血統・種牡馬

アメリカンファラオとは|米三冠馬の成績と日本の産駒の特徴

この記事の要点

  • アメリカンファラオは2012年生まれのアメリカ産で、父Pioneerof the Nile、母Littleprincessemma。通算11戦9勝で、2015年にケンタッキーダービー・プリークネスS・ベルモントSの三冠とBCクラシックを勝った
  • JRAの産駒は2016年1月〜2026年10月25日に97頭が平地で758走して102勝(勝率13.5%)。平地の8割がダートで、ダートは608走86勝(勝率14.1%)、芝は150走16勝(勝率10.7%)
  • JRAの重賞はカフェファラオが4勝(フェブラリーS 2021・2022年など)、ルクソールカフェが2勝(武蔵野S 2025年、エルムS 2026年)。勝ったのはすべてダートの1600〜1900m
  • 日本軽種馬協会の静内種馬場(北海道新ひだか町)で2026年に供用され、2027年も1シーズン続けて供用される。2027年の種付け料は受胎確認後400万円
アメリカンファラオとは|米三冠馬の成績と日本の産駒の特徴
目次
  1. アメリカンファラオの血統は?
  2. アメリカンファラオはどんな競走成績だった?
  3. アメリカンファラオはどこにいる?
  4. アメリカンファラオ産駒は日本でどれくらい走っている?
  5. アメリカンファラオ産駒は芝とダートのどちらが多い?
  6. アメリカンファラオ産駒で重賞を勝った馬は?
  7. まとめ

アメリカンファラオとは、2015年にアメリカの三冠(ケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントS)とBCクラシックを勝った、2012年生まれのアメリカ産の名馬だ。通算成績は11戦9勝で、2016年にアメリカで種牡馬になった。日本でもカフェファラオがフェブラリーSを連覇するなど、JRAで産駒97頭が102勝している(2016年1月〜2026年10月25日)。本記事では、血統と現役時代の成績、JRAでの産駒の成績を芝・ダート・距離・年齢で数え直したもの、重賞を勝った産駒、日本での供用をまとめる。

アメリカンファラオの血統は?

アメリカンファラオの父と母は次のとおり。

続柄 馬名
父 Pioneerof the Nile
父の父 エンパイアメーカー
母 Littleprincessemma
母の父 Yankee Gentleman

2012年2月2日生まれの鹿毛の牡馬で、アメリカで生まれた。父Pioneerof the Nileは2006年生まれで、その父はエンパイアメーカー。母の父Yankee Gentlemanの父はStorm Catだ。

アメリカンファラオはどんな競走成績だった?

アメリカンファラオはアメリカだけで走り、通算成績は11戦9勝(2着1回)。獲得賞金は865万300ドル。デビュー戦の5着のあとは、2015年8月のトラヴァーズS(2着)を除いてすべて勝った。2戦目からの10戦は、すべてV.エスピノーザ騎手が乗った。

日付 レース 格 競馬場・距離 着順
2014年8月9日 未勝利戦 ― デルマー・6.5ハロン 5着
2014年9月3日 デルマーフューチュリティ GⅠ デルマー・7ハロン 1着
2014年9月27日 フロントラナーS GⅠ サンタアニタ・ダート8.5ハロン 1着
2015年3月14日 レベルS GⅡ オークローンパーク・ダート8.5ハロン 1着
2015年4月11日 アーカンソーダービー GⅠ オークローンパーク・ダート9ハロン 1着
2015年5月2日 ケンタッキーダービー GⅠ チャーチルダウンズ・ダート10ハロン 1着
2015年5月16日 プリークネスS GⅠ ピムリコ・ダート9.5ハロン 1着
2015年6月6日 ベルモントS GⅠ ベルモントパーク・ダート12ハロン 1着
2015年8月2日 ハスケル招待S GⅠ モンマスパーク・ダート9ハロン 1着
2015年8月29日 トラヴァーズS GⅠ サラトガ・ダート10ハロン 2着
2015年10月31日 BCクラシック GⅠ キーンランド・ダート10ハロン 1着

※1ハロンは約201m。8.5ハロンは約1700m、9ハロンは約1800m、9.5ハロンは約1900m、10ハロンは約2000m、12ハロンは約2400mにあたる。デビュー戦とデルマーフューチュリティは、芝・ダートと馬場の状態が記録にない

GⅠは8勝。三冠の3レースは、ケンタッキーダービーが18頭立ての大外18番、プリークネスSが不良馬場、ベルモントSが約2400mで、3つとも違う条件で勝った。同じ年の10月にはBCクラシックを2分0秒1で勝ち、2015年のアメリカの年度代表馬に選ばれた。日本軽種馬協会は、三冠とBCクラシックを同じ年に勝ったのは史上初としている。

アメリカンファラオはどこにいる?

