カテゴリー:回顧

イスラボニータの勝因、モズアスコットの敗因とは?阪神カップ2017の回顧

@GloveAndTheater

暮れの阪神、有終の美。アドマイヤグルーヴを思い出す鮮やかなラストランだった。

2017年12月23日、阪神競馬場で阪神カップ(G2/芝内回り 1400m)が行われ、現役最後のレースとなったイスラボニータが見事な走りで優勝し、華麗な最後を飾った。

レコード決着となりスピード能力が求められた。ただ、外がさほど伸びず、内中も伸びる馬場は立ち回りの上手さも求める、という難しいレースだったと言える。

ベテラン勢の好走の理由は、そして若駒達の敗因は?それぞれのポイントを見ていこう。


結果・着順

2017年12月23日(祝) 5回阪神7日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第12回阪神カップ
3歳以上・オープン・G2(定量) (国際)(特指) 芝・内 1400m 18頭立

馬名性齢
イスラボニータ牡62
ダンスディレクター牡77
サングレーザー牡33
モズアスコット牡31
ビップライブリー牡410
モーニン牡513
レーヌミノル牝34
ムーンクレスト牡514
オールザゴー牡317
10サンライズメジャー牡816
11キャンベルジュニア牡55
12シュウジ牡48
13タガノブルグ牡618
14アポロノシンザン牡56
15ミスエルテ牝311
16エポワスセ912
17トウショウピスト牡515
18シャイニングレイ牡59

LAP 12.1-10.7-10.8-11.2-11.5-11.7-11.5
通過 33.6-44.8-56.3-68.0  上り 67.4-56.7-45.9-34.7  平均 1F:11.36 / 3F:34.07

払い戻し

単勝  2 \410
複勝  2 \160 / 12 \380 / 10 \160
枠連  1-6 \2250 (12)
馬連  02-12 \4040 (9)
ワイド 02-12 \1130 (9)/ 02-10 \360 (2)/ 10-12 \1110 (8)
馬単  02-12 \6070 (15)
3連複 02-10-12 \3890 (5/816)
3連単 02-12-10 \24440 (51/4896)

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着・イスラボニータ

スタート直後は積極的に2番手集団に入っていったが、そこからやや位置を下げ中団前目の馬群内に位置を取った。

そこから勝負どころを迎えても鞍上ルメールの手綱は動かず静かに身を潜めていた。そして直線を向いてからゴーサイン。狭くなりそうなシーンもこじ開けきって最後は前を捉えた。

次走がない馬なので今後が云々とは言えないが、今回も光ったのは操縦性の高さだ。ベテラン故という部分もあるが、この馬は若いころから素晴らしい機動力を持っていた。最後もそれが生きたレースになったと言える。

G1で掲示板に載ること8回、馬券になること6回。名マイラーが優れた産駒を出すことを祈ってやまない。

2着・ダンスディレクター

悔しいハナ差負けだがこれ以上の立ち回りは望めずむしろ頑張りをたたえるべきだろう。

元来寒い時期は得意な馬で、過去2着→4着とこのレースとの相性も抜群。鞍上の見事なエスコートもありしっかりと巻き返した。近年短距離路線は高齢馬の活躍が目立つことも見逃せない。

3着・サングレーザー

大味なレースとなってしまい前に届くかというシーンまでは作れなかった。それでもよく伸びており今後この路線の主役を張っていく可能性は高い。

マイルよりは自然と脚を溜められる位置に落ち着けるこの距離のほうが競馬はしやすいだろう。一瞬のキレで勝負するタイプ故差し馬だが小回りのほうが決め手が生きる。

4着・モズアスコット

クリスチャンは先週のラビットランと同じような負け方をしてしまった。

この日の馬場の傾向から直線を向く段階であそこまでおっつけて外を回ってしまっては厳しく最後はなだれ込むような形に終わった。この距離は気持ち忙しい印象もあり、ちぐはぐな競馬になってしまったのが残念。広いコースのマイル戦などが本領発揮の場となりそうだ。それでもいきなりのこの舞台で人気を背負って入着は十分に立派だ。

5着・ビップライブリー

直線ややスムースさを欠きながらも掲示板を確保。条件を問わず重賞でも通用している。あまり人気にならないタイプでもあり今後も注目。得意の重い馬場が後押しすればタイトルを手にする日も近いか。

