ザサンデーフサイチが優駿スタリオンステーションで種牡馬入りすることが分かった。
エアグルーヴの5番目の仔として誕生したザサンデーフサイチは、2004年のセレクトセールで当時の国内史上最高額となる5億1450万円で落札された。競走成績は41戦3勝と振るわなかったが、血統背景が評価されて種牡馬する運びとなった。
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超良血馬
前述のとおり、ザサンデーフサイチは超良血馬だ。父は菊花賞馬のダンスインザダーク、母は牝馬ながら天皇賞秋を制して1997年の年度代表馬となったエアグルーヴだ。エアグルーヴは繁殖牝馬としても優秀で、アドマイヤグルーヴやルーラーシップ、フォゲッタブル、グルヴェイグといった重賞ウィナーを輩出している。
また、すでに繁殖入りしたアドマイヤグルーヴは今年のクラシック戦線にドゥラメンテを送り出している。血統レベルの高さは折り紙つきだ。ザサンデーフサイチが種牡馬入りするのは、ある種当然の流れといってもいい。
競走成績と種牡馬成績は必ずしも比例しない
41戦3勝というキャリアは平凡だ。普通は種牡馬入りなどできない。しかし、これだけの血統だと、可能性にかけたくもなる。
なぜなら、競走馬として優秀だからといって、種牡馬として成功できるとは限らない。言い方を変えると、競走馬として大成できなかったとしても、種牡馬として成功するケースは稀にある。
例えばディープインパクトの全兄ブラックタイドは競走馬時代にGIを勝てなかった。しかし、種牡馬としてキタサンブラックやタガノエスプレッソといった重賞ウィナーを輩出している。また、ザサンデーフサイチの半兄サムライハートは現役時代、1000万条件しか勝てなかった。だが、種牡馬としてはローレルブレットやプレミアムブルーといった馬を輩出。一定の評価を得ている。
さらに海外ではフェアリーキングが有名だ。同馬は現役時代、1勝もできなかったが、大種牡馬サドラーズウェルズの全弟ということで種牡馬入り。すると、凱旋門賞馬エリシオやジャパンカップ馬ファルブラヴらを出して大成功を収めている。
反対にGIを何勝もして種牡馬入りした馬が全くダメだったという話は珍しくない。
通常、この戦績の馬が種牡馬として成功するのはかなり難しい。しかし、血統が恵まれているザサンデーフサイチなら、その可能性もあるのではないか。
鍵は繁殖牝馬
成功へのカギを握るのは、どの程度牝馬が集まるのかということだ。いくら良血といっても、現役時代の成績がひどすぎるため、なかなかいい牝馬は集まらないだろう。その中で結果を出し、地道に牝馬が集めていくのは大変なことだ。
もっとも、返す返す、血は超一流である。その可能性に期待し、今後を見守っていきたい。