単勝1.5倍の断然の人気馬が馬券圏外に沈んだ。

6月22日に行われたユニコーンステークス(GIII/東京ダート1800m)で1番人気に支持されたゴールデンバローズ(牡3)は、直線で伸び切れずに4着に終わった。

日本で敵なしといえるパフォーマンスを披露し、UAEダービーで4着に食い込んだダート界の新星はなぜ凡走したのか? その原因を探っていこう。


海外帰り馬の厳しい現実

大きな原因の一つとして考えられるのが海外遠征帰りという点だろう。

・日本で断然の実績(ダート3戦3勝、ヒヤシンスS圧勝)
・乗りに乗っている堀厩舎
・リーディング上位の戸崎圭太騎手
(騎手に関してはいろいろ言いたい方もいるだろうが、それでも変なジョッキーが乗るより数段マシ)

このように走る理由はいくらでもあったのだから、海外遠征後の調整の難しさに敗戦の理由を求めるのが自然だ。

実際、帰国初戦というのはとてもむずかしい。

2010年以降、海外遠征を追えて帰国初戦となった馬たちの成績を見てみよう。

(14−10−8−79)
勝率13%
複勝率29%

この数字を見ると決して低くくないし、むしろ勝率は標準以上といえる。

ただし、ここにはブエナビスタやオルフェーヴルといった稀代の名馬が含まれている。例えばここからGI馬をすべて取り除くと、面白い結果が見えてくる。

(1−3−3−15)
勝率4%
複勝率33%

ご覧のとおり、20頭以上走って帰国初戦で勝った馬は1頭しかいないのだ。

日本でGIを勝つレベルの馬であれば海外遠征も苦にしないが、GIで掲示板やGIIクラスの馬になってくると、安定した成績を残せていないということだ。

ゴールデンバローズはGI級の力を持っている。でなければUAEダービーで3着に入れない。

そんな馬であっても力を発揮できないのだから、帰国初戦というのは難しいのだ。

将来への不安、海外遠征の反動は?

今後、しっかりと調整して状態を取り戻せばダート界の主役になれる力を持っていることは間違いない。

ただし、3歳で海外遠征を行った馬はその後、大成しない傾向にある。あるいは故障したり、謎の不振に陥るケースも多々ある。

参考→ドゥラメンテの凱旋門賞遠征に「NO」!2冠馬のベストローテとは?

最近でいえばハープスターが引退に追い込まれ、キズナは故障が続いている。ディープブリランテにしても、引退レースが海外という自体になってしまった。

ゴールデンバローズも“海外遠征の余波”に見舞われる可能性はある。

とはいえ、彼の周りにはリーディングトレーナーと優秀なスタッフがいる。立て直しに期待したいところだ。

【関連記事】
メドウラークがギムレットの代表産駒へ?成長力秘めた血統に集まる期待
スマートノエル&武豊騎手が2.6秒差で圧勝!生粋のダート血統も過信は禁物?
超良血馬プロディガルサンが新馬戦を快勝!全兄リアルスティール
アルマククナが新馬勝ち!亡き父マイネルラブのラストクロップ
メジャーエンブレムやリリカルホワイトが新馬戦勝ち!血統と将来性を探る

おすすめの記事