牝馬三冠の歴代一覧|何頭いる?無敗の馬・騎手・父と3レースの条件

この記事の要点
- 牝馬三冠は、同じ年に桜花賞・オークス・秋華賞を勝つこと。達成した馬は2026年の秋華賞までに7頭で、最初は1986年のメジロラモーヌ、最後は2023年のリバティアイランド
- 無敗で達成したのは、2020年のデアリングタクト(5戦5勝)だけ
- 三冠目は1995年までエリザベス女王杯で、1996年に秋華賞へ変わった。エリザベス女王杯の時代の達成はメジロラモーヌ1頭、秋華賞になってからは6頭
- 三冠のあとにJRAのGⅠを勝ったのは、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイの3頭
目次
牝馬三冠は、同じ年に桜花賞・オークス・秋華賞の3つを勝つことで、達成した馬は2026年の秋華賞までに7頭いる。最初は1986年のメジロラモーヌ、最後は2023年のリバティアイランドで、無敗で達成したのは2020年のデアリングタクトだけだ。本記事では、7頭を年・騎手・調教師・父で一覧にし、三冠目のレースの中身、三冠目が変わった歴史、2冠で止まった馬、達成後のGⅠをまとめる。
牝馬三冠とは:桜花賞・オークス・秋華賞
牝馬三冠は、3歳の牝馬だけが走る次の3つのGⅠを指す。3歳のときしか出られないので、チャンスは1頭に1回だけだ。
| レース | 時期 | 競馬場・距離 | 1着賞金 | 第1回 | 2026年の回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 桜花賞 | 4月 | 阪神 芝1600m | 1億4,000万円 | 1939年 | 第86回 |
| オークス(優駿牝馬) | 5月 | 東京 芝2400m | 1億5,000万円 | 1938年 | 第87回 |
| 秋華賞 | 10月 | 京都 芝2000m | 1億1,000万円 | 1996年 | 第31回 |
時期・競馬場・距離・賞金は2026年のもの。距離は桜花賞からオークスで800m延び、秋華賞で400m縮む。オークスから秋華賞までは5カ月あく。
クラシックと呼ばれるのは桜花賞とオークスの2つで、秋華賞はクラシックに入らない。第1回の年も、秋華賞だけ半世紀以上あとになる。JRAのGⅠ全体の条件はJRAのGⅠ一覧にまとめている。
牝馬三冠馬の歴代一覧(7頭)
2026年の秋華賞までに牝馬三冠を達成した7頭は次のとおり。騎手は三冠目の騎手だ。
| 年 | 馬名 | 三冠目 | 騎手 | 調教師 | 父 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1986年 | メジロラモーヌ | エリザベス女王杯 | 河内洋 | 奥平真治 | モガミ |
| 2003年 | スティルインラブ | 秋華賞 | 幸英明 | 松元省一 | サンデーサイレンス |
| 2010年 | アパパネ | 秋華賞 | 蛯名正義 | 国枝栄 | キングカメハメハ |
| 2012年 | ジェンティルドンナ | 秋華賞 | 岩田康誠 | 石坂正 | ディープインパクト |
| 2018年 | アーモンドアイ | 秋華賞 | C.ルメール | 国枝栄 | ロードカナロア |
| 2020年 | デアリングタクト | 秋華賞 | 松山弘平 | 杉山晴紀 | エピファネイア |
| 2023年 | リバティアイランド | 秋華賞 | 川田将雅 | 中内田充正 | ドゥラメンテ |
