競走馬の馬具とは|ブリンカー・シャドーロール・チークピーシーズの違い
この記事の要点
- 競走馬がレースで顔に着ける主な馬具は、ブリンカー、シャドーロール、チークピーシーズ、ブローバンド、メンコ、ホライゾネット。付ける場所は、メンコの目穴、頭絡の鼻革・頬革・額革などそれぞれ違う
- JRAは、ブリンカーをJRAのレースで使うには出馬投票時の届出が必要としている。JRAのホームページの出馬表では、馬番の横に茶色の地に白い「B」の印が付く
- JRAのホームページの出馬表で印が付く馬具はブリンカーだけで、シャドーロールやチークピーシーズ、メンコには印がない。着けているかどうかは、パドックや返し馬で見て確かめる
- ブリンカーは視界の一部を遮って馬の意識を競走に集中させるために用いる。シャドーロールとチークピーシーズは、前方に意識を集中させる効果を期待して用いる

競走馬の馬具とは、鞍や馬銜(はみ)、頭絡など、馬に着けてレースや調教で使う道具のことだ。レースで目に付くのは顔に着ける馬具で、主なものはブリンカー、シャドーロール、チークピーシーズ、ブローバンド、メンコ、ホライゾネットになる。JRAは、ブリンカーをJRAのレースで使うには出馬投票時の届出が必要としており、JRAのホームページの出馬表では、馬番の横に付く「B」の印で分かる。本記事では、顔に着ける馬具の一覧、ブリンカーの届出と出馬表の印、シャドーロール・チークピーシーズ・メンコなどの違いを順にまとめる。内容はいずれも2026年11月時点のものだ。
競走馬の馬具とは?顔に着ける主な馬具の一覧
JRAの競馬用語辞典は、鐙(あぶみ)や鞍、馬銜、腹帯、蹄鉄などを「競馬で使用する様々な道具」としてまとめている。このうち、馬の顔や頭に着けて視界や癖に働きかける馬具を並べると、次のとおりだ。右の列はJRAの用語辞典の説明で、本記事の馬具の働きの説明もこれによる。
| 馬具 | どこに付けるか | 何のために使うか |
|---|---|---|
| ブリンカー | メンコの目穴の部分にカップを取り付ける | 視界の一部を直接遮り、馬の意識を競走や調教に集中させ、周囲からの影響に惑わされずに走らせるために用いる。片側だけにカップが付くものもある |
| シャドーロール | 頭絡の鼻革にボア状のものを付ける | 下方を見えにくくして、前方に意識を集中させる効果を期待して用いる。頭を上げる癖のある馬に使い、頭を下げさせて御しやすくする効果を期待することもある |
| チークピーシーズ | 頭絡の頬革にボア状のものを付ける | 左右を見えにくくして、前方に意識を集中させる効果を期待して用いる |
| ブローバンド | 頭絡の額革にボア状のものを付ける | 上後方を見えにくくして、馬の意識を前方に集中させる効果を期待して用いる |
| メンコ | 顔にかぶせる覆面。耳おおいが付いたものが一般的 | 音に驚いたり、砂をかぶるのを嫌がったりする馬に使う |
| ホライゾネット | メンコの目穴の部分をネットで覆う | 前の馬が跳ね上げる砂が眼にかかるのを嫌がる馬に用いる。視野を制限するので、競走に意識を集中させる効果を期待して用いることもある |
| 舌縛り | 舌を縛る。舌を傷めないよう幅の広い包帯や専用の装具を使う | 馬銜吊りなどを使っても、馬銜を越して舌を出す癖を直せない馬などに使う |
頭絡は、頭から顎・頬・鼻の上・うなじにかけて細い革でできた馬具で、馬銜を吊って馬の口の中の位置を保つ。鼻革・頬革・額革はその一部だ。シャドーロール、チークピーシーズ、ブローバンドは、頭絡のどの革にボアを付けるかで名前が分かれ、見えにくくする向きが下・左右・上後方と違う。
シャドーロールやチークピーシーズなどは「効果を期待して」用いる道具で、着ければ必ず効くとはされていない。
ブリンカーとは?届出と出馬表の「B」の印
ブリンカーとは、馬の視界の一部を遮る馬具で、「遮眼革(しゃがんかく)」ともいう。メンコの目穴の部分に、合成ゴムやプラスチックのカップを取り付けたものが一般的だ。カップのつくりや大きさで遮る視界の広さを変えられ、片側の目だけにカップが付くものもある。
JRAは、JRAのレースでブリンカーを使う場合は、出馬投票時の届出が必要としている。
出馬表のどこを見ればいい?
