はじめての競馬

競馬の斤量とは?馬齢・定量・別定・ハンデ戦の違いと減量騎手の記号

この記事の要点

  • 斤量は「負担重量」のことで、騎手・鞍などを合わせた、馬が背負う重さの総量を指す
  • 決まり方は、馬齢重量・定量・別定・ハンデキャップの4つ。馬齢重量は2歳9月までが牡牝とも55キロ、3歳は牡・せん馬57キロ、牝馬55キロ(2026年10月時点)
  • 年齢の違う馬が走る別定のレースは、原則として5歳以上の牡・せん馬の平地58キロを基本に、牝馬は2キロ減、3歳・4歳は平地では月と距離に応じて減る
  • 見習騎手・女性騎手は、特別競走とハンデ戦以外のレースで斤量が減り、騎手に▲△☆★◇の記号が付く
目次
  1. 斤量(負担重量)とは何の重さか
  2. 斤量の決まり方は4種類
  3. 4つの決まり方の違い
  4. 牝馬・3歳馬・南半球産馬の減量
  5. 見習騎手・女性騎手の減量|▲△☆★◇の記号
  6. 検量|斤量はレースの前後に量る
  7. 出馬表で斤量を見るときのポイント
  8. まとめ

競馬の斤量とは、レースで馬が背負う重さ「負担重量」のことで、騎手の体重に鞍などを加えた総重量を指す。どのレースでも馬ごとに斤量が決まっていて、その決まり方は馬齢重量・定量・別定・ハンデキャップの4つに分かれる。本記事では、4つの決まり方の違いと具体的な重さ、牝馬・3歳馬・南半球産馬の減量、見習騎手・女性騎手の減量の記号、検量の仕組み、出馬表で斤量を見るときのポイントを順にまとめる。数字はいずれも2026年10月時点のJRAの決まりだ。

斤量(負担重量)とは何の重さか

斤量は、競走馬がレースで負担する重さのことで、正式には「負担重量」という。中身は騎手だけの体重ではなく、騎手・鞍などを合わせた総重量だ。出走する馬は、決められた負担重量を背負って走らなければならない。

「斤」は昔の重さの単位で、1斤は0.6キロにあたる。初期の競馬は負担重量を80斤、90斤と斤で決めていた。いまはキロで決めているが、その名残で負担重量を「斤量」と呼んでいる。

斤量の決まり方は4種類

斤量の決まり方を整理すると、次のようになる。

種類 決め方 主に使われるレース・例
馬齢重量 馬の年齢(と性)で決める 2歳・3歳の、同じ年齢の馬だけのレース(日本ダービーなど3歳のGⅠも馬齢重量)。競馬番組に特に記載がなければ馬齢重量
定量 別定のうち、年齢と性だけを基準に決める 有馬記念、ジャパンカップなど3歳以上のGⅠ
別定 基本となる重量に、収得賞金や勝利度数などに応じて重さを増減させる 重賞、特別競走、条件競走など
ハンデキャップ JRAのハンデキャップ作成委員が馬ごとに決める ハンデキャップ競走(ハンデ戦)

JRAの決まり(競馬施行規程)のうえでは、負担重量の種類は馬齢重量・別定重量・ハンデキャップの3つだ。定量は別定重量の一種で、競馬番組では別定と分けて「定量」と書かれる。そのため、レースの条件の表記では4つに分かれて見える。なお、GⅠは定量か馬齢重量で行われる。

4つの決まり方の違い

馬齢重量|年齢と時期で決まる

馬齢重量は、馬の年齢によって負担重量を決める方法だ。2歳と3歳の、同じ年齢の馬だけで行うレースに使われる。競馬番組に負担重量について特に記載がないレースは、馬齢重量で行う。日本ダービー、皐月賞、菊花賞、オークス、桜花賞など3歳のGⅠも、2歳のGⅠも馬齢重量だ。

区分 2歳(9月まで) 2歳(10月〜12月) 3歳
牡・せん馬 55キロ 56キロ 57キロ
牝馬 55キロ 55キロ 55キロ

2歳の9月までは牡牝とも55キロで、10月から牡・せん馬だけ56キロに上がる。3歳になると牡・せん馬は57キロで、牝馬との差は2キロになる。

定量|年齢と性で全馬一律

定量は、別定重量のうち、収得賞金や勝利度数に関係なく、馬の年齢と性を基準に、出走するすべての馬の負担重量を決める方法だ。有馬記念やジャパンカップなど、3歳以上のGⅠがこの方法で行われる。

成績によって重さが変わらないため、実績のある馬も、そうでない馬も、年齢と性が同じなら同じ斤量で走る。

別定|実績に応じて重さが変わる

別定は、レースごとに負担重量を決める基準が設けられているレースだ。基本となる重量に、収得賞金や勝利度数などによって重さを増減させる。重賞、特別競走、条件競走などで使われる。

