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騎手になるには|競馬学校の倍率は2027年度で約26倍、体重・年齢の入学条件

この記事の要点

  • JRAの騎手になるには、JRA競馬学校の騎手課程(約3年)を出て、JRAの騎手免許試験に受かるのが基本の道。卒業しても免許試験に落ちれば騎手にはなれない
  • 2027年度の募集要項では、入学時に中学卒業以上、2027年4月1日時点で15歳以上20歳未満。体重は生まれ年ごとに46.0〜49.0キロ以下、視力は両眼0.8以上かつ左右0.5以上(矯正可)。身長の制限はない
  • 2027年度の入学試験は応募237名に合格9名で、倍率は約26倍。受験料・入学金・授業料はかからず、全寮制で食事代の一部を負担する
  • 地方競馬の騎手は、地方競馬教養センター(栃木県那須塩原市)の2年間の騎手課程に入り、在籍中(第4学期)に騎手免許試験を受けるのが基本の道。入所時の体重の上限は45.0〜47.0キロで、食費は約104万円
騎手になるには|競馬学校の倍率は2027年度で約26倍、体重・年齢の入学条件
目次
  1. 騎手になるにはどんな道がある?
  2. 競馬学校の入学条件は?年齢・体重・視力
  3. 競馬学校の入学試験と倍率は?
  4. 競馬学校の費用と寮は?
  5. 競馬学校の3年間はどう進む?
  6. 地方競馬の騎手になるには?
  7. JRAと地方競馬の騎手の養成はどう違う?
  8. まとめ

JRAの騎手になるには、JRA競馬学校の騎手課程(約3年)を出て、JRAの騎手免許試験に受かるのが基本の道だ。入学できるのは、2027年度の募集要項では15歳以上20歳未満で、体重は生まれ年ごとに46.0〜49.0キロ以下という条件がある。2027年度の入学試験は応募237名に合格9名で、倍率は約26倍だった。本記事では、入学の条件、入学試験と倍率、費用と寮、3年間の流れ、騎手免許試験、地方競馬の騎手になる道を整理する。

騎手になるにはどんな道がある?

日本の騎手は、JRA(中央競馬)の騎手と、地方競馬の騎手に分かれ、養成の学校も騎手免許試験も別々だ。どちらも養成の学校に入り、騎手免許試験に受かってデビューするのが基本の流れになる。

順番 JRAの騎手 地方競馬の騎手
1 JRA競馬学校の騎手課程に入学(毎年4月) 地方競馬教養センターの騎手課程に入所(4月)
2 約3年、競馬学校とトレーニング・センターで学ぶ 2年、教養センターと競馬場で学ぶ
3 JRAの騎手免許試験に合格 第4学期に騎手免許試験を受ける
4 美浦か栗東の厩舎に所属してデビュー 地方の競馬場に所属してデビュー

※2026年11月時点。JRAは2027年度、地方競馬は2027年4月入所の募集要項による

JRAの競馬学校を卒業しても、騎手免許試験に受からなければJRAの騎手にはなれない。

競馬学校の入学条件は?年齢・体重・視力

JRA競馬学校の騎手課程の応募資格は次のとおりだ。数字は2027年4月に入学する第46期の募集要項(2026年に募集)のものである。

条件 内容(2027年度の募集要項)
学歴 入学時に中学校卒業以上、またはこれと同等以上の学力がある
年齢 2027年4月1日時点で15歳以上20歳未満
体重 生まれ年ごとに46.0〜49.0キロ以下(下の表)
視力 両眼で0.8以上、かつ左右とも0.5以上(矯正可。矯正はソフトコンタクトレンズのみ)
色別力・聴力・健康状態 騎手として業務を行うのに支障がない
そのほか 拘禁刑以上の刑に処せられた人、競馬法などに違反して罰金刑を受けた人などに当たらない
乗馬経験 要らない

募集人員は10名程度で、受験料はかからない。2026年の願書の受付は6月8日から7月21日までだった。

競馬学校の体重制限は何キロ?