アメリカンファラオは2016年にアメリカで種牡馬になった。日本では、日本軽種馬協会の静内種馬場(北海道新ひだか町)で2026年に供用された。日本軽種馬協会は2026年6月26日に、2027年も1シーズン続けて静内種馬場で供用すると発表した。

種付け料は、2026年度、2027年度とも受胎確認後400万円。2027年度は10月31日が支払いの期限で、流産・死産や産駒が生後30日以内に死んだときは種付け料を返す特約が付く。

日本で種付けされた産駒が走るのは、まだ先になる。これまでJRAで走ってきた産駒は、海外で種付けされて生まれた馬だ。

アメリカンファラオ産駒は日本でどれくらい走っている?

2016年1月5日から2026年10月25日までのJRAの平地のレースで、父がアメリカンファラオの馬を数え直した(出走取消・競走除外は除く)。JRAで初めて走ったのは2019年7月27日だ。

範囲 出走頭数 出走数 1着 3着以内 勝率 複勝率
産駒(平地) 97頭 758走 102回 218回 13.5% 28.8%
JRAの全馬(平地) ― 50万3164走 3万6123回 10万8289回 7.2% 21.5%

※障害は3頭が8走して、1着はない。1着が同着のときは、どちらも1着に数えた

年ごとの成績は次のとおり。2026年のJRAの種牡馬リーディング(賞金順)では、11月2日現在で86位だった。

年 出走頭数 出走数 1着 勝率
2019年 7頭 13走 5回 38.5%
2020年 14頭 42走 13回 31.0%
2021年 24頭 78走 10回 12.8%
2022年 32頭 98走 13回 13.3%
2023年 28頭 92走 9回 9.8%
2024年 40頭 126走 25回 19.8%
2025年 44頭 200走 22回 11.0%
2026年 38頭 117走 5回 4.3%

※障害を含む(2024〜2026年の8走)。2026年は10月25日まで

走る頭数は年に7〜44頭と少なく、勝率は年によって4.3〜38.5%と大きく動く。2026年は117走して5勝で、勝率はこれまででもっとも低い。

アメリカンファラオ産駒は芝とダートのどちらが多い?

平地の758走のうち、608走(8割)がダートだった。芝・ダートと距離に分けると次のとおり。右の列は、同じ範囲のJRAの全馬の勝率だ。

芝・ダート 距離 出走数 1着 3着以内 勝率 複勝率 勝った馬 全馬の勝率
ダート 全体 608走 86回 181回 14.1% 29.8% 41頭 7.0%
ダート 1400m以下 248走 31回 76回 12.5% 30.6% 16頭 6.7%
ダート 1500〜1800m 322走 50回 96回 15.5% 29.8% 29頭 7.2%
ダート 1900〜2200m 36走 5回 9回 13.9% 25.0% 4頭 7.4%
ダート 2300m以上 2走 0回 0回 0% 0% 0頭 7.9%
芝 全体 150走 16回 37回 10.7% 24.7% 7頭 7.4%
芝 1400m以下 70走 11回 21回 15.7% 30.0% 7頭 6.8%
芝 1500〜1800m 60走 5回 15回 8.3% 25.0% 2頭 7.5%
芝 1900〜2200m 15走 0回 1回 0% 6.7% 0頭 7.8%
芝 2300m以上 5走 0回 0回 0% 0% 0頭 8.1%

※平地だけ

ダートは41頭が勝ち、1500〜1800mの322走がもっとも多い。重賞を勝ったカフェファラオとルクソールカフェの2頭を除いても、ダートは591走74勝(勝率12.5%)で、全馬の平均より高い。

芝は150走して16勝したが、勝った馬は7頭だけで、16勝のうち9勝はリフレイム(5勝)とジューンブレア(4勝)の2頭による。1900m以上の芝は20走して1着がないが、走った数が少なく、長い距離の芝が向かないとまでは言えない。

何歳でよく勝っている?

年齢で分けると、2歳の勝率が高い。

年齢 出走数 1着 勝率 複勝率 全馬の勝率
2歳 141走 30回 21.3% 44.7% 7.8%
3歳 377走 46回 12.2% 26.8% 7.7%
4歳以上 240走 26回 10.8% 22.5% 6.4%

※平地だけ

2歳の30勝は28頭で挙げていて、1頭に偏っていない。2歳のダートは100走24勝(勝率24.0%)だった。どの年齢でも全馬の平均を上回るが、3歳・4歳以上では2歳ほどの差はない。

牡馬と牝馬で差はある?

平地では、牝馬が374走51勝(勝率13.6%)、牡馬が364走51勝(勝率14.0%)で、ほとんど差がない。せん馬は20走して1着がなかった。

全馬の平均には、あらゆる血統・クラスの馬が入っている。産駒は97頭と少なく、走ったレースも偏っているので、ここまでの差は傾向の目安として読む必要がある。

アメリカンファラオ産駒で重賞を勝った馬は?

