競馬

ダートの重馬場に強い血統は?重・不良のダート重賞を勝った馬の父一覧【2016〜2025年】

ダートの重馬場に強い血統は?重・不良のダート重賞を勝った馬の父一覧【2016〜2025年】

この記事の要点

  • 2016〜2025年のJRAのダート重賞(GⅠ・JpnⅠを含む)152レースのうち、重は17レース、不良は9レースの計26レース(約17%)で、およそ6レースに1レースの割合だった
  • 26レースの勝ち馬(25頭)の父で最も多いのは、ヘニーヒューズとマジェスティックウォリアーの3勝(どちらも3頭)。パイロ、キズナ、スマートファルコンが2勝で続き、スマートファルコンの2勝はオーヴェルニュ1頭によるもの
  • 母の父では、アグネスタキオンが3勝で最も多く、キングカメハメハ、マンハッタンカフェ、タニノギムレットが2勝で続く
  • 数えたのは勝ち馬だけで、出走したすべての馬の父と比べていないため、どの父が重・不良に強いかという傾向までは言えない
目次
  1. ダートの重・不良とは|踏むと水がにじむ馬場と、水が浮く馬場
  2. 2016〜2025年のダート重賞の馬場|重・不良は26レース
  3. 重・不良のダート重賞を勝った馬と父・母の父の一覧
  4. 2頭以上が勝った父・母の父
  5. 芝の重馬場の血統との違い
  6. まとめ

重・不良のダート重賞を勝った馬の父(種牡馬)で最も多いのは、ヘニーヒューズとマジェスティックウォリアーの3勝だ(2016〜2025年のJRAのダート重賞で、重・不良だった26レース)。どちらも別々の3頭で勝っている。母の父ではアグネスタキオンの3勝が最も多い。本記事では、26レースの勝ち馬と人気・父・母の父の一覧、152レースの馬場の内訳、一覧から数えた父・母の父の勝ち数を、JRAのレース結果と競走馬のページでまとめる。

ダートの重・不良とは|踏むと水がにじむ馬場と、水が浮く馬場

JRAの馬場状態は、乾いた順に良・稍重・重・不良の4段階で、芝とダートで別々に発表される。ダートの場合、砂を握って団子状に固まるのが稍重。重は表面に水は浮いていないが踏むと水がにじみ出る状態、不良は表面や足跡に水が浮いている状態をいう。本記事では、重と不良を合わせて「重・不良」として数える。

ダートの表層は約9cmのクッション砂で、含水率の目安は全場で共通だ。JRAの目安では、重はおおむね11〜16%、不良は14%以上とされている(2026年10月時点)。決まり方や芝との違い、含水率の見方は、馬場状態とは?良・稍重・重・不良の違いとクッション値・含水率の見方にまとめている。

2016〜2025年のダート重賞の馬場|重・不良は26レース

2016〜2025年に行われたJRAのダートの重賞は、GⅠのフェブラリーSとチャンピオンズC、2018年に京都で行われたJBCの3競走(JpnⅠ。JBCスプリント・JBCクラシック・JBCレディスクラシック)を含めて152レース。発表された馬場状態の内訳は次のとおりだ。地方競馬のダートグレード競走は対象外で、ダートの重賞の格付けについてはダートグレード競走(交流重賞)とはにある。

馬場 レース数 割合
良 100 66%
稍重 26 17%
重 17 11%
不良 9 6%
計 152

重・不良は合わせて26レースで、全体の約17%、およそ6レースに1レースの割合になる。稍重まで含めると52レースで、152レースの3分の1あまりだ。GⅠ・JpnⅠは23レースのうち重が2レース(2016年・2022年のフェブラリーS)で、残る21レースは良だった。

年ごとの差は大きい。2018年は17レースのうち重が3、不良が3の6レースが重・不良だった。2021年も重4・不良1の5レースあった。一方、2017年と2019年は1レースずつしかない。

レース別では、エルムS・アンタレスS・ユニコーンS・東海Sが3回ずつで最も多い。10年で一度も重・不良にならなかったのは、中京ダート1800mのチャンピオンズCと、中山ダート1200mのカペラSの2つ。競馬場別では東京が7回で最も多く、阪神と京都が4回ずつ、札幌と中京が3回ずつで続く。距離は1800mの12レースが最も多く、1600mが6レースだ。

重・不良のダート重賞を勝った馬と父・母の父の一覧

重・不良で行われた26レースの勝ち馬と、父・母の父は次のとおり。父と母の父は、JRAの競走馬のページの表記に合わせている。フェブラリーSはGⅠ、東海SはGⅡ、ほかはGⅢだ。

