競走馬の一生|何歳でデビュー?生まれる時期から引退のあとまで
この記事の要点
- 競走馬(サラブレッド)は冬から春に生まれる。生まれた年が0歳(当歳)で、多くはその年のうちに生産牧場でJAIRSの血統登録の審査を受ける(2025年生まれのサラブレッド8,233頭のうち7,745頭、約94%)。血統登録証明書はおおむね当歳の12月ごろに出る
- 当歳・1歳・2歳のセリのほか、生産者との交渉(庭先取引)で買われる馬や、馬主が自分の牧場で生産した馬(自家生産)もいる。1歳の秋ごろから育成牧場で鞍を付け、人を乗せる練習を始める
- トレーニング・センターに入厩して調教を積み、JRAの新馬戦は2歳の6月から始まる。JRAの競馬施行規程には出走できる年齢の上限はなく、引退の時期は馬ごとに違う
- JAIRSの統計では、2025年に日本で生まれた軽種馬は8,236頭で、北海道が8,038頭、日高地区が6,475頭だった

目次
競走馬(サラブレッド)は冬から春に生まれ、多くはその年のうちに血統登録の審査を受ける。そのあと、当歳(0歳)から2歳までのセリや庭先取引で馬主に買われる馬が多く、馬主が自分の牧場で生産した馬(自家生産)もいる。1歳の秋ごろから育成牧場で人を乗せる練習を始め、トレーニング・センターに入厩して、2歳の6月から始まるJRAの新馬戦でデビューする。引退の時期は馬ごとに違い、JRAの競走馬登録を抹消されたあとは繁殖、地方競馬、乗馬などに進む。本記事では、何歳で何をするかを表で示し、誕生、血統登録、セリ、育成、入厩、デビュー、引退のあとを順にまとめる。決まりと数字は、いずれも2026年11月時点のものだ。
競走馬の一生|何歳で何をする?
競走馬の年齢は、生まれた年を0歳とし、毎年1月1日に1つ上がる。生まれた年の馬を「当歳」と呼ぶ。生まれてからデビューまでの流れは、次のとおりだ。
| 年齢 | 時期 | すること |
|---|---|---|
| 生まれる前 | 前の年 | 母馬に種付け。妊娠期間は約11か月 |
| 0歳(当歳) | 冬〜春 | 生産牧場で生まれる。生まれて1時間ほどで立つ |
| 0歳(当歳) | 多くは生まれた年 | マイクロチップを埋め込み、JAIRSの血統登録の審査を受ける。血統登録証明書はおおむね12月ごろ |
| 0歳(当歳) | 生まれて半年ほど | 離乳(仔別れ)。母馬と離れて仔馬どうしで暮らす |
| 0〜1歳 | 夏〜秋 | 当歳・1歳のセリ、庭先取引で馬主に買われる |
| 1歳 | 秋ごろ | 育成牧場で鞍を付け、人を乗せる練習(騎乗馴致)を始める |
| 1歳 | 9月1日から | JRAの競走馬登録ができる |
| 2歳 | 春 | 2歳のセリ(トレーニングセール)が開かれる |
| 2歳 | デビューの前 | トレーニング・センターに入厩し、調教を積む |
| 2歳 | 6月から | JRAの新馬戦(メイクデビュー)が始まる |
| 3歳 | 2月・9月 | 2026年の番組では、3歳新馬は2月22日、3歳未勝利は9月13日が最後 |
競走馬はいつ生まれる?
JRAは、サラブレッドは毎年冬から春に生まれるとしている。地方競馬全国協会は、年明けから初夏にかけて生まれる、としている。母馬の妊娠期間は約11か月なので、生まれてくるのは前の年に種付けされて宿った子だ。
仔馬は生まれて1時間ほどで自分で立ち上がる。生まれた年は、1月生まれでも6月生まれでも0歳で、翌年の1月1日にそろって1歳になる。
競走馬はどこで何頭生まれる?
