カテゴリー:回顧

(C)だわさの写真館

混戦のマイル王決定戦を制したのは、桜花賞で苦杯をなめた牝馬だった。

5月7日に東京競馬場で行われたNHKマイルカップ(GI/芝1600m)で、2番人気のクロフネ産駒アエロリット(牝3)が、13番人気のリエノテソーロ(牝3)を押さえて勝利した。1番人気のカラクレナイ(牝3)は17着に終わった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 5月 7日(日) 2回東京6日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第22回NHKマイルカップ
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 1600m 18頭立

馬名S性齢
16アエロリット牝32
14リエノテソーロ牝313
6ボンセルヴィーソ牡36
15レッドアンシェル牡37
11オールザゴー牡316
8タイムトリップ牡310
12ミスエルテ牝35
13トラスト牡317
1モンドキャンノ牡33
1010ディバインコード牡311
115プラチナヴォイス牡38
127ジョーストリクトリ牡39
133アウトライアーズ牡34
142キョウヘイ牡314
159タイセイスターリー牡315
1617ナイトバナレット牡318
174カラクレナイ牝31
1818ガンサリュート牡312

LAP 12.4-10.9-11.2-11.6-11.8-11.3-11.3-11.8
通過 34.5-46.1-57.9-69.2
上り 69.0-57.8-46.2-34.4
平均 1F:11.54 / 3F:34.61

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.4-10.9-11.2-11.6-11.8-11.3-11.3-11.8

この週の東京は時計が早く、プリンシパルステークスでもレースレコードが出ていた。淀みのないペースで流れて1分32秒台で決着したのもうなづける。


注目したいのは上がりのタイムだ。時計が出る馬場にも関わらず、上がりは34秒台だった。他のレースでは上がり32秒台が出ていたことを考えると、もっと出てもおかしくなかった。にもかかわらず34秒台にとどまったのは、それだけ道中のペースが流れてタフな展開になったから、と言えるだろう。

馬場自体は前有利だったため先行馬が残る形になったが、十分に差しも届くような展開だっただけに、割とフラットなレースになったのではなかったか。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 アエロリット

抜群のスタートから好位をキープし、そのまま押し切るという王道の競馬だった。最後の直線では一時リエノテソーロに詰め寄られながら、しっかりと振り切る勝負根性を見せた。

多くの人が「桜花賞は何だったんだ」と思ったに違いない。

それにしても横山典弘という騎手は本当にわからないものだ。好スタートを切ったのだから、もっと内に入れてロスのない競馬を選択することはできた。にもかかわらず、内に入れることはなく、コーナーは内ラチから4、5頭目を通るロスの多い競馬だった。通常であれば考えられないような乗り方ではあるが「勝てば官軍」ということで、この競馬が正解だったということなのだろう。

クロフネ産駒ということで距離の限界はあるはず。今後はマイル以下の路線で活躍していくことになるだろう。下手に距離を伸ばそうとしなければ、今後も活躍していけるのではないか。

2着 リエノテソーロ

まさかまさかの2着。この馬も外枠からロスの多い競馬だったが、最後は差し切らんと言わんばかりに伸びてきた。ダートGI馬ということで、どうしてもダート馬というイメージが付いていたが、思い起こせば芝のスプリント戦で2連勝、アネモネステークスでも4着となっていたのだから、完全なダート馬ではなかったということだ。

今後はどの路線にいくか、検討中だろうが、芝でここまで走れるのであれば素直に芝を選択肢たほうがよさそうだ。馬体重が450キロ程度しかないため、ダートの重賞路線で活躍することはかなり厳しいと考えられる。まずは芝で戦績を重ね、難しければ再びダートに活躍の場を求めればいいのではないか。

3着 ボンセルヴィーソ

ダイワメジャー産駒らしい先行力と粘りで3着を確保した。馬場自体は前に有利だったものの、ペースはそこまで緩まなかったため、単なる先行馬の粘り込みで片付けるのはかわいそう。それなりに評価していいレースだった。

4着 レッドアンシェル

五分のスタートだったが、ポジションは後方に。もともと追走するのが得意ではない馬のため、ある程度致し方なかったが、結果として位置取りが上位勢との差になった。福永祐一騎手も「前が残る馬場で差し馬には厳しかったですが、そんな中、差し込んできたのはこの馬だけです。よく頑張っています」と話している。


ただし、もし前の残る馬場と分かっていたのなら、もう少し位置取りを気にしてもよかったのでは?