7着・レーヌミノル

普段ほどの好位は取れず。このあたりは距離短縮の影響だろう。厳しいレースを続けていての秋4戦目で疲れもあったか。過酷なローテが後に響かなければよいが。

11着・キャンベルジュニア

これで1400では3回続けて大凡走に終わった。マイル以上で小脚を使える小回りコースなら見直し可能。


14着・アポロノシンザン

外連味のない逃げを打ったが大敗に終わった。着順ほどは負けていないとはいえここではまだ敷居が高かった面は否めない。

まとめ

クラシック戦線でしのぎを削ったダービー馬ワンアンドオンリーの後を追うように皐月賞馬もふるさとの北の大地に旅立っていく。

輝かしい戦績と、愛らしいルックスで多くの競馬ファンを魅了したイスラボニータの競走馬生活、ここに幕。世代屈指の実力馬としてクラシック戦線を席巻した若かりし日々もルメールと共に歩んだ老いてなお盛んな渋い晩年もともに忘れがたい。

文=櫻井秀幸


ミスパンテールの勝因とラビットランの敗因は?ターコイズS2017の回顧

(C)@Arappa

鋭く馬群を切り裂いた3歳馬はゴール寸前でぐいと首だけ出てみせた。

2017年12月16日、中山競馬場でターコイズステークス(G3/芝外回り 1600m)が行われた。

14頭がコンマ4秒差の中にひしめきあったハンデ戦らしい大混戦となり、直線はごった返しにごった返した。

最初の1ハロンを除いてはずっと11秒台が続くラップとなったが特段速いところもなく、全体の時計がとりわけ速いわけでもない。展開の有利不利が少ない実力勝負だったと言えるだろう。

勝者、敗者をわけた“分岐点”はどこにあったのだろうか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年12月16日(土) 5回中山5日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第3回ターコイズS
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (牝)(国際)(特指) 芝 1600m 16頭立

馬名性齢
ミスパンテール牝35
フロンテアクイーン牝43
デンコウアンジュ牝47
ラビットラン牝31
エテルナミノル牝44
リエノテソーロ牝36
ディープジュエリー牝58
ワンブレスアウェイ牝42
ペイシャフェリス牝613
10バンゴール牝511
11サザナミ牝510
12アールブリュット牝514
13リーサルウェポン牝615
14オートクレール牝69
15ハローユニコーン牝316
16アスカビレン牝512

LAP 12.5-11.6-11.8-11.8-11.8-11.7-11.2-11.8
通過 35.9-47.7-59.5-71.2  上り 70.1-58.3-46.5-34.7  平均 1F:11.78 / 3F:35.33

払い戻し

単勝  8 \1260
複勝  8 \400 / 7 \190 / 14 \610
枠連  4-4 \2490 (10)
馬連  07-08 \2570 (9)
ワイド 07-08 \960 (8)/ 08-14 \3300 (36)/ 07-14 \1820 (22)
馬単  08-07 \5730 (20)
3連複 07-08-14 \16580 (50/560)
3連単 08-07-14 \94580 (306/3360)

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ミスパンテール

道中は中団を進んでいたが、勝負どころで他馬が外から動いたため直線を向いた時の位置取りは後方のインというかなり厳しい状況だった。

そこからも案の定前は空かず、常に先頭争いをしていたディープジュエリーの後ろでこのまま終戦かと思えた。しかし残り100と少しのところでディープジュエリーとラビットランの間に生じたわずかな隙間をこじ開けそこから驚異の伸び脚で差し届いてみせた。

ここまでの好走パターンは長く良い脚を使って差し切るというものだったたけに、このレースでの瞬間的キレ味には驚かされた。ダイワメジャー産駒であることを考えればなおさらだ。

この時期の3才馬の成長力を認めつつも、鞍上横山典弘のファインプレーも見逃せない。短い中山の直線でも前が開くまでじっと我慢し、後ろでもがく関東リーディングジッキーに熟練の技を見せつけた。

鞍上の老獪さがもたらした望外のキレ味。今年の3歳はやはり強い。

2着 フロンテアクイーン

この馬も進路に苦心しながらも前にいたペイシャフェリスとディープジュエリーの間に進路を見つけ残り200で追撃開始。一旦は抜け出したのだが。。

重賞でも準OPでも惜敗続きで堅実だが勝ちきれない馬。牝馬戦線の常連として活躍していくだろうが、突き抜けるまではどうか。この鞍上北村も相当うまく乗っている。

3着 デンコウアンジュ

55を背負っていたことを考えれば悲観することはない3着だ。外を回ったがワンテンポ遅らせた仕掛けが功を奏し最後で急追。ムラなところはあるが、タメが利いた時の決め手はやはり脅威。

