地方競馬

地方競馬とは|中央競馬との違いを主催・開催日・競馬場・馬券・クラスで解説

この記事の要点

  • 地方競馬は、地方自治体や、自治体でつくる一部事務組合が主催する競馬。主催者は14団体、競馬場は12都道県に15か所ある(2026年2月時点)
  • 中央競馬(JRA)が原則として土・日・祝日に開催するのに対し、地方競馬は平日・休日を問わず、ほぼ毎日どこかの競馬場で開催している。ナイター開催や、帯広のばんえい競馬もある
  • クラスはA・B・Cの3つの大区分を基本に各競馬場が決め、対象になる成績は原則1〜5着。1着になればクラスが上がる中央競馬とは仕組みが違う
  • 重賞には、各競馬場の重賞のほか、中央の馬も出られるダートグレード競走(JpnⅠなど)がある
目次
  1. 地方競馬とは|自治体が主催する競馬
  2. 中央競馬との違い(比較表)
  3. 開催の仕組み|ほぼ毎日どこかで開催、ナイターもある
  4. クラスと重賞の考え方
  5. 地方競馬の馬券の買い方の入口
  6. まとめ

地方競馬とは、地方自治体や、自治体でつくる一部事務組合が主催する競馬のことだ。日本中央競馬会(JRA)が主催する中央競馬と同じく競馬法に基づいて行われ、全国15の競馬場のどこかで、平日も含めてほぼ毎日開催されている。本記事では、中央競馬との違いを表で示したうえで、主催者と競馬場、開催の仕組み、クラスと重賞の考え方、馬券の買い方の入口を順にまとめる。

地方競馬とは|自治体が主催する競馬

日本の競馬は、1948年(昭和23年)7月に施行された競馬法に基づいて開催されている。主催者の違いで2つに分かれ、JRAが主催するのが「中央競馬」、地方自治体や一部事務組合が主催するのが「地方競馬」だ。

地方競馬の主催者は全国に14団体(道県2、市2、一部事務組合10)あり、12都道県にある15か所の競馬場で開催している(2026年2月時点)。

地方競馬の目的は、馬の改良増殖などの畜産の振興と、地方財政の改善だ。売上の一部は地方競馬全国協会(NAR)に交付されて畜産の振興に使われ、開催する自治体への分配金などを通じて地方財政に回る。

中央競馬との違い(比較表)

中央競馬と地方競馬の違いを、主催・開催日・競馬場・コース・馬券・クラス・重賞で並べると次のようになる。

中央競馬 地方競馬
主催 日本中央競馬会(JRA) 地方自治体や一部事務組合(14団体)
開催日 原則として土曜・日曜・祝日 平日・休日を問わず、ほぼ毎日どこかで開催。ナイター開催もある
競馬場 10か所(札幌・函館・福島・新潟・東京・中山・中京・京都・阪神・小倉) 15か所(帯広・門別・盛岡・水沢・浦和・船橋・大井・川崎・金沢・笠松・名古屋・園田・姫路・高知・佐賀)
コース 芝とダート、障害 ダートが中心。芝コースがあるのは盛岡だけ。帯広はばんえい競馬
馬券 単勝・複勝・応援馬券・枠連・馬連・ワイド・馬単・3連複・3連単・WIN5の10種類 単勝・複勝・馬単・馬複・枠単・枠複・ワイド・三連単・三連複の9種類と、ネット投票の重勝式
クラス 収得賞金で、新馬・未勝利、1〜3勝クラス、オープンに分かれる。基本は1着でクラスが上がる A・B・Cを基本に各競馬場が決める。対象になる成績は原則1〜5着
重賞 GⅠ・GⅡ・GⅢ 各競馬場の重賞と、地方・中央の馬が一緒に走るダートグレード競走(JpnⅠなど)

※2026年10月時点。地方競馬の主催者と競馬場の数は2026年2月時点

主催者と地方競馬全国協会の役割

地方競馬は、農林水産省の指導監督のもとで、各主催者が開催している。たとえば大井競馬場は特別区競馬組合、盛岡・水沢競馬場は岩手県競馬組合、金沢競馬場は石川県と金沢市が主催者だ。

地方競馬全国協会(NAR)は、主催者ではない。馬主と競走馬の登録、調教師・騎手の免許、裁決・決勝審判・発走などを担う専門職員の派遣といった形で、各主催者の開催を支えている。騎手は各競馬場に所属してその競馬場を中心に乗り、交流競走では全国の地方競馬場で騎乗できる。

コースはダートが中心で、1周が短い

地方競馬の平地競走のコースは、1周およそ1,000〜1,600mだ。中央競馬の競馬場に比べて1周が短く、コーナーの角度がきついコースが多い。芝コースを持つのは盛岡競馬場(ダートコースの内側に1周1,400mの芝コース)だけで、ほかはダートのレースになる。

帯広競馬場では、世界で唯一の「ばんえい競馬」を行っている。体重がおよそ1トンの「ばん馬」が鉄のソリをひき、2つの障害がある直線200mのコースでパワーを競う競馬だ。ルールや帯広での開催は「ばんえい競馬とは」にまとめた。