5着 オールザゴー

6着 タイムトリップ

7着 ミスエルテ

この日は位置取りがすべてだった。さすがに4コーナーで13番手からでは届かない。

8着 トラスト

9着 モンドキャンノ

いいスタートから好位をキープし、絶好の競馬をした。クリストフ・ルメール騎手も「いいスタートを切ってリラックスして走れていましたし、折り合いもついていました。息も入りましたが、全然反応してくれませんでした。わかりません」と話していたほど。

おそらくここまで反応がなかったというのは、距離の問題である可能性が高い。キンシャサノキセキ×サクラバクシンオーという短距離血統のため、直線が長くてごまかしが効かない府中のマイルGIは厳しかったのではないか。

今後は距離を縮めてどこまでやれるか、見てみたいところ。

10着 ディバインコード

11着 プラチナヴォイス

12着 ジョーストリクトリ

13着 アウトライアーズ

位置取りが悪かったのがすべて。また、上位勢のほとんどが1400m以下で実績があったように、短距離馬向けの流れになったと考えられる。中距離を経験してきたこの馬にとって、追走するだけでも一苦労、といった流れだったはずだ。

距離を伸ばして改めて見てみたいところ。

14着 キョウヘイ

15着 タイセイスターリー

16着 ナイトバナレット

17着 カラクレナイ

悪くない競馬だったように思うが、全く反応がなく、ズルズル後退していくだけだった。もし安直に敗因を求めるなら距離の長さだろうか。ただし、桜花賞で4着だったように、体力的な問題があったようには考えづらいが……。

18着 ガンサリュート



5月6日に東京競馬場で行われた日本ダービートライアルのプリンシパルステークス(OP/芝2000m)で、1番人気のキングカメハメハ産駒ダイワキャグニー(牡3)が、2番人気のレッドローゼス(牡3)を押さえて勝利した。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 5月 6日(土) 2回東京5日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 プリンシパルS
3歳・オープン(馬齢) (混)(指定) 芝 2000m 12頭立

馬名S性齢
8ダイワキャグニー牡31
1レッドローゼス牡32
7ロードアルバータ牡38
3エトルディーニュ牡37
9ニシノアップルパイ牡39
11チャロネグロ牡36
4スイーズドリームス牡35
5ヘリファルテ牡34
12マイネルラプティス牡310
1010スズカメジャー牡33
116コパノミザール牡312
122マイネルユニブラン牡311

LAP 12.8-11.2-11.4-11.8-11.8-11.7-11.5-11.2-12.5-12.4
通過 35.4-47.2-59.0-70.7
上り 71.1-59.3-47.6-36.1
平均 1F:11.83 / 3F:35.49

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.8-11.2-11.4-11.8-11.8-11.7-11.5-11.2-12.5-12.4

東京競馬場は時計が出やすい馬場だった。しかし、それにしても評価に値するタイム、レース内容だったと考えていいだろう。

マイネルユニブランがハナを切ってペースを引っ張ると、1000m通過は59秒というハイペースに。しかも最初と残りの2ハロンを除き、ラップタイムはすべて11秒台を刻んだ。非常にタフになり、実力が問われる展開になったと考えていい。


よって、上位人気馬のワンツーという決着は当然の結果といえる。この2頭は十分に評価していいだろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ダイワキャグニー

スタートから好位につけて早めに抜け出して押し切るという王道の競馬だった。最後はさすがにバテてしまったが、先行した馬たちが総崩れとなった中で0.4秒差の1着ならしっかりと評価すべきだろう。

もともとセントポーリア賞では高いパフォーマンスを示していたし、東京が得意なタイプの馬だ。

さすがにダービーは相手が強くなって厳しい可能性が高いものの、可能性を見出したくなるレース内容ではあった。

2着 レッドローゼス

一時はダイワキャグニーをかわそうかという勢いだったが、最後は脚が上がった。コーナーでダイワキャグニーより1頭分だけ外を通ったとはいえ、完全な力負けと言っていいだろう。

