カテゴリー:回顧


夢が広がる圧勝劇。新たな逸材が、日本ダービー制覇へ名乗りを上げた。

4月29日に東京競馬場で行われた青葉賞(GII/芝2400m)で、1番人気のディープインパクト産駒アドミラブル(牡3)が、4番人気ベストアプローチ(牡3)を押さえて勝利した。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 4月29日(祝) 2回東京3日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第24回テレビ東京杯青葉賞
3歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定) 芝 2400m 12頭立

馬名S性齢
10アドミラブル牡31
9ベストアプローチ牡34
6アドマイヤウイナー牡38
4ポポカテペトル牡33
2サーレンブラント牡310
5ダノンキングダム牡36
11トリコロールブルー牡32
12イブキ牡37
7マイネルスフェーン牡35
108タガノアシュラ牡39
111スズカロング牡311
123アグネスウイン牡312

LAP 12.5-11.2-11.8-11.8-12.4-12.4-12.3-12.1-11.9-11.8-11.4-12.0
通過 35.5-47.3-59.7-72.1
上り 71.5-59.2-47.1-35.2
平均 1F:11.97 / 3F:35.90

レース分析

今年の青葉賞はメンバーレベルが低かった。もっとも、レースレベルはまずまず悪くないものとなった。

以下が道中のラップだ。

12.5-11.2-11.8-11.8-12.4-12.4-12.3-12.1-11.9-11.8-11.4-12.0


特筆すべきなのは、道中に12秒5以上の数字が一つもないこと。これは青葉賞としては異例と言っていいだろう。

2016年
12.7 – 10.9 – 12.3 – 13.0 – 12.4 – 11.6 – 11.9 – 11.7 – 11.9 – 11.6 – 11.9 – 12.3
※勝ち馬 ヴァンキッシュラン

2015年
12.7 – 11.1 – 12.4 – 12.8 – 12.9 – 13.3 – 13.1 – 12.3 – 12.0 – 11.5 – 11.2 – 11.6
※勝ち馬 レーヴミストラル

2014年
12.5 – 10.9 – 12.4 – 12.6 – 13.0 – 12.6 – 13.1 – 12.5 – 12.1 – 11.8 – 11.1 – 11.9
※勝ち馬 ショウナンラグーン

2013年
12.5 – 11.6 – 12.5 – 12.7 – 12.6 – 12.9 – 12.5 – 12.3 – 11.9 – 11.4 – 11.6 – 11.7
※勝ち馬 ヒラボクディープ

2012年
12.3 – 10.8 – 12.0 – 12.9 – 12.9 – 12.8 – 12.5 – 12.5 – 12.1 – 11.6 – 11.2 – 12.1
※勝ち馬 フェノーメノ

ご覧の通り、だいたいどの年も道中が緩んで13秒台前後のラップを刻む。しかし、今年は全く緩むことがなかった。

要するに、実力が問われる展開になったわけだ。

なお、勝ちタイム2.23.6はレコードタイム。単純な時計の比較に意味はないが、決してレベルが低いと侮れるレースではなかったことが分かる。

さぁ、ダービーへ。 アドミラブル完勝のゴール。印象だけならかなりのもの。これは驚いた。 #東京競馬場 #競馬場 #競馬ファン #青葉賞 #アドミラブル #馬 #horserace #horse


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出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 アドミラブル

スタートからなかなか行き脚がつかず、一コーナーに入る前にはミルコ・デムーロ騎手が追っつけるシーンが見られた。しかし、徐々に進出を開始すると、4コーナーでは先頭を射程圏に捉え、直線ではじわじわ伸びて突き抜けた。

コーナーではほとんど外を回って大幅に距離をロスしていただけに、着差以上の完勝と言っていいレースだった。

もっとも、この馬に展開が向いたことも事実だ。差し馬が力を発揮できるような展開になったし、血統面を見てもそう。母父シンボリクリスエスのディープインパクト産駒なので瞬発力勝負になると荷が重いが、こういう平均ペースのレースは絶好だったと言える。

このメンバーでは実力が抜けていたし、ダービーでも注目株となるだろう。ただし、究極の瞬発力を問われやすいダービーというレースで同じような競馬ができるかというと……。

