払戻金の計算方法|オッズ×購入額の式と券種別の例、元返し・特払い

この記事の要点
- 払戻金は「オッズ×購入額」。オッズは100円あたりの倍率で、5.0倍を1,000円買って当たれば5,000円
- オッズは馬券の売上から払戻率の分を当たった人で分けるパリミュチュエル方式で決まり、締切まで動く。払戻率は単勝・複勝の80%からWIN5の70%まで
- 人気が集中して100円が100円で戻るのが元返し。JRAプラス10で通常は110円になる。当たった人がいないときは特払いで70円か80円が戻る
- 当たり馬券の払戻期間は60日間。即PAT・A-PATは各レースの確定後に購入資金へ入る
競馬の払戻金は「オッズ×購入額」で計算できる。オッズは100円に対する倍率なので、5.0倍の馬券を100円買って当たれば500円、1,000円買っていれば5,000円が戻る。本記事では、計算式と券種ごとの計算例、オッズが決まるしくみ(パリミュチュエル方式と払戻率)、元返し・特払い、払戻の受け取り方と期限を解説する。
払戻金の計算式は「オッズ×購入額」
JRAのオッズは、馬券が当たったときの100円あたりの払戻の倍率。払戻金は次の式で出せる。
払戻金 = オッズ × 購入額
100円あたりの払戻金で考えると、計算がさらに楽になる。オッズを100倍した数字が、100円あたりの払戻金だ。
| オッズ | 100円あたりの払戻金 | 500円買ったとき | 1,000円買ったとき |
|---|---|---|---|
| 1.5倍 | 150円 | 750円 | 1,500円 |
| 5.0倍 | 500円 | 2,500円 | 5,000円 |
| 12.3倍 | 1,230円 | 6,150円 | 12,300円 |
| 85.6倍 | 8,560円 | 42,800円 | 85,600円 |
レースの結果とともにJRAが発表する「払戻金」は、この100円あたりの金額だ。発表された払戻金に「購入額÷100」を掛ければ、自分の受け取る額になる。
払戻金には買った金額も含まれる。5.0倍を1,000円買って5,000円戻ったなら、増えた分は4,000円だ。
券種ごとの計算例
券種ごとの当たりの条件は「馬券の種類と買い方」でまとめている。ここでは、当たったときの計算だけを見ていく。下の数字はすべて計算のための例だ。
単勝・馬連・馬単など|当たりは1つ
単勝、枠連、馬連、馬単、3連複、3連単は、当たりの組み合わせが1つ(同着を除く)。計算はオッズ×購入額だけでいい。
- 単勝5.0倍を1,000円 → 500円×10 = 5,000円
- 馬連23.4倍を300円 → 2,340円×3 = 7,020円
- 3連単1,234.5倍を100円 → 123,450円
複勝|当たりの馬が2〜3頭あり、払戻金はレース後に決まる
複勝は、選んだ馬が3着まで(出走が5〜7頭なら2着まで)に入れば当たる。当たりの馬が3頭(5〜7頭立てなら2頭)あるので、払戻金はレースの結果が出てから決まる。計算は、発表された100円あたりの払戻金×(購入額÷100)だ。
- 複勝の払戻金が230円の馬を500円 → 230円×5 = 1,150円
ワイド|1レースで最大3つ当たる
ワイドは、選んだ2頭がどちらも3着以内に入れば当たる。1着・2着・3着の3頭から、当たりの組み合わせが3つできる。複数の組み合わせを買っていれば、当たった分をそれぞれ計算して足す。
- 1-2と1-3を200円ずつ(計400円)買い、1-2の払戻金が450円、1-3が1,280円 → 450円×2+1,280円×2 = 900円+2,560円 = 3,460円
ボックス・流し|外れた組み合わせの分も引いて考える
ボックスや流しは、組み合わせの数だけ買っている。払戻金は当たった1点の分だけで、外れた点数の分は戻らない。
- 3連単の3頭ボックス(6点)を100円ずつ(計600円)買い、払戻金12,340円の組み合わせが当たった → 戻るのは 12,340円。増えた分は12,340円−600円 = 11,740円