開催の仕組み|ほぼ毎日どこかで開催、ナイターもある

平日も、ほぼ毎日どこかで開催

中央競馬は、原則として土曜・日曜・祝日に開催する。地方競馬は、平日・休日を問わず、年間を通してほぼ毎日、どこかの競馬場でレースが行われている。

近くにある競馬場どうしは、日をずらして開催する。盛岡と水沢はどちらか1場、浦和・船橋・大井・川崎の南関東4場はいずれか1〜2場、笠松と名古屋、園田と姫路もどちらか1場で開催するのが基本だ(2026年10月時点)。冬に休む競馬場もあり、門別は11月中旬〜4月上旬、盛岡・水沢は冬(2026年は1月1日〜3月7日に開催がなかった)、金沢は1月上旬〜3月上旬が休催の期間になっている。

ナイター競馬

一部の競馬場では、夜にレースを行う「ナイター競馬」を開催している。地方競馬全国協会の一覧でナイター開催があるのは、帯広・門別・船橋・大井・川崎・金沢・名古屋・園田・高知・佐賀の10場で、時期と愛称は競馬場ごとに違う(2026年10月時点)。競馬場ごとの開催曜日とナイターの時期は、地方競馬場一覧の表にまとめた。

中央の馬も地方競馬に出られる

中央競馬に登録している馬は、地方競馬との交流競走に出走できる。2025年は12の主催者で、ダートの交流重賞46競走を含む合計169競走が交流競走として行われた。

クラスと重賞の考え方

年齢の区分は「2歳」「3歳」「一般」

地方競馬のレースは、「2歳」「3歳」「一般」の年齢区分で組まれる。2歳と3歳は、基本的に同じ年齢どうしで走る。2歳の新馬戦(デビュー戦)は、全国に先がけて4月から門別競馬場で始まる。

「一般」は、原則として3歳(4歳)以上の、いわゆる古馬のレースだ。ただし、各競馬場が決めた収得賞金の条件を満たすと3歳以下でも「一般」に入るため、一部の競馬場では2歳馬が古馬と同じレースに出ることがある。

クラスはA・B・Cが基本

各年齢区分の中で、番組賞金や着順のポイントなど、競馬場ごとのルールによって「クラス分け」をしている。クラスは上から「A・B・C」の3つの大区分を基本に、各競馬場が細かく決めていて、最上位のクラス(A1など)を「オープンクラス」と呼ぶこともある。さらにクラスを「組」に分けて、力の近い馬どうしが走るようにしている。

各競馬場の「一般」のクラスは次のとおり(2026年10月時点)。

競馬場 クラス 組の表記
帯広 オープン、A1、A2、B1〜B4、C1、C2 -1、-2…
門別 A1〜A4、B1〜B4、C1〜C4 -1、-2…
盛岡・水沢 A、B1、B2、C1、C2 一組、二組…
浦和・船橋・大井・川崎 A1、A2、B1〜B3、C1〜C3 一、二…
金沢 A1、A2、B1、B2、C1、C2 一、二…
笠松・名古屋 A、B、C 1組、2組…
園田・姫路 A1、A2、B1、B2、C1〜C3 一、二…
高知 A、B、C1、C2、C3(上)、C3(下) -1、-2…
佐賀 A1、A2、B、C1、C2 -1組、-2組…

レース名には、このクラスと組が書かれる。頭数をそろえるために複数の組をまとめたレースでは、「C3一 二 三」のように対象の組がすべて並ぶ。

1着でもクラスが上がらないことがある

地方競馬のクラス分けで計算の対象になる番組賞金(ポイント)は、原則として1〜5着だ。そのため、1着になってもクラスが上がらなかったり、5着でクラスが上がったりすることがある。基本は1着になるとクラスが上がる中央競馬とは、ここが大きく違う。中央競馬の仕組みは競馬のクラス分け一覧で解説している。

レースの種類は「重賞」「準重賞」「特別」「普通」

地方競馬のレースは、重要度によって4つに分けられる。

  • 重賞: 各競馬場で特に重要なレース。賞金が高く、有力馬が集まる
  • 準重賞: 重賞を補うステップレースなど、重賞に準じるレース。一部の競馬場で行う
  • 特別: 普通競走より賞金が高いレース。主催者が出走馬を選ぶ「選抜特別」も含む
  • 普通: 大半のレースがあてはまる、いわゆる平場の競走

一部の競馬場では、重賞に独自の格付けを付けている。

競馬場 重賞の格付け
帯広 BG1、BG2、BG3
門別 H1、H2、H3
盛岡・水沢 M1、M2、M3
浦和・船橋・大井・川崎 SⅠ、SⅡ、SⅢ
笠松・名古屋 SPⅠ、SPⅡ、SPⅢ
園田・姫路 重賞Ⅰ、重賞Ⅱ

