血統・種牡馬

ハービンジャー産駒の特徴と血統|GⅠ馬9頭・11勝の距離と重馬場

この記事の要点

  • ハービンジャー産駒はJRAのGⅠを9頭が計11勝(2026年11月1日の天皇賞(秋)まで)。芝が9勝、障害のJ・GⅠが2勝で、ダートのGⅠは勝っていない
  • 距離は芝1600mの4勝が最も多く、芝2000mが2勝、芝2200m・2400m・2500mが1勝ずつ。芝1200mとダートの勝ちはないが、11勝と数が少なく、距離の向き不向きとまでは言えない
  • 勝った日の馬場は、良が8勝、稍重が2勝、重が1勝で、不良はない。重・稍重の3勝は2017〜2018年に集中しており、GⅠ勝ちの数からは「重馬場に強い」とは言えない
  • 11勝のうち7勝が牝馬(6頭)で、競馬場は京都の6勝が最も多い。JRAの種牡馬リーディングは2018年の5位が最高で、2026年は40位(11月2日現在)
ハービンジャー産駒の特徴と血統|GⅠ馬9頭・11勝の距離と重馬場
目次
  1. ハービンジャーの血統は?
  2. ハービンジャーはどんな成績を残した?
  3. ハービンジャー産駒でGⅠを勝った馬は?
  4. 勝ったGⅠから見るハービンジャー産駒の傾向
  5. 種牡馬リーディングでのハービンジャーは?
  6. まとめ

ハービンジャーの産駒でJRAのGⅠを勝ったのは9頭で、勝利数は合わせて11勝になる(2026年11月1日の天皇賞(秋)まで)。チェルヴィニアとニシノデイジーが2勝ずつ、ディアドラ、モズカッチャン、ペルシアンナイト、ブラストワンピース、ノームコア、ナミュール、アルマヴェローチェが1勝ずつ。芝1600mの4勝が最も多く、勝った日の馬場は良が8勝だった。本記事では、ハービンジャーの血統と競走成績、JRAのGⅠを勝った産駒の一覧、勝ったGⅠの距離・馬場・性別・競馬場の内訳、種牡馬リーディングでの位置を、JRAの成績で整理する。

ハービンジャーの血統は?

ハービンジャーの父と母は次のとおり。

続柄 馬名
父 Dansili
父の父 Danehill
母 Penang Pearl
母の父 Bering

ハービンジャー(英名Harbinger)は2006年3月12日生まれの鹿毛の牡馬で、英国で生まれた。日本での種付けは2011年に始まり、初年度の産駒は2012年に生まれて、2歳の2014年から走っている。

ハービンジャーはどんな成績を残した?

ハービンジャーは英国で走り、通算成績は9戦6勝(2着1回、3着1回)。日本では走っていない。主な成績は次のとおり。

年 レース 格 距離 着順
2009年 ゴードンS GⅢ 芝12ハロン 1着
2009年 セントサイモンS GⅢ 芝12ハロン 3着
2010年 ジョンポーターS GⅢ 芝12ハロン 1着
2010年 オーモンドS GⅢ 芝13.4ハロン 1着
2010年 ハードウィックS GⅡ 芝12ハロン 1着
2010年 キングジョージ6世&クイーンエリザベスS GⅠ 芝12ハロン 1着

GⅠの勝ちは、4歳の2010年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの1勝。12ハロンは約2400mで、勝った重賞はどれも12ハロン以上のレースだった。

ハービンジャー産駒でGⅠを勝った馬は?