4着 ラビットラン

こちらもハンデを加味すれば責められない敗戦だ。直線を向いた時の勢いは勝ったかと思わせたし、現に最後まで伸びている。

詰まりそうになった馬たちが最後に弾けたのは所謂展開のあやな部分もあり着差を考えても先着を許したメンバーとの間に力差はさほどない。

5着 エテルナミノル

直線はずっとラビットランと併せ馬のような形で前に迫ったが最後まで詰め切れず。力を出し切って1キロ背負っていた年少馬を捕まえられなかったのはやや物足りない。ねらい目は重い馬場か。

6着・リエノテソーロ

逃げる形になったがゴール寸前まで先頭を守ったように力は出し切っている。55背負っていた上に早めに来られた展開は厳しいものがあったがもうひと踏ん張りしてほしかったことも事実。NHKマイルCでも最後は止まっていたようにマイルは気持ち長いかもしれない。


8着 ワンブレスアウェイ

外に逃げるような形で出遅れ。これで位置取りが悪くなり、直線も後方にいた勝ち馬よりまだ後ろからではチャンスがない。進路もなかったし完全に度外視できる敗戦。

まとめ

ゴールする瞬間までどの馬が勝つか全くわからなかった大接戦は進路を求めて最後まで我慢した組に軍配があがった。

冬枯れの中山のせわしない馬場とはいえ開幕週、内は伸びる。女たちの熾烈な戦いに制するのに必要だったのは巧みな立ち回りだった。

文=櫻井 秀幸


(C)はねひろ

2017年12月17日、阪神競馬場で朝日杯フューチュリティステークス(GI/芝1600m)が行われ、レベルの違いを見せつけたダノンプレミアム(牡2/ディープインパクト産駒)が見事勝利した。2着は中団後方から追い込んできたステルヴィオ、3着はタワーオブロンドンとなった。

ダノンプレミアムは無傷の3連勝でGIを勝利したが、この勝利は中内田厩舎にとっても初GIタイトルであった。

勝者、敗者をわけた“分岐点”はどこにあったのだろうか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年12月17日(日) 5回阪神6日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第69回朝日杯フューチュリティS
2歳・オープン・G1(馬齢) (牡・牝)(国際)(指定) 芝・外 1600m 16頭立

馬名性齢
ダノンプレミアム牡21
ステルヴィオ牡23
タワーオブロンドン牡22
ケイアイノーテック牡25
ダノンスマッシュ牡24
ファストアプローチ牡29
カシアス牡210
フロンティア牡26
ダブルシャープ牡27
10アサクサゲンキ牡28
11ケイティクレバー牡213
12ライトオンキュー牡214
13ムスコローソ牡212
14アイアンクロー牡216
15ヒシコスマー牡211
16イシマツ牡215

LAP 12.6-10.8-11.8-12.0-12.1-11.3-11.0-11.7
通過 35.2-47.2-59.3-70.6  上り 69.9-58.1-46.1-34.0  平均 1F:11.66 / 3F:34.99

払い戻し

単勝  1 \230
複勝  1 \110 / 10 \140 / 3 \130
枠連  1-5 \530 (2)
馬連  01-10 \550 (2)
ワイド 01-10 \230 (2)/ 01-03 \210 (1)/ 03-10 \330 (3)
馬単  01-10 \840 (2)
3連複 01-03-10 \700 (1/560)
3連単 01-10-03 \2630 (2/3360)

レース分析

レースラップは以下の通りである。

12.6-10.8-11.8-12.0-12.1-11.3-11.0-11.7(35.2-34.0)

1枠ダノンプレミアムの好スタートで2歳マイル王を決める一戦の幕が開いた。ケイティクレバーがハナを切り、2番手にファストアプローチ、好位の内目にダノンプレミアムが位置を取った。中団の真ん中にタワーオブロンドン、そして中団後方にステルヴィオが続いた。

2F目はやや出負けしたケイティクレバーが押してハナを取りに行ったためペースが上がったが、3角に入って11.8-12.0とペースが緩んだ。4角でも12.1と緩んだままレースが進んだが、4角後半から出口にかけての下り坂で11.3、ラスト2F目は11.0と一気にペースが上がった。

