ダートグレード競走(交流重賞)とは|JpnⅠ一覧と中央・地方の仕組み、ダート三冠

この記事の要点
- ダートグレード競走は、中央と地方のダート交流重賞に共通の格付けを付けたレースで、1997年度に始まった。JRAの馬と地方の馬が所属したまま一緒に走る
- 地方競馬の競走の多くはJpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢと表記する。国際的な格付けを持たない重賞の表記で、地方競馬で国際GⅠは東京大賞典だけ
- 2026年のJpnⅠは、川崎記念・羽田盃・かしわ記念・東京ダービー・さきたま杯・帝王賞・ジャパンダートクラシック・南部杯・JBC3競走・全日本2歳優駿の12競走
- 2024年から、羽田盃・東京ダービー・ジャパンダートクラシックが、JRAの馬も出られる3歳ダート三冠になった
目次
ダートグレード競走は、中央競馬(JRA)と地方競馬の馬が、それぞれの所属のまま一緒に走るダートの重賞だ。「交流重賞」とも呼ばれ、地方競馬の競走の多くはJpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢ(東京大賞典はGⅠ)、JRAの競走はGⅠ・GⅡ・GⅢの格付けを持つ。本記事では、中央と地方の馬が一緒に走る仕組み、JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢの意味、JpnⅠと中央のダートGⅠの一覧、2024年に始まった3歳のダート三冠、見方と馬券の買い方の入口を順にまとめる。
ダートグレード競走とは|中央と地方の馬が一緒に走るダートの重賞
日本の競馬は長い間、中央競馬と地方競馬が別々に行われ、馬も騎手もほとんど交わることがなかった。その垣根が崩れ始めたのが「交流元年」と呼ばれる1995年で、地方競馬の主要な重賞にJRAの馬が、JRAのダート重賞に地方の馬が出られるようになった。
そして1997年度、中央と地方のダート交流重賞に共通の格付けが付けられ、「ダートグレード競走」になった。格付けは日本グレード格付管理委員会が決める。
2026年のダートグレード競走は61競走で、そのうち地方競馬の競走が46、JRAの競走が15だ。地方の46競走の内訳は、JpnⅠが12、JpnⅡが12、JpnⅢが21、国際GⅠが1(東京大賞典)だ。
中央の馬と地方の馬が一緒に走る仕組み
ダートグレード競走では、JRAの馬は地方の競馬場へ、地方の馬はJRAの競馬場へ、所属を移さずに遠征して走る。地方所属の馬や騎手が所属したままJRAのレースに出られる競走を、JRAでは「指定交流競走」と呼ぶ。
| 行われる場所 | 主な競走 | 出走する馬 | 格付けの表記 |
|---|---|---|---|
| 地方競馬の競馬場 | 帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典など | 地方の馬とJRAの馬 | JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢ(東京大賞典はGⅠ) |
| JRAの競馬場 | フェブラリーステークス、チャンピオンズカップなど | JRAの馬と地方の馬 | GⅠ・GⅡ・GⅢ |
JRAの側でも、地方のJpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢは、出走できる馬の決め方や負担重量の扱いで、それぞれGⅠ・GⅡ・GⅢと同じに数えられる(2026年10月時点)。
レースによっては、前哨戦の上位馬に本番の優先出走権が与えられる。たとえば2026年の羽田盃では、地方の馬は雲取賞JpnⅢの上位2頭や京浜盃JpnⅡの上位2頭などに、JRAの馬は雲取賞と京浜盃でそれぞれ3着以内の上位2頭に優先出走権がある。
JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢの意味
JpnはGと同じ格で、国際的な格付けの有無が違う
2007年、日本が国際的な格付けの区分で「パートⅠ」に昇格したのに伴い、平地競走では、国際的な格付けを持つ競走をGⅠ・GⅡ・GⅢ、持たない競走をJpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢと表記するようになった。JpnⅠはGⅠと同じく重賞の最上位で、JpnⅡ・JpnⅢはGⅡ・GⅢにあたる。
| 格付け | 位置づけ | 地方の競走の例(2026年) |
|---|---|---|
| JpnⅠ | 重賞の最上位。GⅠにあたる | 帝王賞、JBCクラシック、かしわ記念 |
| JpnⅡ | JpnⅠに次ぐ重賞。GⅡにあたる | 京浜盃、日本テレビ盃、浦和記念 |
| JpnⅢ | JpnⅠ・JpnⅡ以外の重賞。GⅢにあたる | 雲取賞、マーキュリーカップ、黒船賞 |
中央競馬のクラス分けとあわせた全体像は「競馬のクラス分け一覧」で整理している。
地方競馬で国際GⅠは東京大賞典だけ
大井競馬場の東京大賞典は、1997年にGⅠに格付けされ、2011年からは地方競馬の競走として初めて国際GⅠになった。2026年10月26日時点で、地方競馬で唯一のGⅠ競走だ。そのほかの地方のダートグレード競走は、JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢと表記される。