2013年から2026年11月1日の天皇賞(秋)までに行われたJRAのGⅠ347レース(障害のJ・GⅠを含む)のうち、父がハービンジャーの馬が勝ったのは9頭・11勝。2018年に京都で行われたJBCの3競走(JpnⅠ)は数に入れていないが、勝ち馬の父にハービンジャーはいない。最初にGⅠを勝った順に並べると次のとおりだ。

馬 性別 勝利数 勝ったJRAのGⅠ
ディアドラ 牝 1勝 2017年 秋華賞
モズカッチャン 牝 1勝 2017年 エリザベス女王杯
ペルシアンナイト 牡 1勝 2017年 マイルCS
ブラストワンピース 牡 1勝 2018年 有馬記念
ノームコア 牝 1勝 2019年 ヴィクトリアマイル
ニシノデイジー 牡 2勝 2022年・2024年 中山大障害
ナミュール 牝 1勝 2023年 マイルCS
チェルヴィニア 牝 2勝 2024年 オークス・秋華賞
アルマヴェローチェ 牝 1勝 2024年 阪神JF

11勝を日付の順に並べた。馬場は、そのレースの日のJRAの発表(芝)だ。

日付 レース コース 馬場 勝ち馬 騎手 人気
2017年10月15日 秋華賞 京都・芝2000m 重 ディアドラ C.ルメール 3番人気
2017年11月12日 エリザベス女王杯 京都・芝2200m 良 モズカッチャン M.デムーロ 5番人気
2017年11月19日 マイルCS 京都・芝1600m 稍重 ペルシアンナイト M.デムーロ 4番人気
2018年12月23日 有馬記念 中山・芝2500m 稍重 ブラストワンピース 池添謙一 3番人気
2019年5月12日 ヴィクトリアマイル 東京・芝1600m 良 ノームコア D.レーン 5番人気
2022年12月24日 中山大障害 中山・芝4100m 良 ニシノデイジー 五十嵐雄祐 5番人気
2023年11月19日 マイルCS 京都・芝1600m 良 ナミュール 藤岡康太 5番人気
2024年5月19日 オークス 東京・芝2400m 良 チェルヴィニア C.ルメール 2番人気
2024年10月13日 秋華賞 京都・芝2000m 良 チェルヴィニア C.ルメール 1番人気
2024年12月8日 阪神JF 京都・芝1600m 良 アルマヴェローチェ 岩田望来 5番人気
2024年12月21日 中山大障害 中山・芝4100m 良 ニシノデイジー 五十嵐雄祐 4番人気

産駒の初めてのJRAのGⅠ勝ちは、2017年10月15日の秋華賞(ディアドラ)。この年の秋は、秋華賞、エリザベス女王杯、マイルCSを5週のあいだに3頭で勝った。年ごとでは2024年の4勝が最も多く、2020年、2021年、2025年、2026年(11月1日まで)は勝っていない。1番人気で勝ったのはチェルヴィニアの秋華賞だけで、11勝のうち7勝は4番人気以下だった。

2017年の秋は3頭が続けて勝った

ディアドラは重馬場の秋華賞を、2着のリスグラシューに1馬身1/4差で勝った。4週後のエリザベス女王杯はモズカッチャンが2着のクロコスミアにクビ差で、その翌週のマイルCSはペルシアンナイトが2着のエアスピネルにハナ差で勝った。3頭とも3歳で、3勝とも京都競馬場だった。

ブラストワンピースは3歳で有馬記念を勝った

ブラストワンピースは2018年の有馬記念を、3歳・3番人気で勝った。2着のレイデオロとはクビ差。産駒のJRAのGⅠ勝ちで、芝2500mはこの1勝だけだ。

チェルヴィニアはオークスと秋華賞の2冠

チェルヴィニアは2024年のオークスを2番人気で、秋華賞を1番人気で勝った。オークスは2着のステレンボッシュに1/2馬身差、秋華賞は2着のボンドガールに1馬身3/4差。どちらもC.ルメール騎手が乗った。同じ2024年には、チェルヴィニアの2勝のあと、12月にアルマヴェローチェが阪神JFを勝っている。この年の阪神JFは京都で行われた。

ニシノデイジーは障害で中山大障害を2勝

ニシノデイジーは障害に移ってから、2022年と2024年の中山大障害を勝った。2022年は6歳で2着のゼノヴァースに3馬身差、2024年は8歳で2着のエコロデュエルに5馬身差。どちらも五十嵐雄祐騎手が乗った。

