競馬の着差の種類と順番|1馬身・ハナ・アタマ・クビ、大差・同着
この記事の要点
- JRAの着差は、短い順にハナ・アタマ・クビ、それより大きい差は馬身で表し、10馬身を超えると「大差」になる。GⅠの成績に出てくる表記は、ハナから大差まで21通り
- 着差は、前にゴールした馬の鼻先と次の馬の鼻先の間隔。1馬身を何メートルとする決まった数字はなく、2019〜2025年のJRAのGⅠでは、1馬身はタイム差0.1〜0.2秒、10馬身は1.6〜1.7秒だった
- JRAは、1着が2頭以上となった場合を「1着同着」と呼び、成績では同じ着順が並んで次の着順は1つ飛ぶ。2頭が1着に並ぶと、馬券ではいずれか1頭の馬を1着、いずれか1頭の馬を2着とみなすので、単勝は2頭のどちらも当たり、馬単は2頭をどちらの順に買っても当たりになる
- 着順と着差は、決勝審判委員が決める。決勝写真は、決勝審判委員が着順(到達順位)を判定するときの参考にする写真だ

目次
JRAの着差は、短い順にハナ・アタマ・クビ、それより大きい差は1/2馬身から10馬身までの馬身で表し、10馬身を超えると「大差」になる。馬身の刻みを並べたJRAの公式の一覧はない。2019〜2025年のGⅠの成績に出てきた表記(同着を除く)を編集部で数えると、ハナから大差までの21通りだった。本記事では、着差の一覧と読み方、ハナ・アタマ・クビの違い、1馬身の長さとタイム差の関係、大差と同着の扱い、着差と着順を決めるしくみを順にまとめる。内容はいずれも2026年11月時点のものだ。
着差の種類は?GⅠの成績に出てくる21通りの一覧
着差は、先に入線した馬の鼻先と、次に入線した馬の鼻先の間隔のことだ。JRAの競馬用語辞典では、ハナ、アタマ、クビ、それ以上は馬身を単位に表示し、10馬身を超える場合は「大差」と表示する、としている。
JRAのGⅠ(障害のJ・GⅠを含む)の2019〜2025年の182レースで、成績に載った着差は2,728件あった。刻みを並べたJRAの公式の一覧はないため、ここで編集部が数えた。出てきた表記は同着を除いて次の21通りで、4 1/2馬身や5 1/2馬身のような表記は1件もなかった。右の列は、その着差が付いた2頭のタイム差(0.1秒単位)で、件数の多かったものを並べた。
| 着差 | 読み | 成績での表記 | GⅠでのタイム差(2019〜2025年) |
|---|---|---|---|
| ハナ | はな | ハナ | すべて同タイム(241件) |
| アタマ | あたま | アタマ | 同タイムが164件、0.1秒が18件 |
| クビ | くび | クビ | 同タイムが339件、0.1秒が246件 |
| 1/2馬身 | にぶんのいちばしん(はんばしん) | 1/2 | 0.1秒が332件、同タイムが9件 |
| 3/4馬身 | よんぶんのさんばしん | 3/4 | 0.1秒が194件、0.2秒が43件 |
| 1馬身 | いちばしん | 1 | 0.2秒が96件、0.1秒が38件 |
| 1 1/4馬身 | いちとよんぶんのいちばしん | 1 1/4 | 0.2秒が210件、0.1秒が4件 |
| 1 1/2馬身 | いちばしんはん | 1 1/2 | 0.2秒が70件、0.3秒が52件 |
| 1 3/4馬身 | いちとよんぶんのさんばしん | 1 3/4 | すべて0.3秒(99件) |
| 2馬身 | にばしん | 2 | 0.3秒が74件、0.4秒が29件 |
| 2 1/2馬身 | にばしんはん | 2 1/2 | 0.4秒が126件、0.5秒が6件 |
| 3馬身 | さんばしん | 3 | すべて0.5秒(68件) |
| 3 1/2馬身 | さんばしんはん | 3 1/2 | 0.6秒が43件、0.5秒が6件 |
| 4馬身 | よんばしん | 4 | 0.7秒が35件、0.6秒が7件 |
| 5馬身 | ごばしん | 5 | 0.8秒が28件、0.9秒が22件 |
| 6馬身 | ろくばしん | 6 | すべて1.0秒(21件) |
| 7馬身 | ななばしん | 7 | 1.2秒が19件、1.1秒が12件 |
| 8馬身 | はちばしん | 8 | すべて1.3秒(10件) |
| 9馬身 | きゅうばしん | 9 | すべて1.5秒(6件) |
| 10馬身 | じゅうばしん | 10 | 1.6秒が3件、1.7秒が2件 |
| 大差 | たいさ | 大差 | 1.8〜11.1秒(56件) |
GⅠの成績では、馬身の刻みは、1/2・3/4のあと、1馬身から2馬身までが1/4馬身ずつ、2馬身から4馬身までが1/2馬身ずつ、4馬身から10馬身までが1馬身ずつになる。差が大きくなるほど、刻みも粗くなる。
着差は、前の馬との差を書く。1着の馬の欄には着差は入らず、2着の馬の欄に1着との差、3着の馬の欄に2着との差が入る。3着の馬が1着からどれだけ離されたかは、2着と3着の欄の着差を足して見ることになる。
ハナ・アタマ・クビの違いは?ハナ差は何センチ?
