2018年8月19日、札幌競馬場で札幌記念(GⅡ/芝2000m)が行われる。出走予定馬には、ダービー馬マカヒキ、エリザベス女王杯を制したモズカッチャン、去年の札幌記念の覇者サクラアンプルールがいる。スーパーGⅡという名にはふさわしいメンバーが揃った。
札幌競馬場で開催された札幌記念の過去10回を見ると、1番人気が2勝しかしておらず、2着が5回もある。面白いことに1倍台に支持された4頭がすべて2着になるなど、人気サイドの馬が勝ち切れないという不思議な結果がある。裏を返せば、伏兵馬に何かやられてしまっている。特に去年はかなり大荒れになった。
スーパーGⅡにふさわしい馬が勢ぞろいしたが、一方で圧倒的な人気馬が不在でどこかに不安を抱える馬が多い。データから危険な人気馬をあぶりだし、買い目を少なくしていきたいものだ。
目次
データ① おじさんと若者は厳しい?
年齢別の成績は4歳、5歳、6歳がいずれも3勝を挙げており、この3世代が力を発揮している。3歳勢はわずか1勝2着1回だが、斤量3キロ減で本来であれば有利なのにこの結果は少し物足りない。この1勝はハープスターによるもので、2着はブエナビスタによるものだ。ハープスターもブエナビスタも3歳クラシックを席巻し、ブエナビスタに至っては札幌記念を勝って凱旋門賞に向かう青写真を描くほどだった。
7歳以降に至っては1勝もしていない。2着は3回あり、去年のナリタハリケーンは8歳馬だった。ナリタハリケーンは芝に実績がなかったというよりは、札幌記念までの3戦でこれまでダートばかり走っていたとは思えない安定した結果だったことやファビラスラフインの血が入っているなど良血だったこともあったのかもしれない。いずれにしても、7歳以降の勝利はなく、ネオリアリズムやサクラアンプルールにはやや嫌なデータか。
3歳勢で見ればゴーフォザサミットやアイトーンがいるが、良績を残した馬はいずれもGⅠ馬だったことがどうか。ゴーフォザサミットは青葉賞を制しているが、札幌での新馬戦は1秒差の5着に敗れている。ここまで1番人気になったことがないなど、マークから外されての結果とも思える。斤量で本来有利の3歳勢、一線級に足りないか。
データ② 勢いは逆に意味がない?!
過去10回のデータには信じられないデータもある。それが前走1着馬の結果である。なんと過去10回で1回も優勝しておらず、2着が3回となっている。相性のいい函館記念を制した馬も出たが、3着が最高である。特に2009年のサクラオリオンは函館が改修工事で札幌での代替開催、つまり札幌記念と同じ舞台で勝っていた。それでも3着に終わってしまった。
今回該当するのは準オープンを制した2頭、その中にダービー4着のマイスタイルもいるが、準オープン組は2007年のアグネスアーク以来来ていない。しかもこの時のアグネスアークは準オープンで3着に敗れていた。つまり、下級条件を勝って札幌記念に臨んだ馬は1頭も馬券圏内に絡んでいない。勢いは必要ない。いるのは力か。
データ③ その他データあれこれ
前走のクラス別で見るとオープン特別組は、延べ16頭が挑戦し1頭も馬券圏内に絡んでいない。スーパーGⅡということもあり、格がモノを言う可能性が高い。アストラエンブレムやアイトーンにはやや厳しいデータとなっている。
距離別で見ると距離延長も短縮も同距離も成績に差はそこまで見受けられない。しかし、細かく見ていくと距離延長組も前走1800メートルに良績が集まり、マイルはやや苦戦している。モーリスやホエールキャプチャといったGⅠ馬ならば大丈夫だったが、サングレーザーのようにやや距離が短いところでやってきた馬にはどうか。洋芝適性でごまかしきれるか。
まとめ
上位馬の多くは不安要素があまりなかった形だが、全くないわけでもない。例えばマカヒキはジャパンカップ以来9か月の休み明けとなる。レッドディザイアが有馬記念以来の休み明けで3着に入ったのが精いっぱいだった。
モズカッチャンはドバイシーマクラシックからの参戦となったが、前走海外組が好走したのはドバイターフ以前のドバイデューティーフリーや香港のレースだった。2400メートルからの距離短縮はハープスターやブエナビスタが結果を残し、もっといえば3歳勢以外の成績となるとデータ的には強調できない。
明確に消せる馬がまたいないのも困りものだが、サングレーザーやマイスタイルなど乗り越えるべきハードルがやや高い馬がそこそこいた。乗り越えられるかどうか、そこで検討するのがいいだろう。