それでも力が問われる展開で2着に来られたのは立派だ。ステイゴールド×ガリレオという成長力が期待できる血統をしているため、今後の活躍が期待される。

3着 ロードアルバータ

お母さんのレディアルバローザを彷彿とさせるジリジリとした伸びで3着に食い込んだ。ちなみにレディアルバローザはヴィクトリアマイル3着馬。春のクラシックに出走しながら、古馬になってからも息長く活躍した馬だ。

この馬もまだまだこれからだろう。ジリ貧のため、お母さん同様、阪神や中山のほうが向くかもしれない。

4着 エトルディーニュ

相変わらず安定した走りで掲示板を確保した。上がりが使えないため、基本的にこのくらいの着順で落ち着く。

・地味な血統
・地味な厩舎
・地味な生産者


などなど人気にならないタイプのため、馬券的には追い続けて妙味がありそうなタイプだ。

5着 ニシノアップルパイ

展開が厳しすぎた。5着に粘ったのなら、それなりの評価を与えても。

6着 チャロネグロ

鞍上の田辺裕信騎手いわく「流れについていけなかった。後ろで脚をためるどころか、使っている感じ。厳しい流れだった。期待していたので残念ですが、しょうがないです」とのこと。

7着 スイーズドリームス

勝ち馬と同じような位置にいて、かつ内側を通っていたが、離されてしまった。まだまだ力をつけるのはこれからだろう。須貝調教師も「まだ馬が幼い。これから経験を重ねて成長すれば」 と話している。

8着 ヘリファルテ

コーナーでうまく曲がれず、大きく外に膨れてしまった。

9着 マイネルラプティス

10着 スズカメジャー

コーナーでうまく曲がれず、大きく外に膨れてしまった。母はスプリント路線で活躍したスプリングサンダーということで、距離も長かったか。次走、マイル以下で見てみたい。

11着 コパノミザール

12着 マイネルユニブラン


(C)Koji Takahashi

5月6日に京都競馬場で行われた日本ダービートライアルの京都新聞杯(GII/芝外回り2200m)で、2番人気のマンハッタンカフェ産駒プラチナムバレット(牡3)が、1番人気のサトノクロニクル(牡3)を押さえて勝利した。3番人気のインヴィクタ(牡3)は7着に終わった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 5月 6日(土) 3回京都5日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第65回京都新聞杯
3歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定) 芝・外 2200m 12頭立

馬名S性齢
11プラチナムバレット牡32
3サトノクロニクル牡31
2ダノンディスタンス牡36
5サトノリュウガ牡35
8ミッキースワロー牡34
6ゴールドハット牡38
4インヴィクタ牡33
9メルヴィンカズマ牡37
12ウインベラシアス牡311
107ハギノアレス牡310
111カケルテソーロ牡39
1210ユキノタイガ牡312

LAP 12.7-11.1-12.8-12.4-13.1-13.1-12.7-12.6-11.6-11.5-11.6
通過 36.6-49.0-62.1-75.2
上り 73.1-60.0-47.3-34.7
平均 1F:12.29 / 3F:36.87

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.7-11.1-12.8-12.4-13.1-13.1-12.7-12.6-11.6-11.5-11.6

前半はウインベラシアスがハナを切ったものの、ペースは上がらなかった。道中は2度の13秒台を刻むなど、スローペースに。

しかも向こう正面でウインベラシアスは2番手以下を10馬身程度ちぎっていた。2番手以降は超のつくスローペースだったことが分かる。ウインベラシアスが力のある馬なら、普通に粘り込めていても何らおかしくなかっただろう。


完全に位置取りと、上がりの瞬発力勝負というレースになった。上がりの3ハロンは「11.6-11.5-11.6」。ほとんど減速しないまま、ゴール板を駆け抜けている。よほどゆるいレースで、どの馬もバテなかった……というか、脚を余した馬も多かったのではないか。

京都新聞杯は特に近年、ダービーにつながるトライアルとして名が通っている。しかし、今年に限ってはレースレベルだけ見れば非常に厳しいのではないか。

混戦を極める牡馬クラシック路線を象徴するようなレースだったと言っていいだろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 プラチナムバレット

道中は後方に待機し、直線のヨーイドンで切れ味を発揮した。今回はディープインパクト産駒が不在で、ライバルとなったのがハーツクライやハービンジャー、ルーラーシップ産駒といった、どちらかといえばスタミナ寄りの血統の馬が多かったことが瞬発力勝負で勝てた要因だったと考えられる。