年 レース 競馬場・距離 馬場 勝ち馬(人気) 父 母の父
2016 フェブラリーS 東京ダ1600m 重 モーニン(2番人気) Henny Hughes Distorted Humor
2016 武蔵野S 東京ダ1600m 重 タガノトネール(8番人気) ケイムホーム キングカメハメハ
2017 エルムS 札幌ダ1700m 重 ロンドンタウン(4番人気) カネヒキリ Honour and Glory
2018 根岸S 東京ダ1400m 重 ノンコノユメ(6番人気) トワイニング アグネスタキオン
2018 アンタレスS 阪神ダ1800m 不良 グレイトパール(1番人気) キングカメハメハ デヒア
2018 ユニコーンS 東京ダ1600m 重 ルヴァンスレーヴ(1番人気) シンボリクリスエス ネオユニヴァース
2018 プロキオンS 中京ダ1400m 不良 マテラスカイ(5番人気) Speightstown Rahy
2018 エルムS 札幌ダ1700m 重 ハイランドピーク(2番人気) トーセンブライト ゼンノロブロイ
2018 シリウスS 阪神ダ2000m 不良 オメガパフューム(2番人気) スウェプトオーヴァーボード ゴールドアリュール
2019 ユニコーンS 東京ダ1600m 重 ワイドファラオ(3番人気) ヘニーヒューズ アグネスタキオン
2020 東海S 京都ダ1800m 重 エアアルマス(2番人気) Majestic Warrior Empire Maker
2020 レパードS 新潟ダ1800m 不良 ケンシンコウ(7番人気) パイロ クリプティックラスカル
2021 東海S 中京ダ1800m 不良 オーヴェルニュ(2番人気) スマートファルコン タニノギムレット
2021 アンタレスS 阪神ダ1800m 重 テーオーケインズ(1番人気) シニスターミニスター マンハッタンカフェ
2021 平安S 中京ダ1900m 重 オーヴェルニュ(2番人気) スマートファルコン タニノギムレット
2021 ユニコーンS 東京ダ1600m 重 スマッシャー(7番人気) マジェスティックウォリアー キングカメハメハ
2021 プロキオンS 小倉ダ1700m 重 メイショウカズサ(9番人気) カジノドライヴ コロナドズクエスト
2022 フェブラリーS 東京ダ1600m 重 カフェファラオ(2番人気) American Pharoah More Than Ready
2022 マーチS 中山ダ1800m 重 メイショウハリオ(2番人気) パイロ マンハッタンカフェ
2023 マーチS 中山ダ1800m 不良 ハヤブサナンデクン(5番人気) ゴールドアリュール クロフネ
2023 アンタレスS 阪神ダ1800m 重 プロミストウォリア(1番人気) マジェスティックウォリアー フジキセキ
2023 エルムS 札幌ダ1700m 不良 セキフウ(6番人気) ヘニーヒューズ Kingmambo
2024 東海S 京都ダ1800m 重 ウィリアムバローズ(2番人気) ミッキーアイル シンボリクリスエス
2024 みやこS 京都ダ1800m 重 サンライズジパング(3番人気) キズナ Zoffany
2025 レパードS 新潟ダ1800m 不良 ドンインザムード(5番人気) アジアエクスプレス アグネスタキオン
2025 みやこS 京都ダ1800m 不良 ダブルハートボンド(2番人気) キズナ Smoke Glacken

※外国産馬の父はJRAでは英名で載るため、表ではモーニンの父を「Henny Hughes」、エアアルマスの父を「Majestic Warrior」と英名のままにした。数えるときは、それぞれヘニーヒューズ、マジェスティックウォリアーと同じ馬としてまとめている

勝ち馬は25頭で、オーヴェルニュが2021年に東海S(不良)と平安S(重)の2つを勝った。外国で生まれた馬は、モーニン、マテラスカイ、エアアルマス、カフェファラオの4頭で、いずれもアメリカ産。残る21頭は日本産だ。

1〜3番人気が16勝、1番人気は4勝

勝ち馬の人気は、1番人気が4勝、2番人気が10勝、3番人気が2勝で、1〜3番人気で26レースのうち16勝した。重だった2回のフェブラリーSは、どちらも2番人気が勝っている。1番人気の4勝のうち3勝はアンタレスSで、重・不良だった3回(2018年・2021年・2023年)はすべて1番人気が勝っている。最も人気がなかった勝ち馬は、2021年のプロキオンSのメイショウカズサ(9番人気)だ。

2頭以上が勝った父・母の父

父ではヘニーヒューズとマジェスティックウォリアーが3勝

26レースの勝ち馬の父を数えると、2勝以上したのは次の5頭。1勝の父は14頭だ。

父 勝利数 勝ったレース(馬場)と勝ち馬
ヘニーヒューズ 3勝 2016年 フェブラリーS(重)モーニン、2019年 ユニコーンS(重)ワイドファラオ、2023年 エルムS(不良)セキフウ
マジェスティックウォリアー 3勝 2020年 東海S(重)エアアルマス、2021年 ユニコーンS(重)スマッシャー、2023年 アンタレスS(重)プロミストウォリア
パイロ 2勝 2020年 レパードS(不良)ケンシンコウ、2022年 マーチS(重)メイショウハリオ
キズナ 2勝 2024年 みやこS(重)サンライズジパング、2025年 みやこS(不良)ダブルハートボンド
スマートファルコン 2勝 2021年 東海S(不良)、2021年 平安S(重)。どちらもオーヴェルニュ

