母が成し遂げられなかった夢の続き――。

5月17日に東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(GI/芝1600m)にディアデラマドレが出走する。初のGI制覇をかけるレースは、GI未勝利に終わった母の無念を晴らす舞台でもある。

ディアデラマドレは母ディアデラノビアにビッグタイトルを捧げられるのか? 今回はそんな親子の物語に迫っていく。


手が届かなかった頂

母ディアデラノビアは父サンデーサイレンス、母ポトリザリスという血統。人気一口馬主クラブ、キャロットクラブで総額は3400万円400口、一口8万5千円で募集された良血馬だ。牝馬の中では高額の部類に入り、期待の高さが伺える。

その想いに応えるように、ディアデラノビアは新馬、2戦目と連勝を飾る。チューリップ賞、フィリーズレビューと惜敗が続き桜花賞に駒を進められなかったものの、オークストライアルのフローラステークスに武豊騎手とのコンビで挑み、上がり最速33秒8の末脚を繰り出して見事勝利を収めた。

初めてのGI挑戦となったオークスでは同じキャロットクラブのシーザリオが断然の人気を集めていた。ディアデラノビアは単勝9倍の3番人気。レースでは鋭い末脚を見せたものの、ライバルの豪脚に屈して3着となった。その後、秋を全休すると古馬になってからもGIでは善戦止まり。結局、引退するまでGIは3着が3回。ビッグタイトルを獲得することなく、現役生活を終え、夢は産駒に託されることになった。

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