ゴールドシップがジャパンカップで勝つために必要な“たった1つの条件”とは?

今年のジャパンカップはゴールドシップに向くのか?

では今年のジャパンカップは、

・上がりのかかる馬場
・上がりのかかる展開

になるのか、という点を見ていきたい。

まず前者に関してだが、残念ながらゴールドシップに向いた馬場にはならない可能性が高い。23日の月曜日に行われた東京スポーツ杯2歳ステークスではスマートオーディンが32秒9という驚異的な上がりを記録している。同日の未勝利、芝2000mでも勝ち馬は33秒5の上がりを使っていた。

同じ芝2400mというくくりで見ても、21日土曜日の南武特別で33秒7という上がりが記録されている。そしてこの末脚を使った2頭はそのまま1、2着でフィニッシュしている。

要するに今の東京は速い上がりが出る馬場で、速い上がりを使った馬が上位に来るような馬場、ということだ。雨が降って劇的に馬場状態が変わらない限り、ゴールドシップ向きの馬場になることはないだろう。

では展開はどうだろうか?

今回のジャパンカップの出走馬を見渡すと、日本馬の中に逃げ馬らしい逃げ馬は不在。あとは外国馬がどうか、といったところだが、外国馬が引っ張るレースはスローになるケースが多い。(特に欧州の競馬は前半がスローなケースが多いため)

秋古馬3冠の1戦目、天皇賞秋も比較的スローペースになったし、今回はエイシンヒカリやクラレントが出てこない。ペースを作る馬がいない、ということだ。

以上のことから、ゴールドシップのスタミナが活きるようなミドル〜ハイペースにはなりづらいと考えられる。

馬場、展開、ともにゴールドシップ向きにならなさそうなのだ。

ただし、展開はどうにでもある。スロー濃厚と思われたレースが始まってみたらハイペースになった、というケースは数限りなくあるし、逆もまた然り。

今年の天皇賞春のように向こう正面から上がっていき、レースのスピードを上げてロングスパート合戦に持ち込むことができれば、チャンスが生まれてくるはずだ。

だからこそ、鞍上の横山典弘騎手がどの地点からスパートを開始するのかが最大の注目ポイントとなる。鞍上が早めに動いてペースを上げ、ゴールドシップがその指示に応えられる状態にあるなら、ジャパンカップ制覇は現実味を帯びてくる。

残り2走を楽しもう

ゴールドシップは今の競馬界で最も人気がある馬の1頭である。

2013年と14年の天皇賞春では圧倒的1番人気をあっさり裏切り、ファンをヤキモキさせたが、次走となった宝塚記念で2年連続復活を遂げてみせた。そして今年は天皇賞春を「3度目の正直」で勝ったかと思えば、宝塚記念で大出遅れをし、ファンたちから悲鳴を誘うことになった。

ただし、そのギャップこそゴールドシップの魅力であり、人々を惹きつける理由の一つだ。

宝塚記念で“失態”をした次走で、また引退レースを控えたジャパンカップでどんな走りを見せるのか。“気分屋”と言われる芦毛の怪物の気分が乗ることを、祈るばかりだ。

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