JpnⅠとダートのGⅠの一覧(2026年)
地方競馬のJpnⅠ・GⅠ
2026年に地方競馬の競馬場で行われる(行われた)JpnⅠとGⅠは、次の13競走だ。日付は年で変わるため、2026年の施行日(予定を含む)で示す。
| 時期(2026年) | レース名 | 格付け | 競馬場 | 距離 | 出走資格 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4月8日 | 川崎記念 | JpnⅠ | 川崎 | ダート2100m | 4歳以上 |
| 4月29日 | 羽田盃 | JpnⅠ | 大井 | ダート1800m | 3歳 |
| 5月5日 | かしわ記念 | JpnⅠ | 船橋 | ダート1600m | 4歳以上 |
| 6月10日 | 東京ダービー | JpnⅠ | 大井 | ダート2000m | 3歳 |
| 6月24日 | さきたま杯 | JpnⅠ | 浦和 | ダート1400m | 3歳以上 |
| 7月1日 | 帝王賞 | JpnⅠ | 大井 | ダート2000m | 4歳以上 |
| 10月7日 | ジャパンダートクラシック | JpnⅠ | 大井 | ダート2000m | 3歳 |
| 10月12日 | マイルチャンピオンシップ南部杯 | JpnⅠ | 盛岡 | ダート1600m | 3歳以上 |
| 11月3日 | JBCレディスクラシック | JpnⅠ | 金沢 | ダート1500m | 3歳以上の牝馬 |
| 11月3日 | JBCスプリント | JpnⅠ | 金沢 | ダート1400m | 3歳以上 |
| 11月3日 | JBCクラシック | JpnⅠ | 金沢 | ダート2100m | 3歳以上 |
| 12月16日 | 全日本2歳優駿 | JpnⅠ | 川崎 | ダート1600m | 2歳 |
| 12月29日 | 東京大賞典 | GⅠ | 大井 | ダート2000m | 3歳以上 |
JBCは全国の競馬場の持ち回りで開催され、JpnⅠの3競走は同じ日に行われる。2026年は3競走とも金沢で、同じ日に門別でJBC2歳優駿JpnⅢも行われる。JBCクラシックの舞台は2025年が船橋、2024年が佐賀で、競馬場によって距離も変わる。JBCクラシックは2000m前後、JBCレディスクラシックは2024年の佐賀では1860m、2026年の金沢では1500mだ。JBCクラシック・JBCスプリント・JBCレディスクラシックには、父馬がジャパンブリーダーズカップ協会に種牡馬登録されていることなどの出走条件もある。
1着賞金は、川崎記念・東京ダービー・JBCクラシック・東京大賞典が1億円で、地方競馬で最も高い(2026年)。
中央競馬(JRA)のダートGⅠ
JRAのダートのGⅠは、2026年はフェブラリーステークスとチャンピオンズカップの2競走だ。どちらもダートグレード競走の一覧に入っていて、地方の馬も出走できる。
| 時期(2026年) | レース名 | 格付け | 競馬場 | 距離 |
|---|---|---|---|---|
| 2月22日 | フェブラリーステークス | GⅠ | 東京 | ダート1600m |
| 12月6日 | チャンピオンズカップ | GⅠ | 中京 | ダート1800m |
JpnⅠとGⅠを合わせると、2026年のダートの頂点のレースは15競走になる。
3歳のダートの路線|2024年からダート三冠に
羽田盃・東京ダービー・ジャパンダートクラシック
ダート競走の体系の整備で、2024年から3歳のダートに、JRAの馬も出られる「ダート三冠」ができた。
| 冠 | レース名 | 格付け | 競馬場・距離 | 時期(2026年) | 2024年からの変更 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一冠目 | 羽田盃 | JpnⅠ | 大井・ダート1800m | 4月29日 | 南関東の三冠の一冠目から、JpnⅠに格付け |
| 二冠目 | 東京ダービー | JpnⅠ | 大井・ダート2000m | 6月10日 | 南関東の「ダービー」から、JRA交流のJpnⅠに格付け |
| 三冠目 | ジャパンダートクラシック | JpnⅠ | 大井・ダート2000m | 10月7日 | 7月上旬のジャパンダートダービー(1999〜2023年)から、名前と時期を変更 |
羽田盃と東京ダービーは、2023年まで南関東の3歳の三冠の競走だった。三冠目のジャパンダートクラシックは、10月上旬に移った。2026年は、三冠をすべて勝った馬に1億円のボーナスが出る。
三冠への前哨戦と、短距離・牝馬の路線
三冠には前哨戦がつながっている。2026年の流れは次のとおりだ。
| 時期(2026年) | レース名 | 格付け | 競馬場・距離 | つながる先 |
|---|---|---|---|---|
| 1月21日 | ブルーバードカップ | JpnⅢ | 船橋・1800m | 羽田盃(地方の馬は1着馬に優先出走権) |
| 2月18日 | 雲取賞 | JpnⅢ | 大井・1800m | 羽田盃 |