4角で先頭のケイティクレバーの鞍上小林徹弥の手が動き、逃げ残りを図ったが、好位から楽な手応えで先頭を捕らえたダノンプレミアムが1着入線した。

ダノンプレミアムの後ろから進出したタワーオブロンドンだったが、後方から追い込んで来たステルヴィオにゴール前で交わされて3着となった。4着にはステルヴィオと追い込んで来たケイアイノーテック、5着は内から馬群を縫って差してきたダノンスマッシュが入線した。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ダノンプレミアム

抜群のスタートを決めたが、前にケイティクレバー、ファストアプローチが行ったことで少し掛かったように見えた。3番手内にポジションを取って道中ロスなく進んだ。

4角後半の下り坂でもスムースに加速して先頭に離されなかった。直線でファストアプローチが外に進路を取ったことで前が開き、楽な手応えで早々とケイティクレバーを抜き去った。

その後後続に並ばせることなく、あの位置から上がり最速の脚でゴール板を通過した。川田騎手にはゴール前で馬を讃える仕草が見られ、余裕の完勝だったと言える。来春が非常に楽しみである。

2着 ステルヴィオ

まずまずのスタートから控える形で中団後方にポジションを取った。直線入り口でケイアイノーテック、ムスコローソに挟まれて厳しい展開になったが、狭いところをこじ開けて伸びて来た。

挟まれることなくスムースに直線運べれば…とも思うが、今回ばかりはダノンプレミアムの完勝で、こちらに勝ち目はなかったかと思われる。阪神JFのオルフェーブル産駒に続く、新種牡馬(ロードカナロア)のGI勝利とはならなかったが、十分力を示すことはできた。

3着 タワーオブロンドン

悪くないスタートでゲートを出て、ダノンプレミアムの後ろにつくように中団からの競馬をとった。道中もダノンプレミアムをマークするようにレースを運んだ。

直線を向いて勝ち馬の通った進路を追って進出するも、スピードについていけず離されていった。その後しぶとく脚を使って2番手に躍り出るが、外から伸びて来たステルヴィオにゴール前で交わされて3着での入線となった。


4着 ケイアイノーテック

道中タワーオブロンドンの後ろ、中団内でレースを進めた。直線を向いたところで外に出そうとするも、ステルヴィオと進路を争う形になった。先に抜け出して外から前を懸命に追ったが、後ろから追い込んだステルヴィオに交わされて4着となった。

5着 ダノンスマッシュ

スタートで躓き、13番のアイアンクローに当たったことで出遅れるような形となった。ステルヴィオの内、中団後方にポジションを取ってロスなく道中運んだ。ケイアイノーテック、ステルヴィオが外を選択する中、ダノンスマッシュは直線で内を選んだ。内から馬群を縫って脚を伸ばし、5着での入線となった。


メートルダールの勝因とミッキーロケットの敗因は?中日新聞杯2017回顧

(C) PSPS-KIZUNA‏

悲願の重賞初制覇を、末脚一閃で決めた。

12月9日に中京競馬場で行われた中日新聞杯で、二番人気に支持されたメートルダールが鮮やかな差し切り勝ちを収めた。一番人気に推されたミッキーロケットは2着に終わった。

勝ち馬の勝因と、有力と目されていた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年12月 9日(土) 4回中京3日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第53回中日新聞杯
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 2000m 18頭立

馬名S性齢
メートルダール牡42
ミッキーロケット牡41
ロードヴァンドール牡45
ショウナンバッハ牡69
マキシマムドパリ牝54
マウントロブソン牡43
バンドワゴン牡611
ケントオー牡517
スズカデヴィアス牡66
10パドルウィール牡614
11ヴォージュ牡413
12クィーンチャーム牝515
13タイセイサミット牡410
14フェルメッツァ牡68
15ストーンウェア牡57
16レコンダイト牡716
17フルーキー牡712
18サラトガスピリット牡518

LAP 12.5-10.8-12.7-12.6-12.1-12.2-12.1-11.6-11.2-11.5
通過 36.0-48.6-60.7-72.9  上り 70.7-58.6-46.4-34.3  平均 1F:11.93 / 3F:35.79

払い戻し

単勝  13 \540
複勝  13 \190 / 10 \170 / 12 \270
枠連  5-7 \1190 (3)
馬連  10-13 \1540 (1)
ワイド 10-13 \590 (1)/ 12-13 \1050 (12)/ 10-12 \740 (5)
馬単  13-10 \2830 (3)
3連複 10-12-13 \4460 (8/816)
3連単 13-10-12 \23260 (44/4896)

