11月22日に京都競馬場で行われたマイルチャンピオンシップ(GI/芝外回り1600m)は、4番人気のモーリスが大外から豪快に差し切り、GI2勝目を挙げた。春の安田記念に続くマイルGI勝ちにより、現役最強マイラーの評価を確固たるものとした。
モーリスの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。
血統評価は?
モーリスは父スクリーンヒーロー、母メジロフランシス、その父カーネギーという血統。
スクリーンヒーロー産駒はマイルチャンピオンシップ初制覇となった。
種牡馬としてスクリーンヒーローは地味な存在でしかなかったが、大物モーリスを輩出したことにより評価は揺るぎないものとしつつある。最近はゴールドアクターがアルゼンチン共和国杯を制覇。ミュゼエイリアンやグァンチャーレなど、産駒数が少ない中できっちりと重賞ウィナーを出している。
種牡馬としてのポテンシャルはリーディング上位に引けをとらない。
母メジロフランシスは未勝利に終わったものの、母系を遡ると才能溢れる馬たちに巡りあう。祖母メジロモントレーはアルゼンチン共和国杯やAJCCなど2000m超の重賞4勝。さらに4代母メジロボサツは朝日杯3歳ステークスや、当時2400mで施行されていた函館記念を勝っている。
母系としてのポテンシャルはまずまずといったところ。
モーリスが爆発的な力を発揮する理由として、配合があげられる。
スクリーンヒーローは欧州血統との相性が良い。ミュゼエイリアンは母父エルコンドルパサーで、その母父はサドラーズウェルズ。ゴールドアクターは母母父が仏GⅠ2勝のマナード。そしてモーリスは母父が凱旋門賞馬のカーネギーとなっている。
「ポテンシャルの高い父+ポテンシャルを秘めた母系+相性の良い配合」により、モーリスが誕生したと考えられるのだ。
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