早くも2015年も半分が過ぎて今週から函館開催がスタートする。
いよいよ、本格的な夏競馬が始まる。ローカル開催になると馬のレベルが下がり、騎手の手綱さばき一つで順位が変わってくるケースが多々あるため、騎手に注目したいところだ。
今回はそんな騎手たちの“固め打ち”に注目。よく「一つ勝つと乗ってくる」とか「あの騎手の固め打ちには注意!」という言葉を聞くが、実際にはどうなのだろうか?1月から5月までの集計から、ランキングを作成してみた。
固め打ちの定義
まず固め打ちの定義について。固め打ちとは……
固め打ちとは野球、競馬における用語の一つ。野球におけるものはマルチヒット(※1試合2本以上ヒットを打つこと)。競馬においては短期間に多くの勝利を収めること。(Wikipediaより)
である。ここでは「1日に3勝以上」を固め打ちと定義し、ランク付けしていく。
騎手固め打ちランキングベスト10/2015上半期
1位 戸崎圭太 8回 ※うち5勝3回 4勝2回
1位 福永祐一 8回 ※うち4勝1回
3位 浜中俊 6回 ※うち4勝2回
4位 蛯名正義 5回 ※うち5勝1回 4勝1回
4位 川田将雅 5回 ※うち4勝3回
6位 岩田康誠 4回 ※うち5勝1回
6位 北村宏司 4回
6位 クリストフ・ルメール 4回
6位 クリスチャン・デムーロ 4回
ということで1位には戸崎騎手と福永騎手が輝いた。リーディング上位争いを繰り広げているため、固め打ちが多いのは当然なのだが、特に戸崎騎手は1日5勝を3回、4勝を2回と、固め打ちが目立つ。
注目されるのが北村騎手。騎乗停止によって乗れない日もありリーディングでは20位ながら、4度の固め打ちを記録している。また、川田騎手も5回のうち3回が4勝と、勢いに乗ると手がつけられない傾向が見て取れる。
この2人が午前中に勝った時は、注目してみると面白いかもしれない。
一方、福永騎手は3勝以上が8回あるにもかかわらず、4勝以上挙げたのは1回のみ。
これに関連して、各騎手がどれだけコンスタントに勝ち星を挙げているのか調べてみた。リーディング上位5名が1勝もできなかった日が何日あるか、集計してみると……
戸崎騎手 未勝利17日
福永騎手 未勝利8日
浜中騎手 未勝利17日
岩田騎手 未勝利17日
武豊騎手 未勝利17日
いかがだろうか? 福永騎手が突出して未勝利日が少ないことが分かる。
騎乗馬の質に違いがあるとはいえ、これだけのトップジョッキーになると人気薄ばかりに乗る日というのはそうそうない。となると、福永騎手がいかに高いアベレージで勝っているかが分かる。
爆発的な騎乗をしないながらも、コンスタントに勝ち鞍を重ねていく。そんな福永騎手を象徴するような成績と言えるのではないだろうか。他の騎手は多かれ少なかれ波がある中、安定した騎乗を続けているあたりが、有力馬から声がかかり続ける理由かもしれない。
さて、このランキングが半年後にどのような結果になっているのか。また、集計してみたい。
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