JAIRSの統計では、2025年に日本で生まれた軽種馬は8,236頭(2025年12月31日時点)だった。地域別では次のとおりだ。
| 地域 | 2025年の生産頭数 |
|---|---|
| 全国 | 8,236頭 |
| 北海道 | 8,038頭 |
| うち日高地区 | 6,475頭 |
| うち胆振地区 | 1,539頭 |
| うち十勝地区 | 24頭 |
| 都府県 | 198頭 |
競馬TIMESが割り出すと、北海道は全国の約98%、日高地区は約79%にあたる。都府県では青森(71頭)、熊本(43頭)、鹿児島(37頭)、宮崎(30頭)が多い。8,236頭のうち8,233頭がサラブレッドだった。
2026年に生まれた軽種馬は、速報で8,225頭(2026年8月31日時点)だ。
血統登録はいつ?多くは生まれた年に牧場で審査
日本で生まれた競走馬は、多くが生まれた年のうちに、公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル(JAIRS)の血統登録を受ける。血統登録は、馬の血統と、その馬を見分ける特徴(個体識別)を明らかにする登録だ。
JAIRSの手順では、生産牧場は母馬の繁殖成績報告書を5月31日までにJAIRSへ返し、登録の審査の前までに仔馬にマイクロチップを埋め込む。当歳の審査は生産牧場で行い、JAIRSは書類を確かめ、実際の馬を見て特徴を取り、マイクロチップの番号を確かめ、DNA型を調べるための毛根を採る。そのあと、血統登録証明書と個体確認書が作られる。
JAIRSは、内国産馬の血統登録証明書はおおむね当歳の12月ごろに出るとしている。JAIRSの統計では、2025年に生まれたサラブレッド8,233頭のうち7,745頭(約94%)が、2025年のうちに血統登録を受けた。
名前(馬名)の登録は、血統登録証明書が出たあと、トレーニング・センターに初めて入厩する前までに済ませる。
セリはいつ?当歳・1歳・2歳で買われる
競走馬の売り買いには、セリ市場で値段を決める市場取引と、生産者と馬主が交渉して値段を決める庭先取引がある。JRAは、セリ市場は例年4月から10月ごろ、北海道・青森・千葉・九州で開かれるとしている。
2026年の主なセリは次のとおりだ。
| 対象 | 主なセリ(2026年) | 開催日 |
|---|---|---|
| 2歳 | JRAブリーズアップセール | 4月28日 |
| 2歳 | 北海道トレーニングセール | 5月19日 |
| 2歳 | 千葉サラブレッドセール | 5月22日 |
| 1歳 | 九州1歳市場 | 6月23日 |
| 1歳 | 八戸市場 | 7月7日 |
| 1歳 | セレクトセール | 7月13日 |
| 当歳 | セレクトセール | 7月14日 |
| 1歳 | 北海道セレクションセール | 7月20〜21日 |
| 1歳 | 北海道サマーセール | 8月17〜22日 |
| 1歳 | 北海道セプテンバーセール | 9月14〜17日 |
| 1歳 | 北海道オータムセール | 10月13〜14日 |
| 当歳 | ノーザンファームミックスセール | 10月19日 |
2歳のセリは、セリの前に走る様子を見せる「トレーニングセール」が主流だ。JRAブリーズアップセールに出るのは、JRAが1歳のセリで買い、JRAの育成牧場で育てた馬(JRA育成馬)で、2009年からはJRA日高育成牧場で生まれた馬も加わっている。
育成はいつから?1歳の秋に人を乗せる練習
生まれた年の仔馬は、母馬と一緒に放牧地で過ごす。生まれて半年ほどで母馬と離され(離乳、仔別れ)、仔馬どうしで放牧地を走り回って基礎体力をつける。母馬は、次の春のお産に備える。
1歳の秋ごろになると、育成牧場で人を乗せる準備(騎乗馴致)が始まる。ハミ(馬の口にくわえさせる馬具)の付け方や鞍の置き方を一つずつ教えて慣れさせ、人を背に乗せることを覚えさせる。そのあと、常歩・速歩・駆歩(なみあし・はやあし・かけあし)の騎乗運動に移る。
育成牧場は、北海道・東北・栃木・千葉・南九州などの馬産地や、美浦・栗東のトレーニング・センターの周りにある。1歳の秋を過ぎた若駒が競走馬になるための馴致や訓練をする施設で、育成を専門にするところのほか、生産者が営むところもある。