体重の上限は、生まれた年ごとに4段階ある。

生まれた日 体重の上限
2009年3月31日以前 49.0キロ
2009年4月1日〜2010年3月31日 48.0キロ
2010年4月1日〜2011年3月31日 47.0キロ
2011年4月1日以降 46.0キロ

※2027年度の募集要項による

願書を出すときの健康診断の体重が上限を超えていれば、その時点で不合格になる。1次試験と2次試験でも体重を測り、超えていればその時点で不合格だ。

入学したあとも、年齢ごとに上限体重が決められている。騎手課程の生徒は毎朝、寮で寮監などの立ち会いのもと体重を測り、超えることはどんな理由でも認められない。卒業時の上限は全員一律で49.0キロだ。

騎手に身長の制限はある?

JRA競馬学校は、身長の制限はないとしている。ただし体重の制限があるため、騎手に必要な筋力をつけながら体重を保つには、身長が高すぎると管理が難しくなるかもしれない、と説明している。入学試験の身体検査では身長も測る。

騎手は何歳までなれる?

競馬学校の騎手課程に応募できるのは、入学年の4月1日時点で20歳未満の人だ。受験生の多くは中学3年生だが、高校生の受験生も多く、合格した例もある。年齢の条件の範囲内なら、何度でも受験できる。

2027年度の合格者9名の年齢は14〜16歳(2026年10月23日現在)、2026年度の合格者9名は14〜18歳(2025年10月24日現在)だった。

中学生のうちから準備する方法は?

JRAには、騎手を目指す中学生向けの「JRAジュニアユース」がある。募集の対象は毎年3月時点で小学6年生か中学1年生で、JRAの競馬場や育成牧場、トレーニング・センターで基本週5日、JRAの職員から乗馬の指導を受ける。入会金と会費はないが、少年団にも入るため年額5,000円程度の会費がかかる。

中学3年生の7月にある選定試験に受かると、その年の騎手課程の1次試験(学科試験、本人面接、運動機能検査)が免除になり、2次試験から受けられる。2次試験の合格を保証するものではない。

競馬学校の入学試験と倍率は?

入学試験は1次と2次の2段階だ。2027年度の日程と内容は次のとおりだった。

試験 日程(2027年度入学) 主な内容
1次試験 2026年8月12日(競馬学校、栗東トレーニング・センター、札幌競馬場、小倉競馬場) 身体検査(体重・身長)、運動機能検査、学科試験(国語・社会)、本人面接など
2次試験 2026年10月1日〜4日(競馬学校で3泊4日の合宿) 身体検査、運動機能検査、騎乗適性検査・厩舎作業審査、本人面接・保護者面接など
合格発表 2026年10月23日 受験者に通知し、JRAのホームページで合格者を発表

1次の運動機能検査は「片足つま先立ち」「懸垂(順手握り)」「しゃがみこみ」「サイドステップ」「立ち幅跳び」の5項目だ。学科試験は中学校レベルの国語と社会で、過去5年分の問題をJRAが有料で頒布している。2次の騎乗適性検査は騎手としての適性を見るもので、乗馬が今うまいかどうかを問うものではない。乗馬未経験の人には、そのレベルに応じた検査をする。

スポーツで特に良い実績がある人は「スポーツ特別入試制度」を使うと、1次試験の運動機能検査が免除になる。血縁者が競馬の世界にいるかどうかで、合否に有利・不利はない。

競馬学校の倍率は何倍?

JRAが合格者と一緒に公表している応募の状況は次のとおりだ。倍率は応募者数を合格者数で割って出した。

入学年度 応募者 1次受験者 1次合格者 2次合格者 倍率
2027年度(第46期) 237名 223名 32名 9名 約26.3倍
2026年度(第45期) 195名 189名 30名 9名 約21.7倍

2027年度は、応募者のうち最終的に受かったのは約3.8%、1次試験の合格率は約14.3%だった。JRAは競馬学校のQ&Aで、1次試験の合格率を毎年概ね20%前後、最終的な合格率を5〜10%程度と案内しているが、この2年の最終的な合格率は約3.8%と約4.6%で、いずれもそれより低い。

合格者のうち女性は、2027年度が9名中3名、2026年度が9名中2名だ。

JRAの女性騎手については「JRAの女性騎手一覧」にまとめている。

競馬学校の費用と寮は?