勝ったGⅠから見るハービンジャー産駒の傾向

上の11勝を、距離、馬場、性別、競馬場で数え直した。9頭・11勝と数が少ないため、1頭の勝ち鞍で割合が大きく動く点には注意がいる。

距離は芝1600mの4勝が最も多い

勝ったGⅠを距離ごとに分けた。

距離 勝利数 勝ったGⅠ
芝1600m 4勝 マイルCS 2勝、ヴィクトリアマイル 1勝、阪神JF 1勝
芝2000m 2勝 秋華賞 2勝
芝2200m 1勝 エリザベス女王杯 1勝
芝2400m 1勝 オークス 1勝
芝2500m 1勝 有馬記念 1勝
障害・芝4100m 2勝 中山大障害 2勝

芝1600mの4勝は4頭の勝ち鞍で、1頭に偏ってはいない。芝2000mから2500mの5勝は4頭(ディアドラ、モズカッチャン、ブラストワンピース、チェルヴィニア)の勝ち鞍だ。父のハービンジャーが勝った重賞はどれも12ハロン(約2400m)以上だったが、産駒のGⅠ勝ちは芝1600mが最も多い。一方で、芝1200mのGⅠ、芝3000m以上の平地のGⅠ、ダートのGⅠは、2026年11月1日の天皇賞(秋)までに勝っていない。勝ち鞍は11だけで、出走が少ない距離もあるため、ここから距離の向き不向きまでは言えない。

勝った日の馬場は良が8勝、重馬場は1勝

勝ったGⅠを、その日の芝の馬場状態で分けた。

馬場 勝利数 勝ったGⅠ
良 8勝 2017年 エリザベス女王杯、2019年 ヴィクトリアマイル、2022年・2024年 中山大障害、2023年 マイルCS、2024年 オークス・秋華賞・阪神JF
稍重 2勝 2017年 マイルCS、2018年 有馬記念
重 1勝 2017年 秋華賞
不良 0勝 ―

稍重・重の3勝は、ディアドラ、ペルシアンナイト、ブラストワンピースの3頭が2017〜2018年に挙げたもので、2019年以降の7勝はすべて良馬場だった。重馬場での勝ちはディアドラの1勝だけだ。

比べるために、2013年から2026年11月1日の天皇賞(秋)までのJRAの芝のGⅠ(障害のJ・GⅠを含む)320レースの馬場を数えると、良が266レース(約83%)、稍重が32、重が15、不良が7だった。ハービンジャー産駒の11勝では良以外が3勝(約27%)で、全体の約17%より割合は高い。ただ、2017年と2018年は芝のGⅠ48レースのうち13レースが稍重〜不良と、もともと道悪が多い2年だった。数えたのは勝ち鞍だけで、道悪のGⅠに出走したすべての産駒の成績と比べていないため、馬場の向き不向きまでは言えない。

重馬場に強い血統は?道悪のGⅠを勝った種牡馬(父)一覧

11勝のうち7勝が牝馬

9頭のうち牝馬が6頭で7勝、牡馬が3頭で4勝。牝馬の7勝のうち、牝馬限定のGⅠは秋華賞2勝、エリザベス女王杯、ヴィクトリアマイル、オークス、阪神JFの6勝で、牡馬も出るGⅠで勝ったのはナミュールのマイルCSだけだ。牡馬の4勝は、マイルCS、有馬記念、中山大障害2勝。年齢では3歳の6勝が最も多い。

競馬場は京都の6勝が最も多い

11勝を競馬場ごとに分けると、京都が6勝(秋華賞2勝、マイルCS 2勝、エリザベス女王杯、阪神JF)、中山が3勝(中山大障害2勝、有馬記念)、東京が2勝(ヴィクトリアマイル、オークス)。阪神、中京などほかの競馬場での勝ちはない。京都の6勝のうち、阪神JFはこの年だけ京都で行われたレースだ。騎手ごとでは、C.ルメール騎手の3勝(ディアドラ1勝、チェルヴィニア2勝)が最も多い。

種牡馬リーディングでのハービンジャーは?

