2日に新潟競馬場で行われたGⅢ・アイビスサマーダッシュ(芝直線1000m)は、好ダッシュから外ラチ沿いを確保したベルカントが、抜群の手応えのまま持ち前のスピードを見せつけ圧勝。ここ最近は凡走続きだったが、3歳春のフィリーズレビュー以来の重賞3勝目を挙げ、再び軌道に乗れるかどうか。
ベルカントの血統はどのようなものなのか、徹底分析を行っていく。
血統評価は?
ベルカントは父サクラバクシンオー、母セレブラール、その父ボストンハーバーという血統。サクラバクシンオー産駒の当レース制覇は、08年と09年と連覇したカノヤザクラに続いて3度目。サクラバクシンオーは直線1000mコースに相性のよい血統で、父としてはコースが出来て以降全種牡馬中最多の33勝を挙げている(そのうち牝馬が20勝)。
さらに、母父のボストンハーバーもコースに相性の良い血統で、今回を含めて通算(4-1-1-9)。こちらも内3勝を牝馬が挙げている。母セレブラールも1200m戦で4連対したスプリンターだった。距離の融通性が比較的利きやすい2~3歳時には1400m重賞を2勝したが、古馬になった今は純然たるスプリンター。もともと高いスピード能力を持つ彼女にとって距離短縮はプラスで、血統も千直向きであったことが勝因だろう。
次走は北九州記念の予定だが、このレースはほとんどの年が差し決着になるレース。下りスタートの小倉1200mにハイレベルなメンバーが集うため、自ずと先行争いが激しくなるためだ。実際1200m戦になってからの9年、馬券に絡んだ27頭中11頭が4角の通過順が8番手以降だった。逃げあるいは先行脚質のベルカントにとって、いい材料とは言えないだろう。
また、アイビスSDに出走したのちに北九州記念に出走した馬は(2-0-3-42)で、アイビスSDを勝利後、次走で北九州記念に出走した馬は(0-0-2-3)。1000m戦のあとの、スタミナも要求される1200m戦とあって決していい成績とはいえない。久々の勝利で復活の狼煙をあげたベルカントだが、果たして小倉の地で待ち受ける試練を乗り越えられるだろうか。
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