※2026年10月時点。地方競馬全国協会の一覧に載っている競馬場

地方と中央の馬が走る「ダートグレード競走」

競馬場の枠を超えた全国的なレースとして、「ダートグレード競走」がある。地方競馬・JRAの所属に関係なく出走できるダートの重賞の総称で、格付けは日本グレード格付管理委員会が決める。国際競走を「G」、それ以外を「Jpn」と書き、それぞれⅠ・Ⅱ・Ⅲの3段階に分かれる。

地方競馬の競馬場で行うダートグレード競走のうち、最上位の格付けはGⅠが東京大賞典(大井)、JpnⅠが川崎記念(川崎)、羽田盃(大井)、かしわ記念(船橋)、東京ダービー(大井)、さきたま杯(浦和)、帝王賞(大井)、ジャパンダートクラシック(大井)、マイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡)、JBCクラシック・JBCスプリント・JBCレディスクラシック(毎年競馬場を替えて開催)、全日本2歳優駿(川崎)だ(2026年10月時点)。JpnⅠの時期と仕組みはダートグレード競走とはにまとめた。

地方競馬の重賞からは、馬の性別・年齢や距離ごとに全国横断で選んだ「シリーズ競走」も組まれている。

地方競馬の馬券の買い方の入口

地方競馬で発売している馬券(正式には勝馬投票券)は、次の9種類だ。

馬券 当てるもの
単勝 1着の馬
複勝 3着までに入る馬(出走が7頭以下なら2着まで)
馬単(馬番号二連勝単式) 1着・2着の馬番号を着順どおり
馬複(普通馬番号二連勝複式) 1着・2着の馬番号の組み合わせ
枠単(枠番号二連勝単式) 1着・2着の枠番号を着順どおり
枠複(枠番号二連勝複式) 1着・2着の枠番号の組み合わせ
ワイド(拡大馬番号二連勝複式) 3着までに入る2頭の組み合わせ
三連単(馬番号三連勝単式) 1〜3着の馬番号を着順どおり
三連複(馬番号三連勝複式) 1〜3着の馬番号の組み合わせ

※2026年10月時点。枠単は一部の競馬場では発売していない。発売する馬券の種類は競馬場によって違う

※JRAの呼び方では、馬複は馬連、枠複は枠連、三連単は3連単、三連複は3連複にあたる。枠単はJRAにはない

ネット投票では、サービスによって重勝式も買える。同じ日の5レースの1着をすべて当てる五重勝単勝式、7レースの1着をすべて当てる七重勝単勝式、3レースの馬単をすべて当てるトリプル馬単(三重勝馬番号二連勝単式)がある。重勝式を発売していない競馬場もある。

馬券は、競馬場のほか、全国71か所(2026年2月時点)の場外発売施設とネット投票で買える。ネットで買えるのはSPAT4・楽天競馬・オッズパーク・JRAのネット投票(即PAT・A-PAT)の4つで、違いと始め方は地方競馬のネット投票の方法にまとめた。レースの映像は、地方競馬全国協会の「地方競馬ライブ」で無料で見られる。

まとめ

地方競馬は、地方自治体や一部事務組合が主催し、全国15の競馬場で平日も含めほぼ毎日開催されている競馬だ。中央競馬との違いは、主催者、開催日、ダート中心のコース、枠単や重勝式のある馬券、1〜5着の成績で動くクラス、ダートグレード競走のある重賞の体系にある。どの競馬場がいつ開催しているかは、地方競馬場一覧で確かめられる。

※馬券の購入は20歳になってから。無理のない範囲で楽しんでください

よくある質問

地方競馬と中央競馬の違いは?
いちばんの違いは主催者だ。中央競馬は日本中央競馬会(JRA)、地方競馬は地方自治体や一部事務組合が主催する。どちらも競馬法に基づいて開催されている。
地方競馬は平日もやっている?
やっている。地方競馬は平日・休日を問わず、年間を通してほぼ毎日、全国15か所のどこかの競馬場で開催されている。
地方競馬の主催者はどこ?
帯広市、北海道、岩手県競馬組合、特別区競馬組合など14団体(道県2、市2、一部事務組合10)だ(2026年2月時点)。地方競馬全国協会(NAR)は主催者ではなく、馬主・馬の登録や騎手・調教師の免許などで開催を支えている。
地方競馬の馬券はJRAと同じ?
単勝・複勝・馬単・ワイドと、馬複(JRAの馬連)・枠複(同・枠連)・三連単(同・3連単)・三連複(同・3連複)は同じように買える。JRAにない枠単(枠番の1着・2着を着順どおりに当てる)があるほか、JRAのWIN5のように複数のレースの結果をまとめて当てる「重勝式」を一部のネット投票サービスで発売している(WIN5とは別の馬券で、JRAのネット投票では買えない)。
地方競馬のクラスはどう決まる?
A・B・Cの3つの大区分を基本に、各競馬場が独自のルールで決める。対象になる成績は原則1〜5着で、1着でもクラスが上がらなかったり、5着で上がったりすることがある。

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