GI戦線で馬券に絡み続け、前走の中山記念で牡馬を一蹴したヌーヴォレコルト(牝4)。5月17日に行われたヴィクトリアマイル(GI/芝1600m)では1番人気に支持された。
しかし、前にいったストレイトガール(牝6)やケイアイエレガント(牝6)を捉えることができず、6着に敗れ去った。
なぜヌーヴォレコルトはキャリアで初めて掲示板を外すことになったのか? 敗因に迫っていこう。
想定された不安
ヌーヴォレコルトにはレース前から不安要素がいくつかあった。詳しくは以下の記事を読んでいただきたい。
●ヌーヴォレコルトがヴィクトリアマイルで危険視される理由とは?
上記の記事をまとめると……
・1番人気の期待値が低いハーツクライ産駒
・器用さはあるが絶対的な決め手がないこと
以上の不安がモロに的中したレースとなった。彼女は予想通り単勝2.2倍という圧倒的な1番人気に支持された。人気に支持されたことで明らかに“受け身”になってしまったわけだ。さらに詳しくは次章で書くが、決め手の無さが結果に直結してしまった。
4コーナーを回った時点でヌーヴォレコルトは勝ち馬のストレイトガールと1馬身差しかなかったが、ゴール板では0.6秒差をつけられている。決め手のない彼女にとって、決め手を求められる展開となったことは辛かった。
最大の敗因はスピード決着
ヴィクトリアマイルはスピード競馬になった。
勝ったストレイトガールはスプリンターズステークスや高松宮記念、そして香港スプリントで3着以内に入った経験を持つスプリンターだ。さらに2着のケイアイエレガント、3着のミナレットも1400m以下のレースで好走した実績を持っている。
さらに各馬の上がりを見てみると、1位のディアデラマドレはなんと32秒8の末脚を使っている。2位のスマートレイアーは32秒9、3位のストレイトガールは33秒フラットだった。
つまり、スプリンターが台頭するようなスピードレースなったわけだ。
ヌーヴォレコルトは桜花賞3着の実績を持っている。しかし、渋った馬場の中山記念で牡馬を一蹴したように、本質的にはスタミナ型の中距離馬だ。オークスを制し、秋華賞やエリザベス女王杯で連対を確保していることからも明らかだろう。(秋華賞やエリザベス女王杯で“ちょい負け”しているあたりが、いかにもスタミナ型らしい)
スタミナ型の中距離馬にとって、「スピードが求められるマイル戦」という舞台設定は酷だった。彼女の上がりタイム「33秒5」は、キャリア最速である。よく頑張ったし能力の高さは示した。しかし、いかんせ適正が全く合わなかった。
それがヌーヴォレコルトに対する正当な評価ではないだろうか?
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