基本となる重量は、原則として次のとおりだ。オープンクラスなど一部のレースは、個別に基本となる重量が決められている。

レース 基本となる重量
2歳馬・3歳馬だけのレース 馬齢重量
3歳以上・4歳以上など年齢の違う馬が走るレース 5歳以上の牡・せん馬で平地58キロ、障害60キロ(牝馬はどちらも2キロ減)。3歳・4歳は平地では月と距離に応じて減る(次の章)

別定の重さは、競馬番組で特に定めた場合を除き、そのレースの出馬投票の締切の前日までの成績で決まる。実績を積んだ馬ほど重くなるため、同じレースでも馬によって斤量に差が出る。

ハンデキャップ|ハンデキャップ作成委員が馬ごとに決める

ハンデキャップは、出走予定の馬の実績や最近の状態などをもとに、どの馬にも勝つチャンスがあるよう、馬ごとに負担重量を決める方法だ。重さを決めるのは、JRAのハンデキャップ作成委員だ。この方法で行うレースが、いわゆる「ハンデ戦」だ。

ハンデキャップ競走に出られるのは、中央競馬の平地競走、地方競馬指定交流競走(JRAの競走馬登録を受けている馬が出られる競走に限る)、JRAが指定する外国の重賞競走に、通算で2回以上出走している馬だ。

出走できる頭数より多くの馬が出馬投票した場合、ハンデキャップ競走では、負担重量の重い馬から上位3頭に優先出走が認められる(ほかの決まりで優先出走が認められた馬を除く)。このとき比べる重さは、負担重量に、次の章のアローワンスと南半球産馬の減量にあたる重さを足したものだ。

牝馬・3歳馬・南半球産馬の減量

牝馬は2キロ減

3歳以上・4歳以上など、年齢の違う馬が走る別定のレースでは、牝馬は牡・せん馬より2キロ軽くなる。5歳以上の牝馬なら、平地で56キロ、障害で58キロが基本の重さだ。このように、年齢や性の違いで減らす重さを「アローワンス」という。

3歳・4歳は月と距離で減る

年齢の違う馬が走る別定のレースでは、3歳馬と4歳馬は、5歳以上の馬に比べて重さが減る。平地競走では、月と距離に応じて減る。平地競走の3歳馬の減量は次のとおりだ(単位はキロ。かっこ内はオープンクラス以外の平地競走の数字)。

距離 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
1400m未満 7(6) 6(5) 5(4) 4(3) 4(3) 3 3 2 2 1 1 1
1400m以上1600m以下 8(7) 7(6) 6(5) 5(4) 4(3) 4(3) 3 3 2 2 1 1
1600m超2200m未満 9(8) 8(7) 7(6) 6(5) 5(4) 4(3) 4(3) 3 3 2 2 1
2200m以上 10(9) 9(8) 8(7) 7(6) 6(5) 5(4) 4(3) 4(3) 3 3 2 2

年の初めほど、距離が長いほど、3歳馬の減量は大きい。月が進むにつれて減量が小さくなり、5歳以上の馬との差が縮まっていく。

4歳馬の減量は年の初めだけで、平地競走では次のとおりだ。

距離 4歳の減量
1400m未満 なし
1400m以上1600m以下 1月に1キロ
1600m超2200m未満 1月・2月に1キロ
2200m以上 1月〜3月に1キロ

障害競走では、3歳馬が1年を通して2キロ減、4歳馬が1月〜5月に1キロ減になる。

南半球産馬の減量

南半球で7月1日から12月31日までに生まれた馬が平地競走に出るときは、ここまでの決まりで出した負担重量から、さらに重さを減らす。ハンデキャップ競走には適用されない。

距離 2歳(6月〜12月) 3歳 4歳
1400m未満 3キロ 1月〜6月は2キロ、7月〜12月は1キロ 1月〜5月に1キロ
1400m以上1600m以下 3キロ 1月〜9月は2キロ、10月〜12月は1キロ 1月〜6月に1キロ
1600m超2200m未満 3キロ 1年を通して2キロ 1月〜7月に1キロ
2200m以上 4キロ 1月〜6月は3キロ、7月〜12月は2キロ 1月〜8月に1キロ

見習騎手・女性騎手の減量|▲△☆★◇の記号

見習騎手と女性騎手が、特別競走とハンデキャップ競走以外のレースに乗るときは、馬の負担重量が減る。どれだけ減るかは記号で示され、騎手に▲△☆★◇の印が付く。

見習騎手は、免許を取ってからの通算の期間が5年未満で、平地競走の勝利度数が100回以下、または障害競走の勝利度数が20回以下の騎手を指す。勝利度数は、そのレースの出馬投票の締切日の前日までに、中央競馬のレースで挙げた1着の回数に、地方競馬指定交流競走と、パートⅠに定める外国の重賞でJRAの登録馬に乗って挙げた1着の回数を足したものだ。