| 3月25日 | 京浜盃 | JpnⅡ | 大井・1700m | 羽田盃 |
| 5月2日 | ユニコーンステークス | GⅢ | 京都・1900m | 東京ダービー(2着以内の上位1頭に優先出走権) |
| 8月9日 | レパードステークス | GⅢ | 新潟・1800m | ジャパンダートクラシック(1着馬に優先出走権) |
| 9月1日 | 不来方賞 | JpnⅡ | 盛岡・2000m | ジャパンダートクラシック(1着馬に優先出走権) |
不来方賞は、岩手の3歳の重賞から、2024年にJRA交流のJpnⅡになった。
2024年からは、3歳の短距離と牝馬の路線も整えられた。園田の兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ)は、1870mから1400mになって「3歳短距離路線の頂点」に位置づけられた。船橋のマリーンカップ(JpnⅢ)は、3歳牝馬限定・1800mのレースになり、時期も4月から9月に移った(2026年は10月1日)。3歳牝馬の上半期の大きな目標は、川崎の関東オークス(JpnⅡ、2026年は6月17日、2100m)だ。
古馬の路線も2024年に変わった
同じ2024年、古馬の路線でも時期と格付けが変わった。
- 川崎記念(JpnⅠ)は、1月下旬〜2月上旬から4月上旬に移り、1着賞金が1億円になった
- さきたま杯(浦和1400m)はJpnⅡからJpnⅠに上がり、6月中旬〜下旬の上半期の古馬短距離の頂点になった
これで、フェブラリーステークスから川崎記念、川崎記念から帝王賞へと続けて使えるようになった。
ダートグレード競走の見方と馬券の買い方
見るときのポイント
まず、出馬表で各馬の所属を見る。ダートグレード競走では、JRAの馬と地方の馬が同じレースを走る。
次に、競馬場とコースを見る。地方の競馬場は、競馬場ごとに右回り・左回り、1周の長さ、直線の長さが違う。たとえば大井の外回り(右回り)は直線が486m(ゴールまでは386m)で地方の競馬場では最も長く、金沢は直線が286m(ゴールまでは236m)で、2100mではコーナーを6回通る。同じJpnⅠでも、JBCのように競馬場が毎年変わるレースがある。
地方競馬の基本(主催者、開催日、ナイター)は「地方競馬とは」で、中央競馬との違いから押さえられる。
馬券の買い方
地方の競馬場で行われるダートグレード競走は、地方競馬の馬券になる。競馬場や場外発売所のほか、SPAT4・楽天競馬・オッズパーク・JRAのネット投票(即PAT・A-PAT)で、ネットから買える。即PAT会員は地方競馬ネット投票の全発売日に、A-PAT会員はJRAの開催日(特定の祝休日、JBC開催日を含む)に買える(2026年10月時点)。サービスごとの違いは「地方競馬のネット投票」にまとめている。
地方のダートグレード競走は、平日の夕方以降に発走するものが多い。2026年の帝王賞・東京ダービー・ジャパンダートクラシックは、いずれも平日の20時05分の発走だった。JRAの競馬場で行われるフェブラリーステークスやチャンピオンズカップは、JRAの馬券として買う。
まとめ
ダートグレード競走は、中央と地方のダート交流重賞に共通の格付けを付けたレースで、JRAの馬と地方の馬が所属のまま一緒に走る。地方の競走の格付けはJpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢで、国際GⅠは東京大賞典だけだ。2026年は地方のJpnⅠが12競走、JRAのダートGⅠが2競走あり、3歳は2024年から羽田盃・東京ダービー・ジャパンダートクラシックのダート三冠になった。
※馬券の購入は20歳になってから。無理のない範囲で楽しんでください
よくある質問
- ダートグレード競走とは?
- 中央競馬と地方競馬の馬が一緒に走るダートの重賞で、中央と地方のダート交流重賞に共通の格付けを付けたもの。1997年度に始まり、地方の競走の多くはJpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢ(東京大賞典はGⅠ)、JRAの競走はGⅠ・GⅡ・GⅢと表記される。
- JpnⅠとGⅠの違いは?
- どちらも重賞の最上位の格付け。国際的な格付けを持つ競走をGⅠ、持たない競走をJpnⅠと表記する。2007年に日本がパートⅠ国に昇格したのに伴って分けられた。
- 地方競馬のダートGⅠは?
- 地方競馬で国際GⅠの格付けを持つのは、大井競馬場で例年12月29日に行われる東京大賞典だけだ。1997年にGⅠに格付けされ、2011年から国際GⅠになっている(2026年10月26日時点)。
- ダート三冠とは?
- 3歳のダートの三冠で、羽田盃(大井1800m)、東京ダービー(大井2000m)、ジャパンダートクラシック(大井2000m)の3競走。2024年から、JRAの馬も出られるJpnⅠの三冠になった。
- ダートグレード競走の馬券はどこで買える?
- 地方競馬の競走は、競馬場や場外発売所のほか、SPAT4・楽天競馬・オッズパーク・JRAのネット投票(即PAT・A-PAT)で買える。JRAの競走(フェブラリーステークスなど)はJRAの馬券になる。