JRA競馬学校の騎手課程にかかる費用は、原則として無償だ。入学金と授業料はかからない。負担するのは、在学中に寮の食堂で出る食事代の一部で、金額や納め方は入学が内定したあとに案内される。休日やトレーニング・センターでの実習中など、寮の食事が出ない日は自分で食事を用意する。

騎手課程は全寮制で、原則として外泊はできない。外出は、日曜日などの休校日に一定の時間だけできる。

競馬学校は、学校教育法の「高等学校」や「専修学校」ではなく、職業訓練校のような組織だ。卒業しても高卒の資格は取れない。

競馬学校の3年間はどう進む?

騎手課程は、基礎課程と実践課程(前期・後期)の3つに分かれる。2027年4月に入学する第46期の予定は次のとおりだ。

課程 期間(第46期) 長さ 場所 主な内容
基礎課程 2027年4月〜2028年8月 約1年半(17.5か月) 競馬学校 乗馬・走路騎乗などの実技、フィジカルトレーニング、関係法規や馬学
実践課程(前期) 2028年9月〜2029年8月 1年 栗東か美浦のトレーニング・センター 厩舎に配属され、調教師の指導で調教騎乗をする
実践課程(後期) 2029年9月〜2030年2月上旬 約半年(5.5か月) 競馬学校 生徒同士の模擬レースなど、レースに乗るための訓練

成績が良くないと教育期間が延びることがあり、成績不良や規則違反で退学になることもある。

騎手免許試験はどんな試験?

JRAの騎手免許試験の内容は、学力(筆記と口頭)、騎乗技術、身体検査、人物考査(面接)だ。どれも競馬学校の3年間で身につけた成果を試すものになる。騎手免許を出すレベルに達していないと判断されれば、不合格になる。

受かると競馬学校の課程を終え、美浦か栗東の厩舎に所属してデビューする。

デビューしたあとの騎手の収入のしくみは「騎手の年収はいくら?」で扱っている。

見習騎手のうちは、勝利数に応じてレースの負担重量が減る。

記号と減る重さは「競馬の斤量とは」で確かめられる。

地方競馬の騎手になるには?

地方競馬の騎手を育てるのは、地方競馬全国協会(NAR)の地方競馬教養センターだ。栃木県那須塩原市にあり、1周1,100メートルの走路や坂路、寄宿舎を持つ。NARは、地方競馬で活躍する騎手のほとんどが教養センターの出身だとしている。地方競馬に在籍する騎手は、2025年4月1日現在で283名だ。

2027年4月に入所する第110期の募集要項の主な条件は次のとおりだ。

条件 内容(第110期の募集要項)
募集人員 15名程度
年齢 2027年3月中学卒業見込みから、2027年4月1日現在20歳以下(2006年4月2日〜2012年4月1日生まれ)
体重 生まれた日ごとに45.0〜47.0キロ以下(下の表)
視力 左右どちらの眼も0.5以下でない(矯正可。矯正はソフトコンタクトレンズのみ)
乗馬経験 問わない
受付期間 2026年9月24日〜11月13日
試験 2027年1月に教養センターで2泊3日の合宿。身体検査、12種目の運動機能検査、面接など
合否発表 2027年2月上旬に受験者に通知
生まれた日 体重の上限
2011年10月1日〜2012年4月1日 45.0キロ
2011年4月2日〜2011年9月30日 45.5キロ
2010年10月1日〜2011年4月1日 46.0キロ
2010年4月2日〜2010年9月30日 46.5キロ
2006年4月2日〜2010年4月1日 47.0キロ

