4月30日に香港のシャティン競馬場で行われたクイーンエリザベス2世カップ(GI/芝2000m)で、2番人気のネオユニヴァース産駒ネオリアリズム(牡6)が、3番人気パキスタンスター(せん4)を押さえて勝利した。1番人気のワーザー(せん5)は3着だった。
ネオリアリズムの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。
目次
プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜
父 | ネオユニヴァース |
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母 | トキオリアリティー |
母の父 | Meadowlake |
母の母 | WhataReality |
性別 | 牡 |
馬齢 | 6 歳 |
生年月日 | 2011年3月22日 |
毛色 | 栗毛 |
馬主 | (有)キャロットファーム |
調教師 | 堀宣行(美浦) |
生産牧場 | ノーザンファーム |
産地 | 安平町 |
馬名意味 | 新現実主義。父、母名より連想 |
血統評価は?
ネオリアリズムは父ネオユニヴァース、母トキオリアリティーという血統だ。
トキオリアリティーは本当に優秀な繁殖牝馬で、もはや“トキオリアリティー系”ができておかしくないほど、様々な活躍馬を輩出している。特に……
アイルラヴァゲイン
リアルインパクト
レアリスタ
この3頭は競馬ファンにはおなじみだろう。
もっとも、トキオリアリティー系には欠点もあった。ズバリ「距離の壁」だ。トキオリアリティーの仔どもたちは基本的に2000m未満の距離で活躍している。
アイルラヴァゲインはNHKマイルカップ3着、その後はスプリント路線で活躍した。
リアルインパクトは安田記念の覇者で、オーストラリアのジョージライダーステークス(芝1500m)を勝っている。
レアリスタは中距離路線で活躍しているが、重賞戦線までいけないのは“トキオリアリティーの呪縛”かもしれない。
●レアリスタ、兄リアルインパクトの血統馬は“呪縛”に打ち勝てるのか?
しかし、そんな呪縛をネオリアリズムは打ち破ってみせた。これは、ネオユニヴァースの血が大きかったように感じられる。
ネオユニヴァースといえば、皐月賞と相性がいいことで知られている。自身が皐月賞馬であることに加え、ヴィクトワールピサ、アンライバルドといった皐月賞馬を輩出。皐月賞に限らず、中山の重賞レースで無類の強さを発揮する馬が多い。
なぜネオユニヴァースが中山で強いかといえば「コーナー4回」と「重たい馬場」が得意だからだ。中山は1800m以上になると、コーナーが4回になる。馬場に関しては(改修後、やや軽くなったが)中央4場の中では重たい部類に入る。
そして、今回のクイーンエリザベス2世カップ、シャティン競馬場は「コーナー4回」と「重たい馬場」という特徴を持っていた。要するに、ネオリアリズムに合ったシチュエーションだったわけだ。
次走は?
次走に関しては明言されていないが、現実的には安田記念か宝塚記念になりそうだ。
ただし、この馬のベスト条件は1800〜2000mの小回りコースだ。そう考えると、安田記念も宝塚記念もベスト条件とは言えない。どちらかといえば距離を伸ばしてでも、馬場がタフな宝塚記念に向かったほうがいいと考えられるが、帯に短したすきに長し状態といったところか。
そうなると、秋に備えて休養、ということも考えられる。モーリスを下した札幌記念から指導して秋へ、というローテーションが組まれてもおかしくはないだろう。