ハービンジャーは、2026年のJRAの種牡馬リーディング(賞金順、11月2日現在)で40位にいる。数字は次のとおり。

順位 出走頭数 勝馬頭数 出走回数 勝利回数 賞金
40位 94頭 13頭 353回 15勝 4億8052万8000円

これまでの年ごとの順位(JRAの種牡馬リーディング、上位20頭まで)は次のとおり。

年 順位
2015年 14位
2016年 9位
2017年 6位
2018年 5位
2019年 8位
2020年 13位
2021年 15位
2022年 13位
2023年 8位
2024年 8位
2025年 21位以下

最高は2018年の5位で、この年は有馬記念をブラストワンピースが勝った。産駒がデビューした2014年と、2025年は上位20頭に入っていない。2024年は出走頭数184頭で8位だったが、2026年は11月2日現在で94頭が出走している。

まとめ

ハービンジャーは、父Dansili、母Penang Pearlの英国産馬で、2010年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを勝った。産駒はJRAのGⅠを9頭で11勝し、チェルヴィニアとニシノデイジーの2勝が最も多い。距離は芝1600mの4勝が最も多く、芝2000mから2500mでも5勝、障害の中山大障害で2勝している。勝った日の馬場は良が8勝で、稍重・重の3勝は2017〜2018年に集中しており、GⅠ勝ちの数だけでは重馬場に強いとは言えない。11勝のうち7勝が牝馬で、競馬場は京都の6勝が最も多い。種牡馬リーディングは2018年の5位が最高で、2026年は40位(11月2日現在)。

ほかの種牡馬の産駒の特徴:キズナ、ロードカナロア、ゴールドシップ。種付け料の一覧は種牡馬一覧にまとめている。

よくある質問

ハービンジャー産駒の特徴は?
JRAのGⅠは9頭が計11勝し(2026年11月1日の天皇賞(秋)まで)、そのうち7勝が牝馬で、牝馬限定のGⅠが6勝を占める。距離は芝1600mの4勝が最も多く、芝2000〜2500mでも5勝、障害の中山大障害も2勝した。勝った日の馬場は良が8勝で、ダートのGⅠは勝っていない。
ハービンジャー産駒でJRAのGⅠを勝った馬は?
9頭で、勝ったGⅠは合わせて11勝(2026年11月1日の天皇賞(秋)まで)。チェルヴィニアとニシノデイジーが2勝ずつ、ディアドラ、モズカッチャン、ペルシアンナイト、ブラストワンピース、ノームコア、ナミュール、アルマヴェローチェが1勝ずつ。ニシノデイジーの2勝は障害の中山大障害だ。
ハービンジャー産駒は重馬場に強い?
JRAのGⅠの勝ちで見ると、11勝のうち良馬場が8勝、稍重が2勝、重が1勝(2017年秋華賞のディアドラ)で、不良はない。道悪の3勝は2017〜2018年の3頭によるもので、数が少なく、GⅠ勝ちからは重馬場に強いとまでは言えない。
ハービンジャー産駒の距離適性は?
JRAのGⅠの勝ちで見ると、平地の9勝のうち芝1600mが4勝で最も多い。ほかは芝2000mが2勝、芝2200m・2400m・2500mが1勝ずつで、障害の芝4100mも2勝している。芝1200mのGⅠの勝ちはないが、勝ち鞍が少ないため、短い距離が合わないとまでは言えない。
ハービンジャーの血統は?
父Dansili、母Penang Pearl(母の父Bering)。2006年3月12日生まれの英国産の鹿毛で、2010年に英国のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(GⅠ・芝12ハロン)を勝った。海外で9戦6勝。
ハービンジャーは2026年の種牡馬リーディングで何位?
JRAの種牡馬リーディング(賞金順)で40位(2026年11月2日現在)。最高は2018年の5位で、2023年と2024年は8位だった。2025年は上位20頭に入っていない。
次に読む種牡馬の産駒の特徴ドゥラメンテ産駒の特徴と血統|GⅠ馬9頭・15勝の距離と内訳

血統・種牡馬

血統・種牡馬の記事をすべて見る(29本)→

新着記事