あまり器用な馬ではないだけに、展開やメンバーに左右されそうな予感はする。

2着 ベストアプローチ

ここ数走はスローの瞬発力勝負が続いていた。あまり前に行けない馬のため、どうしてもポジションが悪くなると取りこぼしが多くなってしまう。

上がり3位以内の脚こそ使っているが、サンデーサイレンス系に比べるとジワジワ伸びるタイプ。瞬発力勝負では分が悪く、今回のような平均ペースの競馬が合っている。

さすがにニューアプローチにダービーは荷が重いだけに、期待されるのはさらに先か。


3着 アドマイヤウイナー

この馬も展開が向いた。ワークフォース産駒らしく切れ味は全くないが、その分スタミナを持っている。このくらいのペースで流れてくれたことが幸いしたわけだ。

4着 ポポカテペトル

うちの方で粘っていたが、最後の最後でアドマイヤウイナーにかわされてしまった。展開が他の馬に比べると向かなかった。

また全兄マウントロブソンということで、距離の問題もあったと予想される。マウントロブソンはコーナー4回の2000mや1800mで勝ち星を重ねた馬だった。それ以上の距離になると結果を出せていないため、ポポカテペトルにも同じことが言えるかもしれない。

5着 サーレンブラント

どちらかといえば差し馬に有利な展開になったため、漁夫の利の5着といったところ。

6着 ダノンキングダム

7着 トリコロールブルー

外枠の影響があって終始外を回ってしまった。展開が厳しかったことに加え、外外を回ったのだから、実質この馬にとってはハイペースだったと解釈していい。

負け過ぎではあるものの、見直す余地はある敗戦だったと言えるだろう。あまり悲観視することはなさそうだ。

8着 イブキ

展開的に厳しかった。

9着 マイネルスフェーン

展開的に厳しかった。

10着 タガノアシュラ

展開的に厳しかった。

11着 スズカロング

12着 アグネスウイン


アドマイヤロブソンの勝因、ヒシマサルの敗因は?あずさ賞2017結果・動画

(C)はねひろ

楽しみな逸材が、2勝目を挙げた。

4月23日に京都競馬場で行われたあずさ賞(3歳500万下/芝外回り2400m)で、1番人気のディープインパクト産駒アドマイヤムーン(牡3)が、2番人気ヒシマサル(牡3)を押さえて勝利した。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

あずさ賞の映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果→重賞レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 4月23日(日) 3回京都2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【9R】 あずさ賞
3歳・500万下(馬齢) (混)(特指) 芝・外 2400m 7頭立

馬名S性齢
7アドマイヤロブソン牡31
3ヒシマサル牡33
6ブラックジェイド牡32
5フリーフリッカー牡35
2タガノシャルドネ牡36
4スズカホワイト牡34
1アップルパンチ牝37

LAP 12.9-11.5-11.0-12.0-11.8-12.3-12.7-12.9-12.4-12.6-11.7-11.6
通過 35.4-47.4-59.2-71.5
上り 73.9-61.2-48.3-35.9
平均 1F:12.12 / 3F:36.35

レース分析

3歳馬の2400m戦といえば、どうしてもスローペースになりがちだ。しかし、このレースのラップを見てみると……

12.9-11.5-11.0-12.0-11.8-12.3-12.7-12.9-12.4-12.6-11.7-11.6

ご覧の通り、道中一度も13秒台を刻んでいない。もちろん、ブラックジェイドが大逃げを打った影響だ。しかし、逃げ粘りを許さないために後続の各馬もある程度早い段階から追い上げていった。


前半2ハロン目からの「11.5-11.0-12.0-11.8」というラップの推移は、楽できる展開にならなかったことを意味している。

人気馬が順当に走ったのも、実力が問われる展開になったからこそ。勝ちタイム2分25秒4はなかなかに優秀なため、上位馬たちは注目してみるといいだろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 アドマイヤロブソン

ヒシマサルとの追い比べを制して2勝目を挙げた。この馬の特性は全兄のアドマイヤダイオウを見れば分かりやすい。

アドマイヤダイオウはディープインパクト産駒ながら、上がりが36秒もかかるような馬場の競馬で勝ち上がってきた。要するに、単純な瞬発力勝負の競馬より、タフさが問われる展開が向いているということだ。

アドマイヤロブソンにしても同じような特性が見える。こういった展開になったとき、ややタフさの問われる馬場になったときは注意すべきだろう。

2着 ヒシマサル

ルーラーシップ産駒らしいズブズブの馬だ。よほど条件が合わない限り、追い比べで勝つのは難しい。勝ちきれないタイプのため、人気しても取りこぼしに常に注意した方がいいタイプだろう。