※第110期(2027年4月入所)の募集要項による

試験の当日に体重が上限を超えていれば、その時点で不合格になる。入所の日に上限を2キロより多く超えていると、入所の許可が取り消される。NARは、教育期間中に個人差はあるが体重が2〜4キロ増えるとして、年齢ごとに体重を指定し、修了時の規定体重を49.0キロにしている。国語・数学・社会の学力測定もあるが、合否の判定には使わず、入所後の学科の参考にする。受験料はかからない。

養成期間は2027年4月から2029年3月までの2年間だ。第1〜3学期(計16か月)は教養センターで全寮制の訓練を受け、第4学期(8か月)は競馬場実習(5か月)と総合訓練(3か月)になる。騎手免許試験は第4学期に教養センターで受けられる。所属する競馬場が決まっていない人は、本人の希望と競馬場の事情を考えて、競馬場実習が始まるまでに決める。

入所中にかかる食費は約104万円(約19か月、1日1,780円)で、第4学期の競馬場実習中の食費はこれとは別に要る。入学金、授業料、教材費はかからないが、通信費や日用品など日常の経費は自己負担だ。家庭の事情で負担が難しい場合は、食費の徴収を猶予する制度がある。

JRAと地方競馬の騎手の養成はどう違う?

比べる点 JRA競馬学校 地方競馬教養センター
場所 千葉県白井市 栃木県那須塩原市
期間 約3年 2年
募集人員 10名程度 15名程度
年齢 15歳以上20歳未満 中学卒業見込みから20歳以下
入学時の体重の上限 46.0〜49.0キロ 45.0〜47.0キロ
視力 両眼0.8以上かつ左右0.5以上 左右どちらも0.5以下でない
試験 8月に1次、10月に2次(3泊4日) 1月に1回(2泊3日)
負担する費用 寮の食事代の一部 食費約104万円(競馬場実習中の分は別)

※JRAは2027年度、地方競馬は第110期(2027年4月入所)の募集要項による

大きな違いは期間と体重だ。地方競馬教養センターは2年でデビューを目指し、入所時の体重の上限はJRAより0.5〜2.0キロ低い。JRAは試験が夏から秋、地方競馬は冬で、時期が重ならない。

まとめ

JRAの騎手になるには、JRA競馬学校の騎手課程に入り、約3年の課程の中で騎手免許試験に受かるのが基本の道で、2027年度の入学試験の倍率は約26倍だった。地方競馬の騎手は地方競馬教養センターの2年間の課程が入口で、入所時の体重の上限は45.0〜47.0キロとJRAより低い。

いま活躍している騎手の勝利数は「JRAの歴代リーディングジョッキー」で、競馬に関わるもう一つの立場の条件は「馬主になるには?」で確かめられる。地方競馬そのもののしくみは「地方競馬とは」にまとめている。

騎手のほかに、厩舎で馬を管理する仕事に就く道は、調教師になるにはと厩務員になるにはでまとめている。

よくある質問

騎手になるにはどうすればいい?
JRAの騎手は、JRA競馬学校の騎手課程に入り、約3年の課程の中でJRAの騎手免許試験に受かるのが基本の道だ。地方競馬の騎手は、地方競馬教養センターの2年間の騎手課程に入り、在籍中に騎手免許試験を受ける。
競馬学校の体重制限は何キロ?
2027年度の募集要項では、生まれ年ごとに46.0キロ以下から49.0キロ以下まで4段階ある。入学後も年齢ごとの上限体重が決められ、卒業時の上限は全員一律で49.0キロだ。
騎手に身長の制限はある?
JRA競馬学校は、身長の制限はないとしている。地方競馬教養センターの2027年4月入所の募集要項にも、身長の条件は書かれていない。どちらも体重の制限がある。
競馬学校の倍率は?
2027年度の騎手課程の入学試験は、応募237名に対して合格9名で、倍率は約26倍だった。2026年度は応募195名、合格9名で約22倍だ。
騎手は何歳までなれる?
競馬学校の騎手課程に入れるのは、入学年の4月1日時点で20歳未満の人だ(2027年度の募集要項)。地方競馬教養センターの騎手課程は、入所年の4月1日時点で20歳以下が条件になっている。
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