所属した馬)と、1歳か2歳のときに持ち主の申請で抹消された、JRAのレースに出たことのない馬だ。

地方に移ってから戻る馬は、地方に所属していた間の勝ち数が条件になる。2026年度の競馬番組で、2013年1月1日以降にJRAの登録を抹消された馬の条件は次のとおりだ。

区分 再登録してJRAのレースに出られる馬
2012年以降に生まれ、2015年9月12日以降に再登録を申請する馬 3歳の12月末日までに2勝以上して、4歳の1月末日までに申請した馬、または3勝以上した馬
上記以外で、再登録のとき2歳・3歳の馬 2勝以上した馬
上記以外で、再登録のとき4歳以上の馬 3勝以上した馬

外国に所属していた間に、国際的な格付けのGⅠ・GⅡ・GⅢを勝った馬も戻れる。1歳か2歳のときにどこのレースにも出ないまま抹消された馬は、抹消のあと最初の再登録なら、この勝ち数の条件はかからない。

戻るときの馬名は、JRAで抹消されたときの名前のまま登録する。

騎手の移籍は?

騎手も、地方競馬の免許とJRAの免許は別だ。JRAの競馬施行規程では、地方競馬の騎手が指定交流競走に乗るときは、試験を免除してJRAの免許を出し、その免許はその指定交流競走についてだけ効力を持つ。JRAに所属を移して乗るには、JRAの騎手免許試験に受かる必要がある。

まとめ

地方から中央への移籍は、地方馬登録を抹消してJRAの競走馬登録を受けることで、移った馬はマル地(地)になる。2015年9月12日以降に登録を受ける馬は、申請のときの収得賞金が2歳で150万円、3歳で300万円、4歳以上で500万円を超えていないとJRAのレースに出られず、認定競走を勝った馬などが例外になる。地方の勝ちは1着本賞金を直した額で収得賞金に数え、移籍後のクラスもその収得賞金で決まる。カク地[地]は地方に所属したまま指定交流競走に出る馬で、マル地とは所属が違う。JRAの馬が地方馬登録を受けるとJRAの登録は抹消され、戻るには地方で決まった勝ち数が要る。

地方競馬のしくみとクラスの決め方は「地方競馬とは」で解説している。

地方競馬とJRAの騎手の養成と免許は「騎手になるには」でまとめている。

外国の騎手が期間を限ってJRAで乗る免許は「外国人騎手の短期免許とは」で確かめられる。

よくある質問

地方から中央に移籍する条件は?
地方馬登録を抹消してJRAの競走馬登録を受けることに加え、申請のときの収得賞金が2歳で150万円、3歳で300万円、4歳以上で500万円を超えている必要がある(2026年度の競馬番組)。3歳・4歳は、前の年の12月末日時点でそれぞれ150万円・300万円を超えていて1月末日までに申請すれば出られる。JRAが認定した地方の競走を勝った馬は、3歳の12月末日までに初めて登録を申請すれば、この賞金の条件はかからない。
マル地とは?
JRAの競走馬登録を受けたとき、すでに地方競馬のレースに出たことがあった馬のことだ。出馬表では、馬名の前に丸で囲んだ「地」が付く。JRAの所属なので、収得賞金で決まるクラスのJRAのレースに出られる。
カク地とは?マル地との違いは?
カク地は、地方競馬に所属したまま、JRAの指定交流競走に出る馬のことで、四角で囲んだ「地」が付く。JRAに移籍したマル地と違い、出られるのは指定交流競走だけで、そのための競走馬登録もそのレースに限って効力を持つ。
中央から地方に移籍するとどうなる?
JRAの競走馬登録を受けている馬が地方馬登録を受けると、JRAの競走馬登録は抹消される。そのあと再びJRAに戻るには、地方で2勝以上や3勝以上など、年齢と生まれ年に応じた勝ち数が要る(2026年度の競馬番組)。
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