なお、半兄のムスカテールがそうであるように、芝ダート兼用馬のようだ。

3着 ブラックジェイド

前半、厳しいペースで飛ばした分が最後の最後で響いてしまった。3、4コーナーでペースを落として溜めたとはいえ、よく踏ん張ったほうだろう。全く切れないタイプなので、逃げ粘ってどこまで、という馬だ。人気のときより人気が落ちてきて、忘れた頃にズドン……というタイプだろう。

4着 フリーフリッカー

5着 タガノシャルドネ

6着 スズカホワイト

7着 アップルパンチ


府中S2017結果・動画│レアリスタの勝因、ヴォージュの敗因は?

(C)Ko-Mei

4月22日に東京競馬場で行われた府中ステークス(準OP/芝2000m)は、1番人気のステイゴールド産駒レアリスタ(牡5)が、2番人気ヴォージュ(牡4)との接戦を制して勝利した。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

府中ステークス映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果→重賞レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

2017年 4月22日(土) 2回東京1日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【10R】 府中S
4歳以上・1600万下(定量) (混)[指定] 芝 2000m 11頭立

馬名性齢
11レアリスタ牡51
2ヴォージュ牡42
9パワースラッガー牡63
4レッドルーファス牡77
5ネイチャーレット牡44
10ウインオリアート牝611
3サンライズタイセイ牡710
8シャドウウィザードセ76
1リスペクトアース牡45
107ロスカボス牡48
116ロングシャドウ牡79

LAP 12.9-11.3-11.3-11.4-12.4-12.8-12.2-11.6-11.3-12.0
通過 35.5-46.9-59.3-72.1
上り 72.3-59.9-47.1-34.9
平均 1F:11.92 / 3F:35.76

レース分析

全体のラップを見てみると……

12.9-11.3-11.3-11.4-12.4-12.8-12.2-11.6-11.3-12.0
59.3-59.9

というように、前半のほうが早いという結果に。リスペクトアースが後続を話していたため、実質ハイペースというわけではなかったにしても、11頭立てでこのペースなら十分に実力を計れるレースになったといえる。

1、2、3番人気で決着したように、フラットな展開になったことで実力が問われるレースになった。道中や直線でも大きな不利はなし。そういう意味で、上位勢の力は評価していいだろう。


出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 レアリスタ

道中中団につけて、直線ではスムーズに外に出して加速し、そのまま押し切ったという王道の競馬だった。ステイゴールド×Meadowlakeという重たい配合の馬だけに、ある程度タフさが要求される展開になったのは好都合だった。

キャリアで上がり1位を使ったことが2回しかないように、めちゃくちゃ切れる馬、というわけではない。むしろ、瞬発力勝負は苦手。それは兄のリアルインパクトやネオリアリズム、アイルラヴァゲインなどを見ても明らかだろう。どの馬たちも瞬発力で差し切る、というよりある程度のポジションにつけてタフさで乗り切る、という競馬が得意だった。

今後もスタミナが問われる展開になれば、重賞でも通用するはず。反対に瞬発力が問われるレースは、決め手に欠けるため、取りこぼしていくこちになりそうだ。

2着 ヴォージュ

先行して押し切りたかったが、勝ち馬につかまってしまった。この馬もナカヤマフェスタ産駒らしく、切れない馬だ。瞬発力がない分、先行してどこまで粘れるか、というタイプ。

3着 パワースラッガー

このところ距離を伸ばしてきて安定して走っている。さすがに1、2着馬には力負けだが、この条件なら安定して力を発揮していきそう。

4着 レッドルーファス

直線の入り口でやや前が窮屈になって追い出しが遅れた分、上位と差がついてしまった。といっても、致命的な不利というわけではなかっただけに、実力差と考えて良さそう。

5着 ネイチャーレット

400m地点まで馬なりで上がってきたため、もっと伸びるかと思ったが、案外伸びず。とはいえ、コーナーで1頭だけ大外を回ってかなり距離ロスがあった。そのロスが最終的な差を生んだのではないか。距離ロスがなければもっと差は縮まっていた。この条件なら好勝負できそう。距離は伸びたほうがいいだろう。

