キャリアのスタートは華々しかった。
新馬戦、札幌2歳ステークスを連勝し、3戦目に挑んだ阪神ジュベナイルフィリーズでハープスターを撃破。GI馬の仲間入りを果たした。明け3歳の桜花賞でも2着となり、彼女の将来が明るいものになると誰もが考えたはずだ。
しかし、以降の道のりは決して平坦ではなかった。今回はそんなレッドリヴェールの“現在地”に迫っていこう。
狂った歯車
桜花賞を終え、陣営はオークスではなく、日本ダービーへの参戦を表明した。秋に凱旋門賞への挑戦を見据えたローテーションだった。
ところが、ここから歯車が狂いだす。
牝馬として64年ぶりにダービーを制したウオッカ以来の勝利を目指したが、420キロの小柄な馬体は馬群に沈み、12着に終わった。馬格の小ささは大きなネックとなり、輸送減りすることも分かった。凱旋門賞への挑戦を断念したことは、ご存知の通りだろう。
心機一転、秋は3歳牝馬の王道路線を歩んだが、休み明けのローズステークスで6着に敗れると、秋華賞でも6着止まり。さらにエリザベス女王杯では16着に沈み、見どころのないレースが続いた。
「レッドリヴェールは終わってしまったのか?」。そんな声が聞こえてくるほど、1年前にGI馬となった華々しい姿は霞んでしまっていた。
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