この馬の血統を見ても、京都の外回りで強いのは半姉スマートレイアー譲りと言えるかもしれない。

2着 サトノクロニクル

父ハーツクライ、母父インティカブ(ロベルト系)、母母父ニジンスキーという重厚な血統だけあって、瞬発力勝負は厳しかったか。4コーナーから直線に入る際、外を回っていたミッキースワローに楽な手応えでかわされているところを見ても、一瞬の切れ味勝負に向いていないことが分かる。

最終的にはそのミッキースワローをかわしているのだから、追って味のあるタイプと言えるだろう。

次はダービーになるだろうが、距離が伸びるのはプラス。ただし、ダービーも瞬発力勝負になる傾向にあるため、さすがに厳しいかもしれない。馬場が悪化すれば、といったところ。

これから力をつけてくるタイプであるため、菊花賞など、長丁場のレースが楽しみだ。

3着 ダノンディスタンス

ルーラーシップ産駒らしく全く切れないが、なんとか直線までのリードを生かして粘り込んだ、という感じ。再現性はなし。


ジリ貧で決めて勝負には向かないため、先行してどこまで、というところだろう。

4着 サトノリュウガ

もったいない競馬だった。瞬発力がないのだからもう少し早く仕掛けていれば長くいい脚を使って押し切れそうな展開だったが、仕掛けが遅れたことで3、4コーナーで置いていかれてしまった。最後は伸びてきただけに、仕掛けの遅さが悔やまれた。

もっとも、そもそも瞬発力勝負に向いていないため、仕方ない部分もあったか。

5着 ミッキースワロー

持ったままサトノクロニクルをパスしたときは完勝もあるかと思われたが、案外伸びなかった。キャリア3走ですべて上がり1位を使っているように、末脚比べが苦手とは思えないだけに、意外な結果だった。

6着 ゴールドハット

7着 インヴィクタ

立ち遅れて最後方からの競馬となったことに加え、超スローペースになって万事休すだった。

直線の入り口ではプラチナムバレットと同じような位置にいたが、マンハッタンカフェとハービンジャーでは切れ味が違う。

今回はノーカウントでOKだろう。改めて秋の菊花賞路線でどこまで伸びてきてくれるかが期待される。

8着 メルヴィンカズマ

9着 ウインベラシアス

10着 ハギノアレス

11着 カケルテソーロ

12着 ユキノタイガ


ブラックスビーチの勝因、ポールヴァンドルの敗因は?スイートピーS2017結果・動画


4月30日に東京競馬場で行われたスイートピーステークス(OP/芝1800m)で、3番人気のディープインパクト産駒ブラックスビーチ(牝3)が、9番人気カリビアンゴールド(牝3)を押さえて勝利した。1番人気のポールヴァンドル(牝3)は5着に終わった。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 4月30日(日) 2回東京4日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 スイートピーS
3歳・オープン(馬齢) (牝)(混)(指定) 芝 1800m 18頭立

馬名S性齢
7ブラックスビーチ牝33
5カリビアンゴールド牝39
11ムーンザムーン牝35
18ウインシャトレーヌ牝32
17ポールヴァンドル牝31
10ヒストリア牝38
12ニシノストーリー牝315
9ブラックオニキス牝316
2シーズララバイ牝34
108メイショウオワラ牝37
116ハートオブスワロー牝310
124アンネリース牝36
1313トーホウアイレス牝313
1415エバープリンセス牝311
151エンパイアガール牝312
1614エミットライト牝317
173ミザイ牝318
1816キュイキュイ牝314

LAP 13.0-11.5-11.6-12.3-12.5-12.4-11.6-11.0-11.5
通過 36.1-48.4-60.9-73.3
上り 71.3-59.0-46.5-34.1
平均 1F:11.93 / 3F:35.80

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

13.0-11.5-11.6-12.3-12.5-12.4-11.6-11.0-11.5

2、3ハロン目こそ11秒台中盤になったが、最初が13秒台、道中も12秒台中盤と、ゆったりとしたペースで流れた。上がり1位を記録したカリビアンゴールドが33秒1を使ったように、直線ヨーイドンの競馬になったわけだ。

通常、スローペースになれば前が有利だが、ヨーイドンになった場合、単純な差し比べになる。今回の場合、直線に入った段階で馬群が凝縮し、先行馬と後方までの差があまりなかった。