ヘニーヒューズとマジェスティックウォリアーは、どちらも別々の3頭で3勝した。ヘニーヒューズの3勝のうち1勝はGⅠのフェブラリーSだ。パイロとキズナは別々の2頭で2勝、スマートファルコンはオーヴェルニュ1頭で2勝している。キズナは、2024年と2025年のみやこSを続けて別の産駒で勝っている。

ただし、数えたのは26レースの勝ち馬だけで、出走したすべての馬の父と比べていないため、ここからどの父が重・不良に強いかという傾向までは言えない。

母の父ではアグネスタキオンが3勝

母の父で2勝以上したのは次の4頭。

母の父 勝利数 勝ち馬(レース・馬場)
アグネスタキオン 3勝 ノンコノユメ(2018年 根岸S・重)、ワイドファラオ(2019年 ユニコーンS・重)、ドンインザムード(2025年 レパードS・不良)
キングカメハメハ 2勝 タガノトネール(2016年 武蔵野S・重)、スマッシャー(2021年 ユニコーンS・重)
マンハッタンカフェ 2勝 テーオーケインズ(2021年 アンタレスS・重)、メイショウハリオ(2022年 マーチS・重)
タニノギムレット 2勝 オーヴェルニュ(2021年 東海S・不良、平安S・重)

父と母の父の両方に名前が出るのは、キングカメハメハ(父で1勝、母の父で2勝)、シンボリクリスエス(父で1勝、母の父で1勝)、ゴールドアリュール(父で1勝、母の父で1勝)の3頭。キングカメハメハ産駒のJRAのGⅠの成績は、キングカメハメハ産駒の特徴と血統にまとめている。

芝の重馬場の血統との違い

芝については、2008年から2026年10月の菊花賞までに重・不良で行われたJRAのGⅠ24回の勝ち馬の父を、重馬場に強い血統は?道悪のGⅠを勝った種牡馬(父)一覧で数えている。そちらで2勝だったハーツクライ、エピファネイア、ロードカナロアは、ダートの26レースの父には出てこない。

両方の一覧に父として名前があるのは、Speightstown、シンボリクリスエス、ゴールドアリュールの3頭で、どちらも1勝ずつだ。Speightstownは芝で2020年の高松宮記念(重)のモズスーパーフレア、ダートで2018年のプロキオンS(不良)のマテラスカイ。シンボリクリスエスは芝で2013年の菊花賞(不良)のエピファネイア、ダートで2018年のユニコーンS(重)のルヴァンスレーヴ。ゴールドアリュールは芝で2022年の高松宮記念(重)のナランフレグ、ダートで2023年のマーチS(不良)のハヤブサナンデクンが勝った。芝はGⅠだけ、ダートはGⅠ〜GⅢと、数えた範囲や期間が違う点には注意したい。

まとめ

2016〜2025年のJRAのダート重賞(GⅠ・JpnⅠを含む)152レースのうち、重は17レース、不良は9レースで、合わせて約17%だった。重・不良の26レースを勝った馬の父で最も多いのは、ヘニーヒューズとマジェスティックウォリアーの3勝で、パイロ、キズナ、スマートファルコン(オーヴェルニュ1頭で2勝)の2勝が続く。母の父ではアグネスタキオンの3勝が最も多い。当日のダートの馬場状態と含水率は、JRAの「馬場情報」で確かめられる(2026年10月時点)。

よくある質問

ダートの重馬場に強い血統(種牡馬)は?
2016〜2025年のJRAのダート重賞(GⅠ・JpnⅠを含む)で重・不良だった26レースでは、ヘニーヒューズとマジェスティックウォリアーの産駒が、それぞれ別々の3頭で3勝して最も多い。パイロとキズナが別々の2頭で2勝、スマートファルコンがオーヴェルニュ1頭で2勝している。勝ち馬だけを数えた結果のため、重・不良に強い父とまでは言えない。
重・不良のダート重賞を勝った馬の母の父で多いのは?
アグネスタキオンの3勝(2018年根岸Sのノンコノユメ、2019年ユニコーンSのワイドファラオ、2025年レパードSのドンインザムード)が最も多い。キングカメハメハ、マンハッタンカフェ、タニノギムレットが2勝で続く。
ダート重賞が重・不良になるのはどのくらい?
2016〜2025年のJRAのダート重賞(GⅠ・JpnⅠを含む)152レースでは、良が100、稍重が26、重が17、不良が9だった。重・不良は合わせて26レースで、全体の約17%にあたる。
重・不良のダート重賞が多かった年は?
2016〜2025年では2018年が最も多く、17レースのうち6レース(重3、不良3)が重・不良だった。次いで2021年が15レースのうち5レース(重4、不良1)。2017年と2019年は1レースずつだった。

新着記事