点数の数え方は「馬券の点数の早見表」で、ボックス・流し・フォーメーションごとにまとめている。
オッズの決まり方|パリミュチュエル方式と払戻率
売上を当たった人で分ける
日本の競馬は、パリミュチュエル方式で払戻金を決めている。同じ券種で売れた馬券の総額から、JRAが券種ごとに決めた率(払戻率)の分を、当たった馬券を持つ人で、買った額に応じて分ける。
JRAが示す、払戻の対象となる総額の式は次のとおり(WIN5はこれにキャリーオーバーが加わる)。
払戻対象総額 =(W + D ÷ P)× R
- W:勝ち馬(当たりの組み合わせ)に投票された総額
- D:出走した馬のうち、勝ち馬以外に投票された総額
- P:勝ち馬(当たりの組み合わせ)の数
- R:券種ごとの払戻率
単勝の例で計算してみる。単勝の売上が1億円で、勝った馬に1,000万円が投票されていたとする。
- 払戻対象総額 =(1,000万円+9,000万円÷1)×80% = 8,000万円
- 100円あたりの払戻金 = 8,000万円÷1,000万円×100円 = 800円(8.0倍)
券種ごとの払戻率
払戻率は次のとおり(2014年6月7日以降のレース。2026年10月時点)。100%から払戻率を引いたのが、いわゆる控除率だ。
| 券種 | 払戻率 | 控除率 |
|---|---|---|
| 単勝・複勝 | 80.0% | 20.0% |
| 枠連・馬連・ワイド | 77.5% | 22.5% |
| 馬単・3連複 | 75.0% | 25.0% |
| 3連単 | 72.5% | 27.5% |
| WIN5 | 70.0% | 30.0% |
JRAは、特定の日やレース・券種の払戻率を一律80%にしたり、売上の5%相当額を払戻金に上乗せしたりする施策(JRAスーパープレミアム、JRAプレミアムなど)も行っている。JRAプレミアムの対象レースでは、オッズと払戻金は上乗せ後の数字で表示される。
オッズは締切まで動く
払戻金は売上で決まるので、買ったあとも締切までオッズは動く。買った時点のオッズで払戻金が決まるブックメーカー方式(イギリスなど)とは、ここが違う。発売締切後の最終オッズも、そのあとに競走除外が出れば変わる。
同着だと最終オッズと違う額になる
最終オッズは、勝ち馬が1頭(1組)だと想定した概算の率だ。1着が同着になると、上の式の P が2になり、外れた人の投票額 D を2頭の的中者で半分ずつ分ける。
単勝の売上1億円のうち、同着の馬Aに2,000万円、馬Bに1,000万円、ほかの馬に7,000万円が投票されていた場合で計算する。
| 最終オッズ(1頭で勝った想定) | 同着のときの払戻対象総額 | 同着のときの100円あたり | |
|---|---|---|---|
| 馬A | 4.0倍 | (2,000万円+7,000万円÷2)×80% = 4,400万円 | 220円 |
| 馬B | 8.0倍 | (1,000万円+7,000万円÷2)×80% = 3,600万円 | 360円 |
2頭の払戻対象総額を足すと8,000万円で、売上1億円×80%と一致する。同着になると、それぞれの払戻金は最終オッズより低くなる。
元返し・特払いとは
元返し|100円が100円で戻る
元返しは、特定の馬や組み合わせに人気が著しく集中し、100円の馬券に100円しか戻らないこと。オッズでいえば1.0倍だ。
JRAでは「JRAプラス10」として、すべてのレース・すべての券種で、通常なら100円元返しになる払戻金に10円を上乗せし、110円(1.1倍)で払い戻している。ただし人気が特に著しく集中し、払戻金の総額と上乗せの総額の合計が売上を超える場合は、上乗せされずに100円元返し(1.0倍)になる。
特払い|当たった人がいないとき
その券種で当たった馬券が1枚もないときは、その券種を買った全員に特払いが行われる。
- 払戻率80%の券種(単勝・複勝):100円につき80円
- 払戻率70%台の券種(枠連・馬連・ワイド・馬単・3連複・3連単):100円につき70円
