天皇賞春2018の競馬予想分析…クリンチャーが抱える3つの不安

2018年3月18日、阪神競馬場で阪神大賞典(GⅡ/芝3000m)が行われる。クリンチャー、アルバート、サトノクロニクル、レインボーラインらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

クリンチャーは昨年の菊花賞で2着。続く京都記念では、アルアイン、レイデオロ、モズカッチャン、ディアドラと、同世代のGⅠ馬4頭をまとめて負かして重賞初制覇を飾った。

今回はGⅠ馬がシュヴァルグラン1頭だけというメンバー構成で、菊花賞2着の実績からも上位人気の一角となることは確実。前走の阪神大賞典は3着と1番人気を裏切ったが、今回は狙えるのか、狙えないのか。不安要素に絞って検証していく。


目次

不安① 速い時計への対応

昨年は3.12.5の世界レコードで決着。レースの上がり3Fを見ても、近年は34秒後半~35秒前半が記録されている。長距離戦もスピード化してきており、GⅠともなれば速いタイムへの対応力が求められる。

クリンチャーが2着だった菊花賞は不良馬場でレースの上がり3Fが40.0秒、勝った京都記念も重馬場でレースの上がり3Fが36.3秒。時計がかかったレースで良績を残している。皐月賞でマークした走破タイム1.58.1は評価できるものの、上がりの速い勝負となったときに不安がある。

不安② 本質的な長距離適性は…

前走の阪神大賞典は、単勝1.9倍の1番人気に支持されながら3着。前半で掛かってスタミナを消耗してしまい、ラストの伸びを欠いた。菊花賞で2着と好走しているものの、当時は3歳馬同士の戦いで、超が付くほどの不良馬場で特殊な条件でもあった。長距離適性に関しては、まだ不明確な部分が大きい。

また、ディープスカイ産駒は芝で挙げた31勝のうち23勝が2000m以下。2500m以上の長距離は【2・3・4・20】で、2勝はいずれも未勝利戦でマークしたもの。特別戦では【0・1・2・13】と結果が出ていない。

母系を見ても、現役の半兄ワキノブレイブ(父マイネルラヴ)は全6勝が芝1400m以下で、叔母のミスイロンデルは唯一の重賞勝ちがダート1400mの兵庫ジュニアグランプリ。近親馬の多くは短~中距離で活躍している。本質的な長距離適性には疑問符が付く。

不安③ 急な乗り替わり

前走に続いて騎乗予定だった武豊騎手が、22日の京都競馬で開催4日間の騎乗停止処分を受け、急遽乗り替わりとなった。三浦皇成騎手に白羽の矢が立ったが、前走で折り合いの難しさを見せたこともあり、テン乗りでは不安がある。

三浦騎手はJRA・GⅠで72戦して未勝利。さらに、京都芝の成績は【1・2・3・68】と、関西圏のレースでは信頼度が落ちる。

まとめ

未勝利戦を単勝244.8倍の14番人気で勝ち、菊花賞は10番人気で2着と、低評価に反発するような走りを見せてきたクリンチャー。今回も不安要素を蹴散らし、あっと驚く激走を見せるか。

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