1986年から次のスティルインラブまでは17年あいたが、2010年から2023年の14年で5頭が出た。2024年から2026年までは達成した馬がいない。2026年の勝ち馬はスターアニス(桜花賞)、ジュウリョクピエロ(オークス)、モンローウォーク(秋華賞)で、2冠の馬も出ていない。
騎手は7人とも違い、調教師で2回達成したのは国枝栄調教師だけだ。2010年のオークスは、アパパネとサンテミリオンの1着同着だった。JRAのGⅠで初めての1着同着で、同着でも1冠に数える。
父を見ると、ジェンティルドンナの父ディープインパクトは2005年の三冠馬で、三冠馬の歴代一覧に入っている。アパパネの父キングカメハメハは、アーモンドアイの父ロードカナロアとリバティアイランドの父ドゥラメンテの父でもあり、7頭のうち3頭がこの父系になる。
三冠目のレースの内容
三冠がかかった最後のレースは、7頭とも京都で行われた。
| 年 | 馬名 | タイム | 単勝(人気) | 2着馬 | 着差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1986年 | メジロラモーヌ | 2分29秒1 | 1.3倍(1番人気) | スーパーショット | 1/2馬身 |
| 2003年 | スティルインラブ | 1分59秒1 | 3.2倍(2番人気) | アドマイヤグルーヴ | 3/4馬身 |
| 2010年 | アパパネ | 1分58秒4 | 2.3倍(1番人気) | アニメイトバイオ | 3/4馬身 |
| 2012年 | ジェンティルドンナ | 2分0秒4 | 1.3倍(1番人気) | ヴィルシーナ | ハナ |
| 2018年 | アーモンドアイ | 1分58秒5 | 1.3倍(1番人気) | ミッキーチャーム | 1馬身1/2 |
| 2020年 | デアリングタクト | 2分0秒6 | 1.4倍(1番人気) | マジックキャッスル | 1馬身1/4 |
| 2023年 | リバティアイランド | 2分1秒1 | 1.1倍(1番人気) | マスクトディーヴァ | 1馬身 |
1986年のエリザベス女王杯は芝2400m、ほかの6回は秋華賞の芝2000m。1番人気でなかったのはスティルインラブだけで、1番人気はアドマイヤグルーヴだった。
着差が最も小さいのは2012年のジェンティルドンナで、ヴィルシーナとハナ差。ヴィルシーナは、この年の桜花賞・オークスでもジェンティルドンナの2着だった。
無敗で達成した馬は?
無敗で牝馬三冠を達成したのは、2020年のデアリングタクト1頭だ。新馬、エルフィンステークス、桜花賞、オークス、秋華賞と5戦5勝で、JRAも2020年のレース成績で史上初の無敗の牝馬三冠としている。5戦は、下の表の6頭で最も少ない。
| 年 | 馬名 | 秋華賞を勝った時点の戦績 |
|---|---|---|
| 2003年 | スティルインラブ | 7戦5勝 |
| 2010年 | アパパネ | 9戦6勝 |
| 2012年 | ジェンティルドンナ | 8戦6勝 |
| 2018年 | アーモンドアイ | 6戦5勝 |
| 2020年 | デアリングタクト | 5戦5勝 |
| 2023年 | リバティアイランド | 6戦5勝 |
1986年のメジロラモーヌは、JRAのレース成績に当時の戦績が載っていないため表から外した。
デアリングタクトの2020年は、コントレイルが無敗の三冠馬になった年でもある。同じ年に牡馬と牝馬の両方で無敗の三冠が出たのは、この年だけだ。
牝馬三冠馬の生産牧場と馬主は?