WIN5は特払いがなく、払戻対象の総額が次回のWIN5にキャリーオーバーされる。なお、WIN5の払戻金の上限は法令で100円に対して6億円と決まっている。
返還|出走取消・競走除外の馬券は全額戻る
馬券の発売が始まったあとに出走取消・競走除外になった馬の馬券(その馬を含む組み合わせ)は、買った額がそのまま返還される。枠連は、同じ枠にほかの馬が残っている場合、返還されないことがある。
ゴールした頭数が少ないときも返還がある。1頭しか入線しなければ単勝・複勝だけが払い戻され、ほかの券種は返還。2頭なら3連複・3連単が返還になる。全頭が競走を中止すれば、すべての券種が返還だ。
払戻の受け取り方と期限
ネット投票・UMACA
ネット投票(即PAT・A-PAT)の払戻金は、各レースの確定後に購入資金に入り、そのまま次のレースに使える。JRAダイレクトは土日の分をまとめて、クレジットカードの代金を払う口座に振り込まれる。会員ごとの精算のしくみは「馬券のネット購入の方法」で解説している。
UMACAで買った馬券の払戻金は、UMACAの残高に自動で入る。残高の有効期限は、投票か入出金で最後に使った日から5年だ。
馬券(紙)は60日以内に窓口で
紙の当たり馬券と返還券は、全国のJRAの競馬場とウインズ・エクセルで払い戻せる。買った場所でなくてもいい。ただし地方競馬の発売所「J-PLACE」で買った馬券はJRAの施設で、JRAの施設で買った馬券はJ-PLACEで払い戻せない。
払戻期間は60日間。期限の当日がJRAの全国的な払戻休務日なら、次の払戻日に払い戻す。払い戻しの時間は、開催日の競馬場が原則9時30分〜17時、ウインズ・エクセルが原則9時20分〜17時。開催のない平日にも、決まった日に10時〜16時の平日払戻サービスがある(2026年10月時点。日程はJRAの払戻カレンダーで確かめる)。
払戻は、レース後に確定した着順で行われる。審議で着順が変わることもあるので、確定するまで馬券は捨てない。
払戻金と税金
JRAは、馬券の払戻金は税法上、課税の対象になるケースがあり、確定申告が要る場合があるとしている。国税庁は、競馬の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く)を一時所得の例に挙げている。
一時所得の金額は「総収入金額−収入を得るために支出した金額−特別控除額(最高50万円)」で計算し、その2分の1をほかの所得と合わせて税額を出す(2026年4月1日時点の法令)。自分のケースが当てはまるかは、税務署か国税庁のホームページで確かめてほしい。
まとめ
払戻金は「オッズ×購入額」で、オッズを100倍した数字が100円あたりの払戻金になる。オッズは売上と払戻率で決まり、締切まで動くうえ、同着のときは最終オッズと違う額になる。人気が集中すれば元返し(JRAプラス10で通常は110円)、当たりがなければ特払いで70円か80円が戻る。紙の馬券の払戻期間は60日間なので、当たった馬券は早めに払い戻しておきたい。
※馬券の購入は20歳になってから。無理のない範囲で楽しんでください
よくある質問
- 払戻金はどうやって計算する?
- オッズ×購入額で計算する。オッズは100円あたりの倍率なので、12.3倍の馬券を500円買って当たれば、1,230円×5で6,150円になる。
- 買ったときのオッズで払戻金が決まる?
- 決まらない。日本の競馬はパリミュチュエル方式で、払戻金は発売締切後の最終的な売上で決まるため、買ったあともオッズは動く。
- 元返しとは?
- 特定の馬や組み合わせに人気が著しく集中し、100円の馬券に100円しか戻らないこと。JRAではJRAプラス10で、通常は10円を上乗せした110円で払い戻す。
- 当たった馬券はいつまで払い戻せる?
- 的中券と返還券の払戻期間は60日間。全国のJRAの競馬場とウインズ・エクセルで払い戻せる。
- 払戻金に税金はかかる?
- 課税の対象になる場合があり、確定申告が要ることもある。国税庁は、競馬の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く)を一時所得の例に挙げている。