JRAのホームページの出馬表では、ブリンカーを着ける馬の馬番の横に、茶色の地に白い「B」の印が付く。印の代わりの文字(読み上げ用の説明)は「ブリンカー着用」だ。JRAの「馬柱の見方」でも、枠番・馬番の次の項目が「ブリンカー」になっている。
JRAの「馬柱の見方」の項目では、馬具の項目はブリンカーだけだ。シャドーロールやチークピーシーズ、メンコ、ホライゾネットを着けているかどうかは、出馬表からは分からない。
シャドーロールとは?
シャドーロールとは、頭絡の鼻革(鼻の上を通る革)に、ボア状のふわふわしたものを付けた馬具だ。鼻の上にふくらみが乗ったように見える。
芝の切れ目や物の影などに驚く馬に対し、下方を見えにくくして前方に意識を集中させる効果を期待して用いられる。レース中に頭を上げる癖のある馬に使い、頭を下げさせて馬を御しやすくする効果を期待することもある。
チークピーシーズとは?ブリンカーとの違い
チークピーシーズとは、頭絡の頬革(顔の横を通る革)に、ボア状のものを付けた馬具だ。正式にはシープスキン・チークピーシーズという。左右を見えにくくして、前方に意識を集中させる効果を期待して用いられる。
ブリンカーとの違いは、作りと付ける場所だ。
| ブリンカー | チークピーシーズ | |
|---|---|---|
| 作り | メンコの目穴の部分に付けたカップ | 頭絡の頬革に付けたボア状のもの |
| 遮る向き | 視界の一部(カップのつくりや大きさで変わる) | 左右 |
| JRAのレースで使うとき | 出馬投票時の届出が要る | 届出の記載はない |
| JRAの出馬表の印 | 馬番の横に「B」 | なし |
同じボア状のものを額革に付けたのがブローバンドで、こちらは上後方を見えにくくする。
メンコとホライゾネットとは?
メンコは馬の覆面のことで、耳おおいが付いたものが一般的だ。音に驚いたり、砂をかぶるのを嫌がったりする馬に使う。厩舎ことばとしても使われる言葉だ。
ホライゾネットは、メンコの目穴の部分をネットで覆ったものだ。前を走る馬が跳ね上げる砂が眼にかかるのを嫌がる馬に用いるほか、視野を制限するので、競走に意識を集中させる効果を期待して用いることもある。ブリンカーもホライゾネットもメンコの目穴に付けるもので、カップで遮るのがブリンカー、ネットで覆うのがホライゾネットになる。
まとめ
競走馬が顔に着ける主な馬具は、ブリンカー、シャドーロール、チークピーシーズ、ブローバンド、メンコ、ホライゾネットで、付ける場所はメンコの目穴、頭絡の鼻革・頬革・額革とそれぞれ違う。JRAは、ブリンカーをレースで使うには出馬投票時の届出が必要としており、JRAのホームページの出馬表では馬番の横の「B」の印で分かる。それ以外の馬具は出馬表に印がないので、パドックで見て確かめることになる。シャドーロールやチークピーシーズなどは、前方に意識を集中させる効果などを「期待して」用いる道具だ。
出馬表の項目と印の読み方は「出馬表の見方」で解説している。
パドックで馬体重や馬具をどう見るかは「パドックとは」でまとめている。
そのほかの競馬の言葉は「競馬用語一覧」で調べられる。
よくある質問
- ブリンカーとは?
- ブリンカーとは、馬の視界の一部を遮る馬具で、「遮眼革」ともいう。メンコの目穴の部分にカップを取り付けたものが一般的で、JRAのレースで使うには出馬投票時の届出が要る。
- シャドーロールとは?
- シャドーロールとは、頭絡の鼻革にボア状のものを付けた馬具だ。下方を見えにくくして前方に意識を集中させる効果を期待して用いられ、頭を上げる癖のある馬に使うこともある。
- チークピーシーズとは?
- チークピーシーズとは、頭絡の頬革にボア状のものを付けた馬具だ。左右を見えにくくして前方に意識を集中させる効果を期待して用いられる。正式にはシープスキン・チークピーシーズという。
- メンコとは?
- メンコは馬の覆面のことで、耳おおいが付いたものが一般的だ。音に驚いたり、砂をかぶるのを嫌がったりする馬に使う。
- 出馬表でブリンカーはどう分かる?
- JRAのホームページの出馬表では、ブリンカーを着ける馬の馬番の横に、茶色の地に白い「B」の印が付く。JRAのホームページの出馬表で印が付く馬具はブリンカーだけだ。