| 馬名 | 生産牧場 | 馬主 |
|---|---|---|
| スティルインラブ | 下河辺牧場 | ノースヒルズマネジメント |
| アパパネ | ノーザンファーム | 金子真人ホールディングス |
| ジェンティルドンナ | ノーザンファーム | サンデーレーシング |
| アーモンドアイ | ノーザンファーム | シルクレーシング |
| デアリングタクト | 長谷川牧場 | ノルマンディーサラブレッドレーシング |
| リバティアイランド | ノーザンファーム | サンデーレーシング |
メジロラモーヌを除く6頭のうち4頭がノーザンファームの生産で、馬主はサンデーレーシングが2頭。デアリングタクトは日高町の長谷川牧場の生産だ。
三冠目が変わった歴史
三冠目のレースは、ずっと秋華賞だったわけではない。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1938年 | オークスの第1回 |
| 1939年 | 桜花賞の第1回 |
| 1970年 | 3歳牝馬の三冠の最後のレースとして、ビクトリアカップが始まる |
| 1976年 | ビクトリアカップがエリザベス女王杯に改称。京都の芝2400mで、3歳牝馬だけのレース |
| 1986年 | メジロラモーヌが桜花賞・オークス・エリザベス女王杯を勝つ |
| 1996年 | 秋華賞の第1回。エリザベス女王杯は3歳以上の牝馬のレースになり、芝2200mに縮まる |
| 2003年 | スティルインラブが秋華賞で初めて三冠を達成 |
いまのエリザベス女王杯は3歳以上のレースで、三冠には入らない。エリザベス女王杯が三冠目だった1976年から1995年の20回で達成は1頭、秋華賞になった1996年から2026年の31回で6頭。三冠目の距離が2400mから2000mに変わった点も、当時と今の違いだ。
あと1冠で届かなかった馬(2冠の牝馬)
同じ年に3つのうち2つを勝った牝馬を、JRAの歴代の勝ち馬から数えると次のとおり。「抜けた1冠の勝ち馬」はその年のもう1つのレースの勝ち馬で、2冠の馬がそのレースに出たかどうかはこの表では扱わない。
| 年 | 馬名 | 勝った2冠 | 抜けた1冠の勝ち馬 |
|---|---|---|---|
| 1976年 | テイタニヤ | 桜花賞・オークス | — |
| 1987年 | マックスビューティ | 桜花賞・オークス | タレンティドガール(エリザベス女王杯) |
| 1993年 | ベガ | 桜花賞・オークス | ホクトベガ(エリザベス女王杯) |
| 1997年 | メジロドーベル | オークス・秋華賞 | キョウエイマーチ(桜花賞) |
| 1998年 | ファレノプシス | 桜花賞・秋華賞 | エリモエクセル(オークス) |
| 2001年 | テイエムオーシャン | 桜花賞・秋華賞 | レディパステル(オークス) |
| 2006年 | カワカミプリンセス | オークス・秋華賞 | キストゥヘヴン(桜花賞) |
| 2007年 | ダイワスカーレット | 桜花賞・秋華賞 | ローブデコルテ(オークス) |
| 2009年 | ブエナビスタ | 桜花賞・オークス | レッドディザイア(秋華賞) |
| 2013年 | メイショウマンボ | オークス・秋華賞 | アユサン(桜花賞) |
| 2015年 | ミッキークイーン | オークス・秋華賞 | レッツゴードンキ(桜花賞) |
| 2022年 | スターズオンアース | 桜花賞・オークス | スタニングローズ(秋華賞) |
| 2024年 | チェルヴィニア | オークス・秋華賞 | ステレンボッシュ(桜花賞) |
| 2025年 | エンブロイダリー | 桜花賞・秋華賞 | カムニャック(オークス) |
1976年のエリザベス女王杯の勝ち馬は、JRAの過去GⅠ成績の一覧が1984年からのため「—」にした。同じ理由で、1970年から1983年の、桜花賞かオークスと三冠目のレース(ビクトリアカップ・エリザベス女王杯)の2冠は、この表に入っていない。
秋華賞ができてからの2冠は11頭で、組み合わせは桜花賞・オークスが2頭、桜花賞・秋華賞が4頭、オークス・秋華賞が5頭。秋華賞を含む2冠が9頭で、春の2冠より多い。2024年のチェルヴィニアと2025年のエンブロイダリーは、2年続けて2冠を取っている。
