娘へ託された夢
ディアデレマドレは母ディアデラノビア同様、キャロットクラブで募集された。募集総額は3200万円で1口8万円。牝馬としては高額だ。それでも人気が非常に高く、すぐに抽選になった。
期待の良血馬は新馬戦を快勝したものの、なかなか目が出なかった。スイートピーステークスで惨敗すると、条件戦でも結果を出せなかった。
しかし、5戦目から藤岡康太騎手に主戦を託すとともに、結果を出し始めた。500万、1000万条件を連勝。格上挑戦となったエリザベス女王杯ではGIの壁に跳ね返されたが、その後はマーメイドステークス、府中牝馬ステークス、愛知杯と重賞を3勝。2回目の挑戦となったエリザベス女王杯では3着となり、GIで十分通用することを証明した。
そして満を持して母が成し遂げられなかったGIのタイトル獲得に向け、ヴィクトリアマイルへ臨んでくる。前哨戦のマイラーズカップでは牡馬に混じりながら上がり31秒9という豪脚を披露した。才能に関しては疑いの余地がない。
自慢の末脚を遺憾なく発揮できれば、頂点が見えてくる。母が娘に託した夢は、現実のものになるのか。娘は母の無念を晴らし、親子にとって初のタイトルを獲得できるのか。
ヴィクトリアマイルではそんな親子の物語に、注目してみてはいかがだろうか?
【文】=神林仁
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