障害レースとは|J・GⅠの中山大障害・中山グランドジャンプと障害の高さ
この記事の要点
- 障害レースは、コースに置いた竹柵・いけ垣・水ごうなどの障害を飛び越えて走るレース。JRAでは札幌・函館を除く8つの競馬場で行われる
- JRAの2026年度の障害の重賞は10レース(J・GⅠ2・J・GⅡ3・J・GⅢ5)。J・GⅠは春の中山グランドジャンプ(4,260m)と暮れの中山大障害(4,100m)
- 中山の障害は高さ1.2〜1.6m。もっとも高い大竹柵と大いけ垣は高さ1.6mで、通称「大障害コース」に置かれている
- 障害レースに乗るには、障害競走の騎手免許が要る。斤量は平地より重く、中山大障害の4歳以上の牡・せん馬は63キロ

障害レースとは、コースに置いた障害を飛び越えて走り、ゴールまでの速さを競うレースだ。JRAの障害の重賞は2026年度に10レースあり、そのうちJ・GⅠは中山グランドジャンプと中山大障害の2つになる。本記事では、障害の重賞の一覧、障害の種類と高さ・幅、障害レースに乗れる騎手と出られる馬、平地との距離・斤量の違い、J・GⅠの最近の勝ち馬を順にまとめる。内容はいずれも2026年11月時点のものだ。
障害レースとは?
JRAは、障害競走を、コースに置かれたいくつかの障害物を越えて、いかに早くゴールに着くかを競うレースとしている。障害物には、竹柵、いけ垣(生籬)、水ごう(水濠)、土塁などがある。
JRAでは、札幌・函館を除く8つの競馬場で障害レースが行われている。中山大障害は、イギリスのグランド・ナショナルにならって1934年に創設された。
障害の重賞は年10レース
JRAの2026年度の障害の重賞は次の10レースだ。障害の重賞は、平地のGⅠ・GⅡ・GⅢと分けて、J・GⅠ、J・GⅡ、J・GⅢと書く。
| 格 | レース | 競馬場 | 距離 | 1着本賞金 |
|---|---|---|---|---|
| J・GⅠ | 中山グランドジャンプ | 中山 | 4,260m | 7,000万円 |
| J・GⅠ | 中山大障害 | 中山 | 4,100m | 7,000万円 |
| J・GⅡ | 阪神スプリングジャンプ | 阪神 | 3,900m | 4,500万円 |
| J・GⅡ | 京都ハイジャンプ | 京都 | 3,930m | 4,500万円 |
| J・GⅡ | 東京ハイジャンプ | 東京 | 3,110m | 4,500万円 |
| J・GⅢ | 小倉ジャンプS | 小倉 | 3,390m | 3,000万円 |
| J・GⅢ | 東京ジャンプS | 東京 | 3,110m | 3,000万円 |
| J・GⅢ | 新潟ジャンプS | 新潟 | 3,250m | 3,000万円 |
| J・GⅢ | 阪神ジャンプS | 阪神 | 3,140m | 3,000万円 |
| J・GⅢ | 京都ジャンプS | 京都 | 3,170m | 3,000万円 |
JRAの規定では、障害の重賞は、賞金・負担重量・歴史と伝統・競走内容などによってJ・GⅠ、J・GⅡ、J・GⅢに格付けする。
重賞の格付けのしくみは「重賞とは」でまとめている。
障害の種類と高さは?何メートル跳ぶ?
障害は、障害コースにいつも置いてある固定障害と、レースのときにコースに置く置障害に分かれる。JRAは、固定障害はふつう土塁・いけ垣・竹柵の3種類で、このほかに水ごうや、坂を上り下りするバンケットもあるとしている。置障害は竹柵で、ほかの障害より低い高さ1.2mのものを使う。
中山競馬場の障害の高さ・幅は次のとおりだ。
| 障害 | 種類 | 高さ | 幅 |
|---|---|---|---|
| 1号 | 水ごう | 1.2m | 3.7m |
| 2号 | いけ垣 | 1.4m | 2.4m |
| 3号 | いけ垣 | 1.4m | 2.3m |
| 4号 | 竹柵(上下動式) | 1.2〜1.3m | 1.6m |
| 5号 | いけ垣(両面飛越) | 1.4m | 2.4m |
| 6号 | 大竹柵 | 1.6m | 2.05m |
| 7号 | 大いけ垣 | 1.6m | 2.4m |
| 8・9号 | ハードル | 1.3m | 1.5m |
| 10号 | ハードル | 1.2m | 1.15m |
※1号の水ごうの幅の内訳は、いけ垣0.7m・水ごう2.7m
JRAは、日本でもっとも高い障害は中山の1.6mのものだとしている。大竹柵と大いけ垣は、襷(たすき)コース、通称「大障害コース」に置かれている。
坂を上り下りする「バンケット」
バンケットは、障害コースにある上り下りの坂のことだ。福島・小倉の障害コースと京都の大障害コースにあり、中山の障害コースの坂路(谷)もバンケットと呼ばれることがある。中山の坂路はいちばん大きい2号坂路で長さ113m、高さ5.30mある。
障害レースに乗れる騎手・出られる馬は?