6着 ウインオリアート

善戦したが、最後は力負け。ステイゴールド産駒のワンツーと、条件は合っていただけに、ここで来られないと今後は相手に恵まれない限り苦しいか。

7着 サンライズタイセイ
8着 シャドウウィザード

9着 リスペクトアース

結果としてオーバーペースになってしまった。逃げ馬はピンかパーか、という結果になりやすいため、この結果もやむなしか。

10着 ロスカボス
11着 ロングシャドウ


フローレスマジックの血統や次走、将来性は?ラキシスやサトノアラジンとの共通点


4月23日に東京競馬場で行われたフローラステークス(GII/芝2000m)は、2番人気のディープインパクト産駒フローレスマジック(牝3)は直線で競り負けて3着となった。しかし、優駿牝馬オークスへの優先出走権を手にしている。

フローレスマジックの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。


プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者

ディープインパクト
マジックストーム
母の父StormCat
母の母FoppyDancer
性別
馬齢3歳
生年月日2014年4月15日
毛色鹿毛
馬主(有)サンデーレーシング
調教師木村哲也(美浦)
生産牧場ノーザンファーム
産地安平町
馬名意味完璧なマジック

血統評価は?

母父ストームキャットという父ディープインパクトの成功配合に合致している。もう有名過ぎるくらいの配合だ。

全兄弟にラキシス、サトノアラジン、そしてサトノケンシロウがいる良血馬だけに、将来が期待されるといったところだ。

もっとも、なかなか勝ちきれていないように、本格化するのは夏を超えてからになる可能性が高い。それは姉や兄たちがたどってきた成長の曲線を見れば明らかだろう。

ラキシスは3歳春のクラシックに間に合わなかった。フローラステークスに出走こそしたものの、結果は11着と大敗を喫している。しかし、夏を超えて白星を重ねると、秋の牝馬最強馬決定戦のエリザベス女王杯で準オープン馬の身でありながら2着に激走した実績を持っている。

その後、翌年のエリザベス女王杯を制し、GI馬の仲間入りをしたのは記憶に新しい。

サトノアラジンにしてもそうだ。

2歳のうちから注目されながら、東スポ杯2歳ステークスで5着、ラジオNIKKEI2歳ステークスで3着、共同通信杯で3着と、イマイチ勝ちきれなかった。このあたりはフローレスマジックにも通じるところだろう。


勝ち始めたのは休養を挟んで挑んだ夏場から。菊花賞では不利がありながら6着に入るなど、力をつけたことを証明し、古馬になってから重賞を勝った。

サトノケンシロウに至っては初勝利が3歳の夏だった。以降、3連勝で一気に準オープン馬に。初の準OP戦では土がついたものの、この勢いであればいつ重賞戦線に名乗りを挙げてもおかしくない。

要するに、フローレスマジックもそういったキャリアを送る可能性が高いといえる。2歳の早いうちから活躍しているとどうしてもしりすぼみになっていく傾向にあるが、この馬の場合はむしろこの時期から重賞で好走できていることを評価するべきだろう。

次走は?

優駿牝馬オークスへの優先出走権を獲得したため、当然のことながら東京芝2400mの戦いに進むことになるだろう。

もっとも、前述の通り、まだまだ馬が出来上がるのは先のように感じる。春のクラシックに適した完成度の高い馬たちに比べると、どうしても見劣りしてしまう、というのが実情だ。

あまり無理に激走しても後々の成長に影響が出てくるケースがあるだけに、大事に使っていってほしいといったところ。


(C)はねひろ

4月23日に京都競馬場で行われたマイラーズカップ(GII/芝外回り1600m)は、2番人気のフジキセキ産駒イスラボニータ(牡6)が直線で抜け出して1番人気のエアスピネル(牡4)らをおさえて勝利を収めた。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

マイラーズカップ映像はこちらから(※JRA公式サイト→レース結果→重賞レース結果のページでご覧いただけます)

結果・着順

成績・2017年3京2/11R 読売マイラーズカップ
2017年 4月23日(日) 3回京都2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第48回読売マイラーズカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝・外 1600m 11頭立

馬名S性齢
11イスラボニータ牡62
4エアスピネル牡41
6ヤングマンパワー牡57
8ブラックスピネル牡43
1サンライズメジャー牡89
3フィエロ牡85
7プロディガルサン牡44
5ダッシングブレイズ牡56
2アクションスター牡710
109クルーガー牡58
1110シェルビー牡811