だから先行した馬たちは、セーフティリードを保てず、切れ負けしてしまったわけだ。

上がりの脚を使えたかどうかが、勝負の分かれ目だったといえるだろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ブラックスビーチ

圧倒的な上がりを示したわけではないが、直線に入った段階で前と1、2馬身しか差がないポジションにつけていたことが勝因となった。

これでオークスへの優先出走権を獲得したことになる。ただし、あまりレースレベルは高くなかったし、この馬の能力も今のところそこまで高いわけではないため、本番では苦戦を強いられそうだ。

ディープインパクト×キングマンボ系の組み合わせはズブい馬になりがちだが、それでも能力の高い馬は速い上がりを使える(デニムアンドルビーが良い例)。この馬の場合、上がり3位以内を使ったのはキャリア5戦で1度だけ。

よほど展開が恵まれない限り、厳しいと言わざるを得ない。

2着 カリビアンゴールド

馬場が渋った前走を除けばキャリア5戦のうち、4戦で上がり3位以内を記録している。上がりを使えたことが、2着に浮上できた要因となった。コーナーではラチ沿い〜2頭目と、内々を通りながら直線で外に出すという理想的な競馬ができたこともよかった。

かなり恵まれた展開となったため、次走は期待しすぎないほうがいいだろう。

3着 ムーンザムーン

この馬もキャリアのほとんどで上がり上位の脚を使っている。ただ、ポジションが後ろ過ぎた分、差しきれなかったというところ。

上位の中では最も安定して上がりを使っていて、能力的にも見どころがありそう。ただ、ローエングリン産駒なので、上がりを使えたとしてもサンデー系の有力馬の差し脚には負けてしまう。


こういう馬が突然先行して結果を残すことはよくあるため、もう少し位置取りを工夫した競馬をしてみてほしい。

4着 ウインシャトレーヌ

絶好の展開ではあったが、伸び負けしてしまった。ちょうどスローになった新馬戦では1位の末脚を使っているが、同じくスローになった前回は前の馬を捉えられなかった。そういう意味ではあまり末脚勝負には向かないのかもしれない。

5着 ポールヴァンドル

ダイワメジャー産駒らしく、先行してどこまで粘れるか、という馬なので、レース展開が全く合わなかった。ダートで勝ち上がってきたパワータイプなので、芝の瞬発力勝負には全く向かないのだろう。

反対に言えば、パワーが生かせるようなシチュエーションになれば全く違った結果になりえる。阪神芝外回り1800mなど、ダイワメジャー産駒の得意条件で見てみたいところだ。

6着 ヒストリア

7着 ニシノストーリー

8着 ブラックオニキス

9着 シーズララバイ

好走したのは馬場が渋った未勝利戦と馬場がタフなフラワーカップ。単純に末脚が問われる軽い展開が向いていなかったのかもしれない。

10着 メイショウオワラ

上がり2位の脚を使ったが、さすがにポジションが後ろ過ぎた。ノーカウントでOK。

11着 ハートオブスワロー

12着 アンネリース

13着 トーホウアイレス

14着 エバープリンセス

15着 エンパイアガール

16着 エミットライト

17着 ミザイ

18着 キュイキュイ



現役最強馬の座を争う3頭のデッドヒートに、淀が揺れた。

4月30日に京都競馬場で行われた天皇賞春(GI/芝外回り3200m)で、1番人気のブラックタイド産駒キタサンブラック(牡5)が、3番人気シュヴァルグラン(牡5)、2番人気のサトノダイヤモンド(牡4)を押さえて勝利した。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 4月30日(日) 3回京都4日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第155回天皇賞(春)
4歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝・外 3200m 17頭立

馬名S性齢
3キタサンブラック牡51
6シュヴァルグラン牡54
15サトノダイヤモンド牡42
10アドマイヤデウス牡610
7アルバート牡66
9ディーマジェスティ牡48
12ゴールドアクター牡65
13トーセンバジル牡59
1シャケトラ牡43
105ファタモルガーナセ915
1114ワンアンドオンリー牡611
1216レインボーライン牡47
138タマモベストプレイ牡714
144スピリッツミノル牡516
1517ヤマカツライデン牡512
1611プロレタリアト牝617
172ラブラドライトセ813

