5月31日に東京競馬場で行われた日本ダービー(GI/芝2400m)は11万人を超える観客の前でドゥラメンテがクラシック2冠を達成した。
終わってみれば絶対能力の違い、現時点での完成度の高さでドゥラメンテが1強を証明した形となった。
今回は以前に紹介した仮説の回顧と、血統面を中心にドゥラメンテを分析していきたい。
オークスとダービーの血統連動説の証明
5月20日の記事で『オークスとダービーの血統連動説』を紹介させて頂いた。
●詳細→日本ダービーとオークスの黄金配合と“血統連動説”って?
簡単に概要をまとめると、オークス好走馬の父の産駒がダービーでも連動して走っているという内容だった。これを踏まえると今年のオークスは……
1着 ミッキークイーン(父ディープインパクト)
2着 ルージュバック(父マンハッタンカフェ)
3着 クルミナル(父ディープインパクト)
だった。一方、ダービーはというと……
1着 ドゥラメンテ(父キングカメハメハ)
2着 サトノラーゼン(父ディープインパクト)
3着 サトノクラウン(父マルジュ)
結果、サトノラーゼンが2着に入り、今年も血統連動説を証明することができた。
この仮説の良いところは、血統に詳しくない方でも競馬新聞さえあれば使えるということ。ニックスやクロスといった難しい部分を排除し、オークスの結果をみながら好走した種牡馬と同じ馬を自動的に抽出できる。
ぜひ、来年のダービーでも予想ファクターの一つとしてご一考頂きたい。
ドゥラメンテの血統・配合について
続いてドゥラメンテについて書いていこう。
ドゥラメンテ(牡3)
父キングカメハメハ(キングマンボ系)
母アドマイヤグルーヴ
母父サンデーサイレンス(サンデー系)
ドゥラメンテと同じ配合でダービーを好走したのは、11年3着のベルシャザール(キンカメ×サンデー)がいる。ただこの年は不良馬場で行われていた。後方から追い込んだオルフェーヴル(上がり34秒8)やウインバリアシオン(上がり34秒7)と違い、ベルシャザール(上がり36秒7)は道中5番手から粘りこんだ競馬だった。
同じ配合でもドゥラメンテとはキャラが違うわけだ。似ているのは10年にダービーを制したエイシンフラッシュ(父King’s Bestで同じキングマンボ系)である。両馬とも極上の切れ味を持っていて、瞬発力勝負を得意としている。
また曾祖母ダイナカール(オークス)、祖母エアグルーヴ(オークス・天皇賞秋)、母アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯2連覇)といった名牝をみると、3歳だけでなく古馬になってからも成長が期待できる。
今までのレースで見せていた気性の悪さも、ミルコ・デムーロ騎手の手綱さばきや厩舎スタッフのケアによって影を潜めていた。
極上の切れ味に今後の成長力や気性面の改善を踏まえると、間違いなく日本競馬界の宝となる存在だろう。
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