ジャパンカップ2017の予想分析…キタサンブラックと武豊騎手、4つの好材料と唯一の不安

秋2冠へ、最高の引退の花道作りへ――。

2017年11月26日、東京競馬場でジャパンカップ(GI/芝2400m)が行われる。キタサンブラック、レイデオロ、サトノクラウン、ソウルスターリング、シュヴァルグランらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

一番人気に支持されることが確実なのが、キタサンブラックと武豊騎手だ。秋の天皇賞で見事な復活を果たした現役最強馬がどんなレースを見せるのか、大きな注目を集めている。

では、キタサンブラックは秋二冠目を勝ち取れるのか? その可能性に迫っていこう。


目次

好材料① 叩き2戦目は4戦全勝

まずローテーションはいい。キタサンブラックが最も得意としている叩き2戦目で、今までの傾向から考慮すると死角は見られない。

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間隔 着別度数
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3週 1- 0- 0- 0/ 1
4週 3- 1- 1- 0/ 5
5~ 9週 2- 0- 2- 2/ 6
10~25週 4- 1- 0- 0/ 5
初出走他 1- 0- 0- 0/ 1
明け2戦 4- 0- 0- 0/ 4
明け3戦 0- 1- 2- 1/ 4
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ご覧の通り、叩き2戦目は4戦4勝。休み明けと並び、最高の成績を残している。

キタサンブラックの戦績を振り返ると、休み明け&2戦目で盤石の勝利→3戦目でパフォーマンスを落とす、という傾向が続いてきた。今回は叩き2戦目。少なくともここまでは良いパフォーマンスを維持してくると考えるのが打倒だろう。

好材料② 東京5戦4勝GI2勝

そして東京コースもいい。5戦4勝、うち2つはGI(天皇賞秋と昨年のジャパンカップ)と、絶対の強さを見せている。

唯一、日本ダービーでは大敗してしまったが、この頃はまだ馬が本格化していなかった。加えて、ダービーでは致命的な不利となる大外枠を引いてしまったことも大きかった。

本格化し、絶好の枠順を引いたことで、舞台設定に不安はない。

好材料③ クラシックディスタンスでの絶対的な強さ

キタサンブラックのもう一つの特徴として挙げられるのが、いわゆるクラシックディスタンス(根幹距離=400mで割り切れる距離)で圧倒的な成績を残していることだ。

距離別の成績を見てみると……

根幹距離(7−1−1−1)
非根幹距離(4−1−2−1)

ご覧の通り、根幹距離では7勝を挙げている。これを古馬になってからに絞ってみると……

根幹距離(6−1−0−0)
非根幹距離(0−1−1−1)

ご覧の通り、差は明らかだ。今回のジャパンカップは2400m。この点を見ても「今回は走る番」と判断できるわけだ。

好材料④ 最高の枠順

ダービーの大敗は枠順が大きく影響していた。このため、どの枠に入るのかには大きな注目が集まっていた。

結果、引いたのは2枠4番。これで外枠に伴う不利の心配はなくなった。

このように、今回に関しては好材料が揃っている。普通に走れば、普通に“いつもの着順”に収まる可能性が高いと言えるだろう。

不安要素 好材料が揃いすぎた天皇賞秋

では、あえて不安材料を挙げるとするなら何か? それは、天皇賞秋からの条件的な上積みがあまり見込めないことだろう。

天皇賞秋のときは、宝塚記念からの条件的な上積みが数多くあった。

・天皇賞春の反動 → 休み明けで余力たっぷり
・過去10年で春古馬王道路線連覇はなし → 天皇賞秋を休み明けで勝つ実力馬は多数いる
・グランプリは3回走って勝利ゼロ → 実績のある東京GI、2000mGI
・叩き3戦目はパフォーマンスを落とす傾向に → 休み明け
・武豊騎手もグランプリは久しく勝っていない → 天皇賞秋5勝、昨年はJCを制覇

今回は、それに比べると条件的にあまり変わらない。

もっとも、条件的にいい状態が続くのだから、大きな不安要素とはならなさそうだ。

まとめ

引退まで残り2戦となったキタサンブラック。最後の府中で、どんな走りを見せてくれるのか? 戦いのファンファーレは26日、15時40分頃に鳴り響く。

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