2026年10月25日までに、JRAの重賞を勝った産駒はカフェファラオとルクソールカフェの2頭で、合わせて6勝。GⅠはカフェファラオのフェブラリーS 2勝で、残る4勝はGⅢだ。

日付 レース 競馬場・距離 勝ち馬 騎手 人気
2020年6月21日 ユニコーンS 東京・ダート1600m カフェファラオ D.レーン 1番人気
2020年10月3日 シリウスS 中京・ダート1900m カフェファラオ C.ルメール 1番人気
2021年2月21日 フェブラリーS 東京・ダート1600m カフェファラオ C.ルメール 1番人気
2022年2月20日 フェブラリーS 東京・ダート1600m カフェファラオ 福永祐一 2番人気
2025年11月15日 武蔵野S 東京・ダート1600m ルクソールカフェ D.レーン 3番人気
2026年8月8日 エルムS 札幌・ダート1700m ルクソールカフェ 岩田望来 3番人気

6勝はすべてダートの1600〜1900mで、うち4勝が東京のダート1600m。産駒はJRAの重賞に12頭が40回出走し、芝の重賞は2着4回が最高だった(2026年10月25日まで)。2着の4回は、ジューンブレアが2025年の函館スプリントS・CBC賞・スプリンターズS、ユウファラオが2026年のチャーチルダウンズCだ。

カフェファラオはフェブラリーSを連覇

カフェファラオは2017年生まれのアメリカ産。3歳の2020年にユニコーンSとシリウスSを勝ち、4歳の2021年と5歳の2022年にフェブラリーSを連覇した。2022年はマイルCS南部杯(盛岡・ダート1600m、JpnⅠ)も勝った。

ルクソールカフェは重賞2勝

ルクソールカフェは2022年生まれ。3歳の2025年に武蔵野Sを勝ち、4歳の2026年にエルムSで重賞2勝目を挙げた。2025年にはアメリカのケンタッキーダービー(12着)にも出走した。

ダノンファラオはジャパンダートダービーを勝った

JRAの重賞は勝っていないが、ダノンファラオ(2017年生まれ)は、地方の交流重賞で2020年のジャパンダートダービー(大井・ダート2000m、JpnⅠ)と浦和記念(JpnⅡ)、2021年のダイオライト記念(JpnⅡ)を勝った。

海外では、2026年のBCフィリー&メアターフを勝ったKathynmarissaや、2024年のオーストラリアダービーを勝ったRiff RocketなどのGⅠ勝ち馬がいる。日本軽種馬協会は、産駒から37頭の重賞勝ち馬(うちGⅠ勝ち馬10頭)が出たとしている。

まとめ

アメリカンファラオは、父Pioneerof the Nile、母Littleprincessemmaの血統のアメリカ産で、2015年にアメリカの三冠とBCクラシックを勝った。通算11戦9勝で、GⅠは8勝。2016年にアメリカで種牡馬になり、日本では2026年に日本軽種馬協会の静内種馬場で供用され、2027年も続けて供用される。JRAでは、2016年1月〜2026年10月25日に産駒97頭が平地で758走して102勝し、その8割がダートだった。ダートの勝率は14.1%で、JRAの重賞はカフェファラオとルクソールカフェの2頭がダートで6勝している。芝の長い距離は走った数が少なく、向き不向きはまだ言えない。

ダートのGⅠの歴代優勝馬:フェブラリーステークスとは、マイルCS南部杯とは。アメリカの大レースはブリーダーズカップとはにまとめている。

よくある質問

アメリカンファラオとは?
2012年生まれのアメリカ産の競走馬・種牡馬で、2015年にケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントSを勝ってアメリカの三冠馬になり、同じ年にBCクラシックも勝った。通算成績は11戦9勝で、2015年のアメリカの年度代表馬に選ばれた。
アメリカンファラオ産駒の特徴は?
JRAで走った産駒は、2016年1月〜2026年10月25日に97頭が平地で758走し、その8割がダートだった。勝率はダートが14.1%、芝が10.7%で、どちらもJRAの全馬の平均(ダート7.0%、芝7.4%)より高い。芝の1900m以上は20走して勝ちがないが、走った数が少なく、向き不向きとまでは言えない。
アメリカンファラオ産駒で日本の重賞を勝った馬は?
JRAの重賞を勝ったのは、カフェファラオ(ユニコーンS・シリウスS 2020年、フェブラリーS 2021・2022年)とルクソールカフェ(武蔵野S 2025年、エルムS 2026年)の2頭・6勝(2026年10月25日まで)。地方の交流重賞では、ダノンファラオが2020年のジャパンダートダービー、カフェファラオが2022年のマイルCS南部杯を勝った。
アメリカンファラオは日本にいる?
日本軽種馬協会の静内種馬場(北海道新ひだか町)で、2026年に種牡馬として供用された。日本軽種馬協会は2026年6月に、2027年も1シーズン続けて供用すると発表している。
アメリカンファラオの血統は?
父Pioneerof the Nile、母Littleprincessemma(母の父Yankee Gentleman)。父の父はエンパイアメーカーで、2012年2月2日生まれの鹿毛の牡馬だ。
アメリカンファラオの種付け料は?
2027年度は受胎確認後400万円で、流産・死産や産駒が生後30日以内に死んだときは種付け料を返す特約が付く。2026年度も受胎確認後400万円だった。
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