6月21日に東京競馬場で行われた新馬戦(ダート1400m)でシニスターミニスター産駒のマイネルバサラ(牡2)がデビュー勝ちを飾った。

道中、後方から競馬を進めたマイネルバサラは絶望的と思われた位置からぐんぐん加速し、先行馬を捉えきった。豪快な差し脚だったため、「ブロードアピール級」と話題となっている。

●JRA公式レース動画→東京6R

ただし、レースのラップを見てみると、その“カラクリ”が一目瞭然で分かることをお伝えしておきたい。


“ブロードアピール級”のカラクリ

まずはラップを見ていただこう。

12.7-10.9-11.6-12.0-12.4-12.9-14.1

逃げて3着に粘ったクリムゾンバローズは残り200m地点まで先頭だった。よって、ラスト1ハロンまでは「レースラップ=クリムゾンバローズのラップ」ということになる。数字の推移を見ると、前半から速い脚を使っていたことが分かる。そして4ハロン目からどんどん減速し、ラスト2ハロン目にはほぼ13秒台まで落ちた。

そこから1ハロンはほぼノーフォロワー(2着)のものであるが、バテた逃げ馬を差した馬のラップがなんと14秒台だった。つまり、先行勢はバテバテだったのだ。

だからこそ、マイネルバサラが伸ばした末脚が届いたといえる。

事実、マイネルバサラはこれだけ豪快に差したように見えて上がり1位ではない。上がり1位は37.1秒を使ったナンヨーファミユ(5着)。マイネルバサラの上がり3ハロンが37.9秒だから、0.8秒も速い末脚を使ったことになる。

“ブロードアピール級”に見えた脚より0.8秒も速いなら、その馬が勝ち馬になっているはず。しかし、現実には5着に甘んじている。

つまり、このブロードアピール級の末脚は「先行勢の失速が招いた目の錯覚」のようなものだったのである。

血統評価は?

マイネルバサラは父シニスターミニスター、母サザンレイスター、その父サザンヘイローという血統をしている。

シニスターミニスターはインカンテーションやダブルスターといったダートの重賞ウィナーを輩出している。ただし、母は中央未出走、母母のレディプロフィールも中央で未勝利と、母系にスケール感は感じられない。

競走内容と血統を見ると、過度な期待を寄せるのは酷というものだ。次走、仮に人気になるようなら「嫌って妙味あり」ということができそうだ。

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