レース分析

ラスト3Fがすべて11秒台で上がり33秒台の馬が多数出現する瞬発力を問われるレースとなった。その中でも勝ち馬は勝負所で早めに進出し、直線を向いたところではもう好位までポジションを上げていた。早々に抜け出し勝負を決め、競った2着以下の争いを尻目に快勝を収めた。各馬のポイントはどこにあったか見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 メートルダール

マイルを使われたりもしていたがやはり本領は中距離でこそだろう。上がり勝負にしっかり適応してかなり余裕のある勝ち方。瞬間的な脚を使うのが上手なクリスチャンとも手が合う。右回りでもこの走りが出来れば本物だ。

2着 ミッキーロケット

トップハンデを背負っての連対で悲観する内容ではなかった。ただ最速地点での反応の悪さはハンデ以上にこの馬の脆さが出た印象もある。最後は地力で連を確保したがエンジンが遅い馬であることは確か。G1でも大きくは崩れないタイプだが勝ち味にはやや遅い。

3着 ロードヴァンド-ル

金鯱賞に続いての好走となった舞台巧者。絶妙のペースで溜めて逃げられ力は出し切った。これ以上は望めない。

4着 ショウナンバッハ

最後の最後で豪快な脚を見せ3着に寸前まで迫った。崩れない馬な一方なかなか馬券内まで来られないが一定の力はある。ただ2度の斜行はいただけない。

5着 マキシマムドパリ

番手から理想の競馬は出来たが力及ばず。結局逃げ馬を捉えられてもいないあたり甘さが目立つ。混合戦ではやや足りない。

6着 マウントロブソン

2コーナーで大きな不利があり本来ならもう少し上が狙えたはずだ。最後やや止まったあたり動きも早かったか。ダッシュがイマイチで後方になり不利を受け、早めに動くが最後は失速。ちぐはぐさが目立ったレースで次走一変に注意。

9着 スズカデヴィアス

直線前が壁になる場面もあったがそれにしても伸びず。オクトーバーSを考えればマウントロブソンと1キロ差は少し見込まれた部分もある。

15着 ストーンウェア

最内で満足に追えるスペースはなく完全に度外視可能なレース。巻き返しある。

まとめ

クラシック戦線に乗れそうで乗れなかった素質馬が5歳を目前にようやくタイトルを手中に。大器がここで初タイトルで思い出すのはアーネストリー。メートルダールも同じようにG1まで手が届くだろうか。今後の躍進に期待が高まる。

文=櫻井秀幸


ラッキーライラックの勝因とロックディスタウンの敗因は?阪神ジュベナイルフィリーズ2017回顧

(C)masakin0712

2017年12月10日、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(GI/芝1600m)が行われ、リリーノーブルとの叩き合いを制したラッキーライラック(牝2/オルフェーブル産駒)が見事勝利した。

2着は3番人気のリリーノーブル、3着はマウレアとなった。1番人気に推されたロックディスタウンは直線で伸びを欠き、9着で入線した。

勝者、敗者をわけた“分岐点”はどこにあったのだろうか? 振り返っていくことにしよう。


結果・着順

2017年12月10日(日) 5回阪神4日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第69回阪神ジュベナイルフィリーズ
2歳・オープン・G1(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝・外 1600m 18頭立

馬名性齢
ラッキーライラック牝22
リリーノーブル牝23
マウレア牝24
トーセンブレス牝27
モルトアレグロ牝210
ラテュロス牝29
グリエルマ牝213
ソシアルクラブ牝25
ロックディスタウン牝21
10マドモアゼル牝211
11ノーブルアース牝215
12トーセンアンバー牝214
13コーディエライト牝26
14サヤカチャン牝28
15レグルドール牝218
16ハイヒール牝217
17ラスエモーショネス牝216
18ナディア牝212

LAP 12.4-11.3-11.6-12.4-12.2-11.9-11.0-11.5
通過 35.3-47.7-59.9-71.8  上り 70.6-59.0-46.6-34.4  平均 1F:11.79 / 3F:35.36

払い戻し

単勝  11 \410
複勝  11 \140 / 7 \180 / 4 \240
枠連  4-6 \720 (2)
馬連  07-11 \920 (2)
ワイド 07-11 \390 (2)/ 04-11 \560 (4)/ 04-07 \800 (8)
馬単  11-07 \1820 (4)
3連複 04-07-11 \2160 (3/816)
3連単 11-07-04 \8560 (11/4896)