LAP 12.4-11.2-11.7-12.1-11.4-11.3-10.8-11.3
通過 35.3-47.4-58.8-70.1
上り 68.6-56.9-44.8-33.4
平均 1F:11.53 / 3F:34.58

レース分析

前後半800mのペースを見てみると……

47.4−44.8

ペースの違いは明らかだ。上がり1位は32.8秒。もうこれ以上の上がりは使えないだけに、ほとんど位置取りの勝負になった+その中で強かったり、経済コースを通って器用に立ち回った馬が上位に来た、という解釈でいい。

例えばイスラボニータのルメール騎手は最高にうまかった。大外の11番枠に入りながら、コーナーではラチ沿いを走って直線でも内々をつけた。


ポジションや位置取りの勝負になった競馬において、このレース運びは理想的意外の何ものでもない。ルメール騎手の腕が光ったレースだったと言える。

開幕週の京都はこういうレースになりがちではあるものの、それをわかった上でそういう騎乗をしたルメール騎手はさすがだった。例えば別に田辺裕信騎手を落とすわけではないが、フローラステークスにおけるホウオウパフュームの乗り方をしていたら、少なくとも1着にはなれなかっただろう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 イスラボニータ

前述の通り、ルメール騎手の騎乗は素晴らしかった。大外枠ながら経済コースを通って、馬に負担のないレース運びをした。もともとマイルチャンピオンシップで2、3着の実績がある舞台で、条件としては悪くなかったし、力はある馬だけにうまいレース運びができればこういう結果になる。

次走は安田記念になるはず。ただ、安田記念につながるレースになったかどうかはかなり微妙。詳細は、個別回顧で。

2着 エアスピネル

ラチ沿いから3頭目を走るという、このレースにおいてある意味最も厳しい競馬をした。武豊騎手は自身を持ったからこそ、そういう騎乗をしたのだろうが、ルメール騎手に完璧に乗られてしまったため、通ったコースがそのまま着順に表れた。

それでも勝ちきれなかったのは、今後の課題になりそう。

もともと善戦しながらも勝ちきれない馬で、3歳以降に勝ったのは1回のみ。それにしても着差なし。

血統的にもそう。近親のエアシェイディは1着が7回に対し、2着が10回もあった。エアシャカールも(4−6−1−9)と2着が多かった。(エアソミュールこそ勝ちきっていたが)

ちなみに母のエアメサイアもオークス、ヴィクトリアマイルでともに2着。京都以外ではなかなか勝ちきれない馬だった。安田記念に向けて、課題となるところと言っていい。

3着 ヤングマンパワー

ペースメーカーを前において2番手につける最高の競馬となった。結果として切れ負けしてしまったのは、逆にペースがおそすぎて末脚比べになったから。この馬にとってはもう少し流れてもらって、タフな展開になったほうがよかった。


もっとも、こういうレースになっても器用に立ち回って上位に来られるのが強みでもある。

安田記念はサンデーサイレンス系が苦手なレース。この馬にとっても、ペースが厳しくなるであろうことは、いいはず。期待を持てる3着なったのではないか。

4着 ブラックスピネル

上がり32秒8で届かないのだから、今回は展開が悪かったと言わざるを得なかった。

もっとも、タニノギムレット産駒はもともと重賞における期待値が低く、人気より1つ低い順位でフィニッシュしたというのはある意味で血統に従順だった、という見方もできる。

前述の通り、安田記念はもう少し非サンデー系の馬たちに向く展開になるため、バカにされたような人気になるようであれば、見直しの必要がありそう。

5着 サンライズメジャー

もともと得意な舞台、そして絶好の展開だったのだから、もう少し上位に来たかった。もう8歳馬で、これ以上を望むのは酷か。

6着 フィエロ

悪くないレース運びだったが、直線に向いたところでイスラボニータが外に出てきた煽りをうけて進路が塞がってしまった。完全に加速のタイミングを逸したため、あとはズルズル後退というか、惰性で走ってしまった感じ。

力は出し切れていないため、ノーカウントと考えてよさそうだ。

7着 プロディガルサン

物足りない競馬だったが、上がり32秒9でこの順位なのであれば、致し方ない。展開の面が大きく、見直し可能。ただし、そこまで成長力があるかというと、やや微妙な面も。

8着 ダッシングブレイズ
9着 アクションスター
10着 クルーガー
11着 シェルビー


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