障害レースに乗るには、障害競走の騎手免許が要る。JRAの騎手免許は1年ごとの更新で、免許の種類に平地競走と障害競走がある。
2026年2月に騎手免許を更新した133人を編集部が数えると、種類は次のとおりだった。
| 免許の種類 | 人数 |
|---|---|
| 平地と障害の両方 | 94人 |
| 平地だけ | 35人 |
| 障害だけ | 4人 |
障害の免許を持つ騎手は、平地と障害の両方の94人と、障害だけの4人を合わせた98人になる。
障害を始めたばかりの騎手は斤量が軽くなる
JRAには、障害競走新規騎乗騎手の減量制度がある。対象は、初めて障害レースに乗った日から5年がたっておらず、障害の勝利が20回以下の騎手だ。平地だけに乗っていた騎手が障害に入りやすくするための制度で、特別競走以外の障害レースで負担重量が軽くなる。
馬は3歳から。J・GⅠは勝ち上がった馬だけ
JRAの2026年度の障害の重賞10レースは、すべて3歳以上か4歳以上のレースだ。中山大障害は3歳以上、中山グランドジャンプは4歳以上のレースで、JRAの2026年度の競馬番組では、どちらも未出走馬と未勝利馬は出られない。
平地のレースとの違いは?距離と斤量
障害レースは、平地より距離が長く、斤量も重い。
| 障害レース | 平地のレース | |
|---|---|---|
| 重賞の距離(2026年度) | 3,110〜4,260m | もっとも長いのはステイヤーズSの3,600m |
| 年齢の違う馬が走る別定の基本の重さ(5歳以上の牡・せん馬) | 60キロ | 58キロ |
| 暮れのGⅠの定量(4歳以上の牡・せん馬) | 中山大障害 63キロ | 有馬記念 58キロ |
| 3歳馬の減量(別定) | 1年を通して2キロ | 月と距離で変わる |
※牝馬はいずれも2キロ減
中山大障害の定量は3歳61キロ・4歳以上63キロで、同じ中山の有馬記念(3歳56キロ・4歳以上58キロ)より5キロ重い。出られるクラスを決める競走成績も、JRAの規定では平地競走は平地、障害競走は障害の成績だけで数える。平地で勝ち上がった馬も、障害では未勝利から始まる。
斤量の決まり方は「競馬の斤量とは」で詳しく解説している。
J・GⅠの最近の勝ち馬は?
中山グランドジャンプの直近5年の勝ち馬は次のとおりだ。
| 年 | 勝ち馬 | 性齢 | 騎手 | タイム |
|---|---|---|---|---|
| 2026 | エコロデュエル | 牡7 | 草野太郎 | 4分49秒0 |
| 2025 | エコロデュエル | 牡6 | 草野太郎 | 4分50秒5 |
| 2024 | イロゴトシ | 牡7 | 黒岩悠 | 4分47秒2 |
| 2023 | イロゴトシ | 牡6 | 黒岩悠 | 4分54秒1 |
| 2022 | オジュウチョウサン | 牡11 | 石神深一 | 4分52秒3 |
※距離は2024年まで4,250m、2025年から4,260m
中山大障害の直近5年の勝ち馬は次のとおりだ。
| 年 | 勝ち馬 | 性齢 | 騎手 | タイム |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | エコロデュエル | 牡6 | 草野太郎 | 4分46秒8 |
| 2024 | ニシノデイジー | 牡8 | 五十嵐雄祐 | 4分40秒4 |
| 2023 | マイネルグロン | 牡5 | 石神深一 | 4分37秒9 |
| 2022 | ニシノデイジー | 牡6 | 五十嵐雄祐 | 4分45秒9 |
| 2021 | オジュウチョウサン | 牡10 | 石神深一 | 4分46秒6 |
2つのJ・GⅠの10レースで、勝ち馬は5頭だけだ。エコロデュエルは2025年の中山グランドジャンプからJ・GⅠを3連勝、イロゴトシは中山グランドジャンプを連覇、ニシノデイジーとオジュウチョウサンも2回ずつ勝っている。勝った馬の年齢は5〜11歳だった。2026年の中山大障害は、12月26日(土)に行われる予定だ。
まとめ
障害レースは、竹柵・いけ垣・水ごうなどの障害を飛び越えて走るレースで、JRAでは札幌・函館を除く8場で行われる。2026年度の障害の重賞は10レースで、J・GⅠは中山グランドジャンプと中山大障害の2つ。中山の障害は高さ1.2〜1.6mで、もっとも高い大竹柵・大いけ垣は大障害コースにだけある。障害レースに乗るには障害の騎手免許が要り、斤量は平地より重く、重賞の距離は3,110m以上ある。
障害レースで取消・除外が出たときの馬券の扱いは「出走取消と競走除外の違い」でまとめている。
競馬場ごとのコースの特徴は「中山競馬場ガイド」で確かめられる。
騎手免許の取り方は「騎手になるには」で解説している。
よくある質問
- 障害レースとは?
- コースに置いた障害を飛び越えながら、ゴールまでの速さを競うレースだ。障害には竹柵、いけ垣、水ごう、土塁などがあり、JRAでは札幌・函館を除く8つの競馬場で行われている。
- J・GⅠとは?
- 障害の重賞のうち、もっとも格の高いレースの表記だ。JRAの2026年度のJ・GⅠは、中山グランドジャンプと中山大障害の2レースになる。
- 障害レースの馬は何メートルの高さを跳ぶ?
- 中山競馬場の障害は、高さ1.2〜1.6mだ。もっとも高いのは大竹柵と大いけ垣の1.6mで、中山グランドジャンプと中山大障害で使う大障害コースにある。
- 障害レースには誰でも乗れる?
- 乗れない。JRAの騎手免許には平地競走と障害競走の種類があり、障害レースに乗るには障害の免許が要る。2026年2月に免許を更新した133人のうち、障害の免許を持つのは98人だった(編集部の集計)。
- 中山大障害と中山グランドジャンプの違いは?
- 時期と距離、出られる馬の年齢が違う。中山グランドジャンプは4月の4歳以上のレースで4,260m、中山大障害は12月の3歳以上のレースで4,100mだ(2026年度)。