ハナ・アタマ・クビは、馬の体の部分を目安にした、1/2馬身より小さい着差だ。小さい順にハナ(鼻)、アタマ(頭)、クビ(首)で、クビの次が1/2馬身になる。「ハナ差で勝った」は、鼻の差ほどしか離れていない、もっとも小さい差で勝ったという意味だ。
JRAの解説には、ハナ差を何センチとする数字はない。着差は、あとで説明する決勝審判委員が決める。
タイムで見ると、ハナ・アタマ・クビの差は同タイムになることが多い。2019〜2025年のJRAのGⅠでは、同タイムだった割合はハナ差が100%(241件中241件)、アタマ差が90%(182件中164件)、クビ差が58%(585件中339件)で、3つ合わせると74%(1,008件中744件)だった。タイムは0.1秒単位で計るため、ハナ・アタマ・クビの差は、タイムには表れないことが多い。
1馬身は何メートル?何秒?
馬身は、馬1頭の体の長さを目安にした着差の単位だ。JRAの競馬用語辞典や成績表の見方には、1馬身を何メートルとする数字は載っていない。JRAは、1馬身の長さを数字で示していない。
秒で見ると、目安はつかめる。2019〜2025年のJRAのGⅠでは、1馬身の差はタイム差0.1〜0.2秒、5馬身は0.8〜0.9秒、10馬身は1.6〜1.7秒だった。おおよそ、1馬身がタイム差0.2秒弱にあたる。
着差とタイム差はどう違う?
着差とタイム差は、JRAの成績に別々の欄で載る。同じ着差でもタイム差が0.1秒違うことがあり、反対に、タイム差が同じでも着差が違うことがある。たとえば0.1秒差には、アタマ・クビ・1/2馬身・3/4馬身・1馬身・1 1/4馬身のどれもあった。
出馬表の馬柱(前走欄)には、1着馬とのタイム差が秒で載る。1着馬から「0.5」なら、0.5秒遅れてゴールしたことになる。レース結果や中継で使う「クビ」「3馬身」と、馬柱の秒の差は、同じ差を別の単位で表したものだ。
コーナーの通過順位の記号も馬身で決まる?
JRAの成績表では、コーナーの通過順位の並べ方も馬身で書き分けている。JRAの「成績表の見方」では、記号の意味を次のように説明している。
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
| (1,2,3) | 1馬身未満の差で並んで走っている馬群。かっこ内は内側の馬から |
| 1,2,3 | 前の馬から1馬身以上2馬身未満の差 |
| 1-2-3 | 前の馬から2馬身以上5馬身未満の差 |
| 1=2=3 | 前の馬から5馬身以上の差 |
大差は何馬身から?
大差は、10馬身を超える着差だ。10馬身ちょうどまでは「10」と書き、それより大きい差は、何馬身離れていても「大差」とまとめて書く。
2019〜2025年のJRAのGⅠでは、10馬身の差はタイム差1.6〜1.7秒、大差はもっとも小さいもので1.8秒だった。大差の56件のタイム差は1.8〜11.1秒まで幅があり、大差と書かれた馬どうしでも、どれだけ離れていたかはタイムを見ないと分からない。
大差の56件のうち23件は、7年で14レースしかない障害のJ・GⅠで付いた。着順で見ると、56件のうち41件は10着以下の馬の着差で、上位の馬どうしに大差が付くことは少ない。
同着とは?着順と馬券の扱い
JRAの馬券の説明では、1着が2頭以上となった場合を「1着同着」、2着が2頭以上なら「2着同着」、3着が2頭以上なら「3着同着」としている。成績では、同着の馬に同じ着順が付き、着差の欄には「同着」と書かれる。次の馬の着順は、同着の頭数の分だけ飛ぶ。たとえば2020年の有馬記念では、ワールドプレミアとカレンブーケドールが5着同着で、次の馬は7着になった。
馬券では、JRAは同着のときの扱いを次のように決めている。
| 同着の着順 | 馬券での扱い |
|---|---|
| 1着が2頭以上 | いずれか1頭を1着、いずれか1頭を2着、いずれか1頭を3着とみなす |
| 2着が2頭以上 | いずれか1頭を2着、いずれか1頭を3着とみなす |
| 3着が2頭以上 | いずれか1頭を3着とみなす |
ワイドの3着どうしの組み合わせと、3連複・3連単の3着どうしを含む組み合わせは、当たりにならない。同着があると、払戻金はJRAが発表した最終オッズとは違う率になる。最終オッズは、勝ち馬が1頭(1組)だった場合を想定した、おおよその率だからだ。
着差は誰がどう決める?決勝審判と決勝写真のしくみ
着順と着差は、決勝審判委員が決める。JRAの競馬用語辞典では、決勝審判委員は、到達順位(着順)の判定、到達差(着差)、決勝線に到達した馬のタイムを決める係だ。決勝写真は、決勝審判委員が到達順位を判定するときの参考にする写真で、決勝写真撮影カメラで撮る。
決勝写真撮影カメラは、ふつうのカメラのように一瞬の場面を撮るのではない。幅0.02ミリのラインセンサーを決勝線に合わせて固定し、決勝線の上だけを1万分の1〜1万分の2秒ごとに撮り続ける。その1列ずつの画像を時間の順につなぐと、決勝線を通った馬が1枚の写真になって表れる。
そのため、決勝写真の上で馬どうしが離れて見える幅は、実際の馬の間の距離ではなく、決勝線に着いた時間の差を表す。着差(鼻先の間隔)とは別のものだ。JRAは、決勝写真のどこがゴールかという問いに「すべてがゴール」と答えている。ゆっくりゴールした馬ほど決勝線の上にいる時間が長いので、写真では馬が長く大きく写る。
着差が載らないことはある?