レース分析

レースラップは以下の通りである。

12.4-11.3-11.6-12.4-12.2-11.9-11.0-11.5(35.3-34.4)

少々バラついたスタートで少女の頂点を決める一戦が始まった。好スタートを決めたラテュロスが逃げていったが、ラスエモーショネスがハナを主張したため譲る形となった。外からはコーディエライトが先頭に並びかけた。ロックディスタウンは好位の外めにつけて3角へと向かった。その後ろにリリーノーブルが位置を取り、中団外にラッキーライラック、内にマウレアで集団が形成された。

前半600mは35.3秒とまずまずのペースで、前に掛かり気味で上がって行った馬が多かった割にと行ったところ。。3角、4角に当たる4-5Fでペースが緩み、4角出口から下り坂でペースが上がった。下り坂の入り口は11.9とそこまで加速していないが、ラスト2F目は11.0と一気にペースが上がっていたのが分かる。

上位に食い込んだ3頭は、良い位置でしっかりと折り合って脚を溜めていた。今回掛かり気味で凡走した馬は、次走以降また注目した方が良いかもしれない。

中団外めで脚を溜めたラッキーライラックは直線で追い出されると、先に抜け出して先頭に立ったリリーノーブルを交わして1着、勝ち馬の後ろから進出したマウレアが3着で入線した。ロックディスタウンは掛かり気味だった。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ラッキーライラック

まずまずのスタートから中団外にポジションを取った。石橋脩騎手もコメントしている通り、これまでのレースに比べると少し後ろだったものの、しっかり折り合いをつけてレース運びができていた。

直線に向くところで少しずつ促されると、力強く伸びてリリーノーブルを捕らえた。新潟、東京と遠征を経験しており、阪神でも落ち着いてレースができた。しっかり折り合いがついて、安定して持ち味を発揮できたことが勝因。

石橋騎手はGI2勝目、2012年の天皇賞(春)以来の勝利となった。このレースはオルフェーブルが唯一大敗したレースである。オルフェーブルを負かした騎手が、今度は産駒初GI優勝に導くという奇妙な巡り合わせとなった。

2着 リリーノーブル

6番手あたりの外、ラッキーライラック前で道中レースを進めた。直線で外に出して追い出されるとラスエモーショネスを捕らえて先頭に立った。

後ろから進出したラッキーライラックと叩き合うも交わされて2着入線。折り合いをつけて絶好の位置で脚を溜めることができたが、勝ち馬とは完成度が違ったか。中一週とは思えないパフォーマンスで今後の成長が期待できる。

3着 マウレア

道中ラッキーライラックの内でじっくり脚を溜めていた。ロスのない秀逸なレースセンスを見せ、直線でもスムーズに進出することができた。

追い出されると前の2頭を懸命に追ったものの、惜しくも並ぶまでには至らず、3着での入線。まだまだ追い出してから集中しきれておらず、成長が楽しみな1頭である。

4着 トーセンブレス

後方からの競馬でレースを運んだ。4角を周って直線追い出されると良い脚で後方から一気に追い込んできた。上がり最速だったが、ラッキーライラックも同じくあの位置から最速の脚を使っており、馬券までは届かなかった。


もう少し速いペースでレースが進めばトーセンブレスの後方一気が光るレースになったかもしれない。展開の助けは多少必要なものの、良い脚を持っており、これからも注目したい1頭。

9着 ロックディスタウン

パドックと返し馬でのテンションが高いことが目立ち、煩かった。まずまずのスタートから掛かり気味に好位までポジションを上げて行った。直線で追い出されて一瞬はラスエモーショネスを捕らえて先頭に立ったように見えたものの、そこからは伸びを欠き、後ろから伸びてきた馬に次々と交わされた。

先行策は枠を考えてのルメール騎手の作戦だったのではないか。休み明けでテンションが非常に高かったことが全てであり、レース前の消耗が著しかったと考えられる。次走以降落ち着いてレースに臨める


競馬TIMESについて

keiba_times_atoz1

投稿・執筆者募集

093524

公式Twitter&FB

Twitter_logo_blue FB-f-Logo__blue_72

カテゴリー

アーカイブ

写真提供

競馬TIMESでは以下の写真家の方々にご協力いただいております

写真家一覧

※写真提供は随時募集しております。お問い合わせフォームからご連絡いただければ幸いです

ページ上部へ戻る