男性騎手の減量の記号

区分 平地の勝利度数 障害の勝利度数 減る重さ 記号
見習騎手 30回以下 10回以下 3キロ ▲
見習騎手 31回以上50回以下 11回以上15回以下 2キロ △
見習騎手 51回以上100回以下 16回以上20回以下 1キロ ☆

※障害競走の新規騎乗騎手の区分は省いた

女性騎手の減量の記号

区分 平地の勝利度数 障害の勝利度数 減る重さ 記号
見習騎手 50回以下 15回以下 4キロ ★
見習騎手 51回以上100回以下 16回以上20回以下 3キロ ▲
見習騎手などにあたらない女性騎手 ― ― 2キロ ◇

※障害競走の新規騎乗騎手の区分は省いた

女性騎手は、見習騎手にあたらなくなっても、2キロ減の◇が付く。同じ▲でも、男性の見習騎手と女性の見習騎手では、付く勝利度数の範囲が違う。

検量|斤量はレースの前後に量る

決められた斤量で走ったかどうかは、検量室で確かめる。検量には、レースの前に量る「前検量」と、レースの後に量る「後検量」がある。

検量 量る騎手 時期
前検量 全騎手 発走の50分前まで
後検量 7位までに入線した騎手と、裁決委員が特に指定した騎手 レースの後

前検量で決められた重さを超えていても、その超えた分が1キロ以内で、裁決委員が認めれば、量った重さのまま騎乗できる。このときは発表される重量が変わる。

一方、前検量で量った重さから後検量で量った重さを引いて、1キロを超えていた場合は失格になる。負担重量が足りなかったと見なされるためだ。

出馬表で斤量を見るときのポイント

出馬表には、馬ごとの斤量が載っている。見るときは、次の4つを押さえておくと読み違えにくい。

1つ目は、レースの条件で斤量の決まり方を確かめることだ。同じ斤量の差でも、別定なら実績の差、ハンデ戦ならハンデキャップ作成委員の評価の差、定量や馬齢重量なら年齢や性の差と、意味が変わる。レースの格や条件の分かれ方は「競馬のクラス分け」でまとめている。

2つ目は、騎手の記号を見ることだ。▲△☆★◇が付いていれば、見習騎手・女性騎手の減量が入っている。特別競走とハンデ戦では減量が付かないので、同じ騎手でもレースによって減量の有無が変わる。

3つ目は、前のレースからの増減を見ることだ。別定のレースで重くなっていれば実績を積んだ結果で、ハンデ戦で重くなっていれば、それだけ高く評価されたことになる。3歳馬は月が進むと減量が小さくなるため、年齢の違う馬と走るレースでは、成績に関係なく斤量が上がることもある。

4つ目は、発表された重量が変わっていないかを見ることだ。前検量で超過が認められると、発表重量が変わる。

なお、「斤量が1キロ違うと何馬身」といった換算を見かけることがあるが、確かめられる根拠のある数字ではないため、本記事では扱わない。斤量は、決まり方と増減の理由を合わせて見るのが基本だ。

まとめ

斤量は、騎手と鞍などを合わせて馬が背負う重さ「負担重量」のことだ。決まり方は、年齢で決める馬齢重量、年齢と性だけで全馬一律に決める定量、実績に応じて重さを増減させる別定、ハンデキャップ作成委員が馬ごとに決めるハンデキャップの4つに分かれる。年齢の違う馬が走るレースでは牝馬が2キロ減、3歳・4歳は平地では月と距離に応じて減り、見習騎手・女性騎手が乗ると、特別競走とハンデ戦を除いてさらに減量がある。出てくる言葉の意味は「競馬用語集」でも確かめられる。

よくある質問

競馬の斤量とは?
馬が背負う重さ「負担重量」のこと。騎手の体重だけでなく、鞍などを含めた総重量を指す。
定量と別定の違いは?
別定は、基本となる重量に、収得賞金や勝利度数などに応じて重さを増減させる方法。定量は別定の一種で、成績に関係なく年齢や性だけで全馬の重さを決める。
ハンデ戦とは?
実績や最近の状態をもとに、JRAのハンデキャップ作成委員が馬ごとに負担重量を決め、どの馬にも勝つチャンスがあるようにしたレース。中央競馬の平地競走などに通算2回以上出走した馬が出られる(2026年10月時点)。
騎手名に付く▲や☆は何の記号?
見習騎手・女性騎手の減量の記号。男性の見習騎手は、平地の勝利度数30回以下が▲で3キロ減、31〜50回が△で2キロ減、51〜100回が☆で1キロ減になる(2026年10月時点)。
斤量が決められた重さより重かったらどうなる?
レース前の検量で重さが超えても、1キロ以内で裁決委員が認めれば、その重さで騎乗できる。そのときは発表される重量が変わる。

はじめての競馬

ほかのガイドも見る →

新着記事