ある。JRAの成績表の見方では、決勝写真その他の事故で確かめられないときは、2着以下のタイムと、6着以下の着差を省くことがある、としている。
GⅠで大きな着差がついたレースは?
2019年から2026年11月7日までに行われたJRAのGⅠ(199レース)のうち、1着と2着の着差が6馬身以上だったレースは次のとおりだ。
| 年 | レース | 1着 | 2着との着差 | タイム差 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 中山グランドジャンプ(J・GⅠ) | イロゴトシ | 大差 | 3.1秒 |
| 2026 | 中山グランドジャンプ(J・GⅠ) | エコロデュエル | 大差 | 2.0秒 |
| 2023 | 中山大障害(J・GⅠ) | マイネルグロン | 10馬身 | 1.7秒 |
| 2025 | 中山グランドジャンプ(J・GⅠ) | エコロデュエル | 8馬身 | 1.3秒 |
| 2022 | 天皇賞(春) | タイトルホルダー | 7馬身 | 1.1秒 |
| 2020 | 宝塚記念 | クロノジェネシス | 6馬身 | 1.0秒 |
| 2021 | チャンピオンズカップ | テーオーケインズ | 6馬身 | 1.0秒 |
| 2023 | オークス | リバティアイランド | 6馬身 | 1.0秒 |
平地のGⅠでもっとも大きかったのは、2022年の天皇賞(春)でタイトルホルダーがディープボンドに付けた7馬身だ。障害のGⅠでは、2023年と2026年の中山グランドジャンプが大差だった。
まとめ
JRAの着差は、短い順にハナ・アタマ・クビ、1/2馬身から10馬身までの馬身、10馬身を超える大差で表し、GⅠの成績に出てくる表記は21通りだ。着差は前の馬の鼻先との間隔で、1馬身を何メートルとする決まった数字はないが、GⅠのタイムで見ると1馬身はおよそ0.1〜0.2秒の差にあたる。同着は同じ着順が並び、馬券では決められた着順とみなして払い戻す。着順と着差は決勝審判委員が決め、決勝写真は着順を判定するときの参考になる。
着差が載る出馬表の馬柱の読み方は「出馬表の見方」で解説している。
ハナ差・大差など、ほかの競馬の言葉は「競馬用語集」でまとめている。
審議で着順が入れ替わる降着の決まりは「競馬の降着とは」でまとめている。
よくある質問
- 競馬の着差は何種類?
- JRAの着差は、短い順にハナ・アタマ・クビ、1/2馬身・3/4馬身・1馬身から10馬身までの馬身、10馬身を超える大差で表す。刻みを並べたJRAの公式の一覧はなく、2019〜2025年のGⅠの成績に出てきた表記を数えると21通りだった。
- ハナ差・アタマ差・クビ差はどれが大きい?
- 小さい順にハナ、アタマ、クビで、クビ差の次が1/2馬身になる。2019〜2025年のJRAのGⅠでは、ハナ差はすべて同タイム、アタマ差・クビ差も多くが同タイムか0.1秒差だった。
- ハナ差は何センチ?
- JRAは、ハナ差の長さをセンチなどの数字で示していない。2019〜2025年のJRAのGⅠでは、ハナ差の241件がすべて同タイムだった。
- 1馬身は何メートル?
- 馬身は馬1頭の体の長さを目安にした単位で、JRAの用語の解説や成績には、1馬身を何メートルとする数字は載っていない。2019〜2025年のJRAのGⅠでは、1馬身の差はタイム差で0.1〜0.2秒だった。
- 大差は何馬身から?
- 10馬身を超える着差が大差だ。10馬身ちょうどまでは「10」と馬身で書き、それより大きい差はすべて「大差」とまとめて書く。
- 同着の馬券はどうなる?
- 2頭が1着に並んだときは、単勝は2頭のどちらも当たり、馬連は2頭の組み合わせ、馬単は2頭をどちらの順に買っても当たりになる。JRAは、1着が2頭以上となった場合は、同着の馬のどれを1着・2着とみなしても当たりになるよう組み合わせの馬券を扱う。払戻金は、JRAが発表した最終オッズとは違う率になる。