入厩とデビュー|JRAの新馬戦は2歳の6月から
育成を終えた馬は、預ける調教師が所属する美浦か栗東のトレーニング・センターに入厩し、デビューに向けて本格的な調教を積む。JRAの競走馬登録は、1歳の9月1日から受けられる。
JRAで初めてレースに出る馬は、JRAの施設の中で15日以上調教され、発走審査(ゲートから正しく発走できるかの審査)に合格しなければならない。競走馬登録のあと一度も走っていない馬は、レースまでの15日間、続けてJRAの厩舎に入っている必要もある。
JRAの新馬戦(メイクデビュー)は、2歳の6月ごろから始まる。2026年の番組では、2歳新馬は6月6日に始まり、3歳新馬は2月22日が最後だった。そのあとにデビューする馬は、未勝利戦を走る。3歳未勝利は9月13日が最後だった。
地方競馬では、競馬場に入厩した馬が、レースに出られるかを審査する「能力試験」に合格してからデビューする。早い競馬場では、2歳の新馬戦が4月から始まる。
新馬戦・未勝利戦の日程と、勝てなかった馬の道は「新馬戦・未勝利戦はいつからいつまで?」で解説している。
引退は何歳?登録抹消とそのあと
JRAの競馬施行規程は、平地競走に出られるのを2歳以上、障害競走を3歳以上と決めているが、出走できる年齢の上限は決めていない。何歳で引退するかの決まりはなく、時期は馬ごとに違う。
JRAの馬が競走をやめるときは、JRAの競走馬登録が抹消される。JRAは、引退した馬は競走成績や血統などによって、繁殖、地方競馬、乗馬などに使われるのが一般的だとしている。地方競馬に移った馬は、JRAの登録は抹消されても、地方で走り続ける。
| 引退のあとの道 | 中身 |
|---|---|
| 種牡馬・繁殖牝馬 | 生産の牧場で次の世代をつくる。JRAは、牝馬の多くは繁殖に、良血馬や成績の優秀な牡馬は種牡馬になるとしている |
| 地方競馬 | 地方競馬の登録を受けて走り続ける |
| 乗馬など | 乗馬クラブなどで乗用馬として暮らす |
種牡馬・繁殖牝馬になった馬は、JAIRSの繁殖登録を受け、次の世代の種付けへとつながっていく。
まとめ
競走馬は冬から春に生まれ、多くは生まれた年のうちに生産牧場でJAIRSの血統登録の審査を受ける。当歳から2歳までのセリや庭先取引で馬主に買われる馬が多く、1歳の秋ごろから育成牧場で人を乗せる練習を始める。トレーニング・センターに入厩して調教を積み、JRAでは2歳の6月から新馬戦でデビューする。出走できる年齢の上限はなく、JRAの競走馬登録を抹消されたあとは、繁殖、地方競馬、乗馬などに進む。
JRAの登録抹消の理由と引退との違いは「競走馬の登録抹消とは」でまとめている。
重賞の年齢別の成績は「競走馬のピークは何歳?」で確かめられる。
セリでついた歴代の高い値段は「セレクトセールの最高額ランキング」でまとめている。
よくある質問
- 競走馬は何歳でデビューする?
- JRAの新馬戦(メイクデビュー)は2歳の6月から始まるので、デビューは早い馬で2歳の6月だ。2026年の番組では、3歳の新馬戦は2月22日が最後だった。そのあとにデビューする馬は未勝利戦を走る。
- 競走馬はいつ生まれる?
- JRAは、サラブレッドは毎年冬から春に生まれるとしている。馬の妊娠期間は約11か月で、仔馬は生まれて1時間ほどで自分で立ち上がる。生まれた年は、生まれた日にかかわらず0歳(当歳)と数える。
- 競走馬は何歳で引退する?
- JRAの競馬施行規程に出走できる年齢の上限はなく、引退の時期は馬ごとに違う。JRAの競走馬登録を抹消されたあとは、成績や血統によって繁殖、地方競馬、乗馬などに進むのが一般的だ。
- 競走馬はどこで生まれる?
- JAIRSの統計では、2025年に生まれた軽種馬8,236頭のうち8,038頭が北海道、6,475頭が日高地区の生まれだった。北海道のほか、青森、熊本、宮崎、鹿児島などでも生まれている。
- 競走馬はいつ売られる?
- セリ(市場取引)と、生産者と馬主が交渉で値段を決める庭先取引がある。2026年は、2歳のセリが4〜5月、1歳のセリが6〜10月、当歳のセリが7月と10月に開かれた。






