サトノラーゼンの血統・将来性は?京都新聞杯の覇者を徹底分析

9日に京都競馬場で行われた京都新聞杯(GII/芝2200m)は、好位から先に抜け出したサトノラーゼンが、ポルトドートウィユなどの猛追を抑え勝利。前走はなみずき賞に続く連勝で重賞タイトルを手にし、ダービーへの切符を手にした。

サトノラーゼンの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。


目次

ディープ×ロベルト初の重賞制覇

サトノラーゼンは父ディープインパクト、母トゥーピー、その父インティカブという血統。ディープインパクト産駒による京都新聞杯制覇は、13年のキズナ以来2年ぶりで、12年のトーセンホマレボシと合わせて3勝目となった。前述の2頭はそれぞれ、ダービーで1着、3着と結果を残しており、本馬にも期待がかかる。

英国産の母トゥーピーは、1100mで争われる仏2歳GⅢアランベール賞を制し、仏1000ギニー(日本の桜花賞に相当)で2着した馬だ。その父インティカブは米国産馬で、GⅠ勝ちこそないもののエリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリーなどを輩出した。インティカブの祖父はロベルトであり、母父ロベルト系あるいは母母父ロベルト系のディープインパクト産駒による重賞勝ちは初となった。

母父ロベルト系のディープインパクト産駒は出世馬が少なく、主な産駒としては昨年の七夕賞2着馬のニューダイナスティが挙げられる。サトノラーゼンと共通するのが、キレないディープであるということ。消耗戦となった七夕賞で2着したように、一般的なディープ産駒とは適性の異なるニューダイナスティだが、ラーゼンもここまでのキャリア9戦で1度も上がり最速を記録したことがない馬。ダービーではキレ負けしてしまう可能性が高く、前半で前目のポジションを取らなければ厳しい戦いになるだろう。

将来的にはローカルで?

総合的に判断すると、3歳クラシック戦以降、将来的にはサマー2000シリーズなど、ローカル重賞での活躍が中心になるのではないか。母母父が福島芝に好相性のニジンスキー系カーリアンということを鑑みても、持続力寄りにシフトした血統であり、福島記念や七夕賞に出ることがあれば要注目だ。

【文】=競馬TIMES編集部血統分析班

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