LAP 12.9-11.5-11.2-11.3-11.4-11.6-11.6-13.0-12.5-12.7-12.6-12.5-12.2-11.6-11.7-12.2
通過 35.6-46.9-58.3-69.9
上り 72.8-60.2-47.7-35.5
平均 1F:12.03 / 3F:36.09

レース分析

黒光りする馬体がゴール板を通過したとき、掲示板には「3.12.5」という数字が映し出された。

ディープインパクトが持っていた記録を大幅に更新するレコード決着となった。まさに最高の死闘、最高のマッチレースと表現していいレースだっただろう。

逃げ宣言をしていたヤマカツライデンがハナを切り、2番手にキタサンブラックがつけるという戦前の予想通りの展開となった。シュヴァルグランとシャケトラが並ぶように続き、サトノダイヤモンドは中段につけて最初のコーナーを曲がった。


向こう正面に差し掛かると、徐々にキタサンブラックがヤマカツライデンに迫っていく。ライバルを射程圏に捉えたいシュヴァルグランらも追走し、サトノダイヤモンドもポジションを徐々に上げていった。

3、4コーナーに差し掛かった頃にはキタサンブラックがヤマカツライデンを捉え、先頭に立つ。直線の入り口ではキタサンブラック、シュヴァルグラン、そしてサトノダイヤモンドの3頭が並び、力と力の叩き合いとなった。

キタサンブラックは二枚腰で伸び、シュヴァルグラン、粘るアドマイヤデウス、そしてサトノダイヤモンドが追いすがる。それでも後続を寄せ付けなかったキタサンブラックが、先頭を譲ることなく淀の歓声を自分のものにした。

12.9-11.5-11.2-11.3-11.4-11.6-11.6-13.0-12.5-12.7-12.6-12.5-12.2-11.6-11.7-12.2

ヤマカツライデンが引っ張ったとはいえ、キタサンブラックにとっても決して楽なペースではなかったはずだ。特に武豊騎手がレース後「追いかけに行ってしまった」と話したように、向こう正面では徐々に前へ進出していった。キタサンブラックにとって、簡単なレースではなかったわけだ。

むしろ位置取りとしてはシュヴァルグランやシャケトラのほうがよかったし、距離ロスがあったこと以外はサトノダイヤモンドのレース運びも盤石だった。

要するに、厳しいペースになったため、本当の底力が問われるレースになったわけだ。上位に入線した馬たちは、本当に強い馬だった、という結論を出していいだろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 キタサンブラック

向こう正面で緩まない程度にペースを落ち着かせ、ライバルに脚を使わせつつ押し切る、というのがキタサンブラックの勝ちパターンだ。しかし、今回は脚をためきれなかったように見えた。

それでも直線で力尽きることなく、後続を押さえてしまうのだから恐れ入る。

本当に強い馬の前では理屈など超えて「すごかった」という言葉しか出てこないものだ。今回のキタサンブラックはまさに「すごかった」というほかない。


キタサンブラックの血統や次走は?歴史的名馬は凱旋門賞へ向かうのか?

2着 シュヴァルグラン

最高の条件、最高の枠順、最高の展開だった。

ハーツクライ産駒は成長力が魅力だ。この馬も例に漏れず、今までに増して力をつけてきた。今回はいい枠順を引けたし、キタサンブラックを見る形でレースが進められた。

しかし、それでもキタサンブラックには届かなかった。レース後、鞍上の福永祐一騎手が「思い通りのレースができた」と語ったように、ケチのつけることのない完璧なレースだった。

それだけに、キタサンブラックの強さを褒める他ない。

3着 サトノダイヤモンド

池江泰寿調教師が「相手の方が3つも4つも5つも上」と話したように、どこまでも届かない差があったようにすら感じられた。

もっとも、このレベルになるとほんの少しの差が勝負を分けてしまう。外枠で多少なりともロスがあったことも影響したはずだ。

もう勝ち馬が3頭いればいいのに……とすら感じられたレースだっただけに、今はただただ無事とさらなる飛躍を期待したい。

4着 アドマイヤデウス

特筆すべきは岩田康誠騎手の騎乗ぶりだろう。好スタートからポジションを取ると、あとはなるべく内へ内へ入るように馬を導いた。結果、3、4コーナーではラチ沿い2頭目を、1、2コーナーではラチ沿いに入り、距離ロスを防いだ。

