ポルトドートウィユと武豊騎手をつなぐ“絆”!日本ダービーへ必勝体制

ポルトドートウィユが5月9日に行われる京都新聞杯(GII/芝2200m)に出走する。

きさらぎ賞(GIII/芝1800m)で2着となり、クラシック戦線に名乗りを挙げたポルトドートウィユは前走の若葉ステークスでまさかの4着となり、皐月賞(GI/芝2000m)への出走権を取り逃した。賞金額が微妙と判断すると、早々に目標をダービーに切り替えて1冠目をパス。必勝体制でここへ挑んでくる。

今回は栄光の舞台を目指す良血馬の背景と、鞍上の武豊騎手との“物語”に迫ってみよう。


目次

勝利を約束された系譜

「ポルトドートウィユ」はお世辞にも言いやすい名前とはいえない。非常に実況泣かせの名前ではある。実はこの名前には深い意味がある。凱旋門賞(仏GI/芝2400m)が行われるロンシャン競馬場へ向かうための最寄りの駅が由来になっているのだ。日本競馬界の悲願といえるレースに関連した名前というわけだ。

期待の高さは一口クラブの募集価格にも表れている。総額1億2000万円、一口では300万円と破格の内容で募集がかけられた。兄にGI馬ドリームジャーニーを持つあのオルフェーヴルでさえ150万円だったことを考えると、いかに高額な設定かうかがえる。

強気の金額設定の背景にはポルトドートウィユが持つ日本屈指の“血の系譜”がある。

3代母(曾祖母)は数々のGIホースを輩出したダイナカール。祖母は女帝エアグルーヴで、母のポルトフィーノにしてもOP馬でGI出走歴がある。そして、父は言わずと知れたディープインパクトだ。

勝利はもちろん、GIタイトルを手にすることが約束されたと称されても異論はない。それだけ競馬関係者が注目する馬というわけだ。

武豊騎手との出会いとその想い

ポルトドートウィユはデビューして6戦を消化。本来であれば6戦内で2勝を挙げている福永祐一騎手がそのまま主戦を担うことになるのだろう。しかし、福永騎手は皐月賞2着馬リアルスティールの主戦ジョッキー、しかも馬主は同じサンデーレーシングということで、鞍上変更を余儀なくされている。

ただ、武豊騎手に白羽の矢が立ったのは何も偶然ではない。

その大きな要因こそ、“血統背景”だ。

ポルトドートウィユの祖母にあたるエアグルーヴはキャリア19戦の内、14戦で武豊騎手が手綱を取っている。制したオークスと天皇賞秋のパートナーも武豊騎手だ。

祖父のクロフネはGI2勝を武豊騎手ともに挙げているし、母ポルトフィーノにしてもデビュー以来、主戦を務めたのは武豊騎手だ。そして極めつけに父がディープインパクトとなれば、武豊騎手が鞍上に選ばれて騎乗することに何の違和感もない。むしろ“乗るべくして乗っている”という印象を受けるのではないだろうか?

夢をつなげるか?

若葉Sでまさかの4着に終わったため、京都新聞杯では結果が求められる。ダービー出走のために、これ以上の失敗は許されない。万が一、出走できないとなると、この馬に携わった関係者の期待を大きく裏切ることになってしまう。そのことは武豊騎手が一番理解しているはずだ。

超一流の血統背景を持つポルトドートウィユと、彼の体内に流れる血を知り尽くした武豊騎手。そのコンビが日本ダービーに出走することになれば、競馬ファンとして“新たな夢”を見られることに違いない。

京都新聞杯でどのような走りを見せるのか。注目だ。

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