ダイワスカーレットとメイショウマンボは、2冠を取った年のエリザベス女王杯も勝った。
ビクトリアカップができる前や、その時代の桜花賞・オークスの2冠は、次の5頭だ。
| 年 | 馬名 |
|---|---|
| 1952年 | スウヰイスー |
| 1954年 | ヤマイチ |
| 1957年 | ミスオンワード |
| 1964年 | カネケヤキ |
| 1975年 | テスコガビー |
3つ目のレースが始まる1970年より前の4頭は、三冠に挑む形がそもそもなかった。1975年のテスコガビーの年の三冠目はビクトリアカップで、JRAの一覧が1984年からのため、勝ち馬はここに入れていない。
牝馬三冠馬のその後
三冠を達成したあとのGⅠの勝ちは、次のとおり(JRAの平地のGⅠは2026年11月1日の天皇賞(秋)まで)。
| 馬名 | 三冠のあとのJRAのGⅠ | 海外のGⅠ |
|---|---|---|
| メジロラモーヌ | なし | — |
| スティルインラブ | なし | — |
| アパパネ | 2011年 ヴィクトリアマイル | — |
| ジェンティルドンナ | 2012年・2013年 ジャパンカップ、2014年 有馬記念 | 2014年 ドバイシーマクラシック |
| アーモンドアイ | 2018年・2020年 ジャパンカップ、2019年・2020年 天皇賞(秋)、2020年 ヴィクトリアマイル | 2019年 ドバイターフ |
| デアリングタクト | なし | — |
| リバティアイランド | なし | — |
ジェンティルドンナとアーモンドアイは、三冠の年のジャパンカップも勝ち、その年の年度代表馬になった。2頭とも2回選ばれていて、ジェンティルドンナは2012年度と2014年度、アーモンドアイは2018年度と2020年度だ。
7頭の中では、JRAのGⅠの勝ち数はアーモンドアイの8勝が最も多く、ジェンティルドンナが6勝、アパパネが5勝と続く。7頭とも3勝以上で、牝馬のGⅠ最多勝ランキングに入っている。アパパネとリバティアイランドは、三冠の前の年に阪神ジュベナイルフィリーズも勝ち、2歳と3歳でGⅠを4勝した。
通算の獲得賞金(国内、2026年10月31日時点)は、アーモンドアイの15億1,956万3,000円が牝馬の1位で、ジェンティルドンナの13億2,621万円が3位にあたる。
まとめ
牝馬三冠は、同じ年に桜花賞・オークス・秋華賞を勝つことで、達成した馬は2026年の秋華賞までに7頭。メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドで、無敗はデアリングタクトだけだ。三冠目は1995年までエリザベス女王杯、1996年から秋華賞で、達成後もJRAのGⅠを勝ったのはアパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイの3頭だった。
記録と歴代の記事: 三冠馬の歴代一覧、牝馬のGⅠ最多勝ランキング
よくある質問
- 牝馬三冠を達成した馬は何頭いる?
- 7頭(2026年の秋華賞まで)。1986年メジロラモーヌ、2003年スティルインラブ、2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナ、2018年アーモンドアイ、2020年デアリングタクト、2023年リバティアイランド。
- 無敗の牝馬三冠馬はいる?
- 1頭いる。2020年のデアリングタクトで、新馬、エルフィンステークス、桜花賞、オークス、秋華賞と5戦5勝で達成した。
- 牝馬三冠の3つのレースは?
- 桜花賞(阪神 芝1600m)、オークス(東京 芝2400m)、秋華賞(京都 芝2000m)の3つ(2026年)。秋華賞ができる前の1995年までは、エリザベス女王杯が三冠目だった。
- 最後に牝馬三冠を達成した馬は?
- 2023年のリバティアイランド(川田将雅騎手・中内田充正調教師)。2024年から2026年までは、達成した馬が出ていない。
- 牝馬三冠馬が2回以上出た調教師はいる?
- 国枝栄調教師が2回。2010年のアパパネと2018年のアーモンドアイで達成している。騎手は、三冠目の騎手が7頭とも違う。