最後、現役最強馬クラスの3頭に競り負けてしまったが、120点のレースだった。馬券を勝ったファンは悔しがりつつ「これで負けたら仕方ない」と思えるレースだったのではないだろうか。さすが岩田騎手、といったところ。


アドマイヤドン産駒、もしくはミスプロ系全体に言えることだが、どうしても3000m以上の底力勝負になると勝てない。キングカメハメハ産駒(キングマンボ系=ミスプロ系)が長距離レースを苦手としていることでも分かるだろう。

あまり得意な条件ではないだけに、大健闘の4着だった。

5着 アルバート

同じくアドマイヤドン産駒のアルバートは中段から我慢の競馬をした。スムーズな競馬ではあったが、なかなか内に入れられず、アドマイヤデウスと比較しても距離をロスしていた感は否めない。

また、なかなか反応が鈍いタイプのため、4コーナーの仕掛け時に置いていかれてしまった。

もっとも、内をつけるような器用なタイプではないし、血統的な欠点もあったため、こちらも力を出し切っての5着だったといえるだろう。

6着 ディーマジェスティ

スタートで出負けしてポジションを悪くし、内に入れずに終始大外を回して距離をロス……というチグハグな競馬になってしまった。直線の入り口では伸びてきたため、一瞬「おっ」と思わせたが、残り200m付近で他の馬たちと脚色が同じになってしまった。

もっとも、あれだけ距離をロスしていて伸びてきたらそれこそ怪物級であるため、このレースぶりで止まるのは仕方なかった。むしろ健闘の6着といえるのではないだろうか。

セントライト記念以降、歯がゆい結果が続いているが、これは血統的な側面が大きそうだ。ディープインパクト産駒×ロベルト系の組み合わせはどうしても中央よりローカル的な条件を得意としている。タフな馬場、コーナー4回などの条件で巻き返しが期待される。

7着 ゴールドアクター

横山典弘騎手が「スタートで終わってしまった」と語ったように、残念なレースになってしまった。本来は先行してアドマイヤデウスのような競馬がしたかったはず。ずっと先行してきた馬が二桁番手につける時点で勝負にならなかった。

ノーカウントと捉えてOKだろう。

8着 トーセンバジル

枠順と脚質の問題でどうしてもロスの多い競馬になってしまった。4コーナーでは一瞬内をつこうとしたように見えたが、スペースがなくて諦めて……といった競馬だった。今回は相手が強かったし、キャラクターとしても「最後の直線で脚は使うけど、それまでのロスが……」というタイプのため、これ以上はどうしようもなかったか。

9着 シャケトラ

スタート、やや出負けしたが、盛り返して好位置を取った。ただ、終始田辺裕信騎手と喧嘩し、行きたがってしまった。2週目の3、4コーナーではほとんど手応えなく、3強の叩き合いを後方で眺めていた。

1枠1番という最高の枠を引いたこともあって人気になっていたが、さすがに初のGIでは荷が重すぎた。

10着 ファタモルガーナ

枠順を利して一発を狙ったが、厳しかった。さすがに力が足りなかったし、高速馬場も向かなかった。

11着 ワンアンドオンリー

3番手につける積極的な競馬だったが、最後のコーナーでは手応えがなく、後退していった。

ワンアンドオンリーに関しては以下の記事で書いたが、3歳時の消耗がすべて。今後も厳しいだろう。

ダービー馬ワンアンドオンリーは古馬GIで勝てない?宝塚記念惨敗の真相を暴く

12着 レインボーライン

出遅れで最後方に待機し、一発を狙ったが、前の3頭が強すぎた。最内をつけば幾分か着順を上げられただろうが、スペースがなく厳しかった。

13着 タマモベストプレイ

力負け。

14着 スピリッツミノル

力負け。

15着 ヤマカツライデン

レコードタイムを演出する良い逃げをうってくれた。積極的なレース運び、名勝負の演出という意味で、感謝したい。

16着 プロレタリアト

力負け。

17着 ラブラドライト

力負け。


Facebookもチェック!

競馬TIMESについて

keiba_times_atoz1

投稿・執筆者募集

093524

公式Twitter&FB

Twitter_logo_blue FB-f-Logo__blue_72

カテゴリー

アーカイブ

写真提供

競馬TIMESでは以下の写真家の方々にご協力いただいております

写真家一覧

※写真提供は随時募集しております。お問い合わせフォームからご連絡いただければ幸いです

ページ上部へ戻る