(C)raracame15c

2018年9月30日、中山競馬場でスプリンターズS(GⅠ/芝1200m)が行われる。ファインニードル、レッドファルクス、アレスバローズ、レッツゴードンキ、セイウンコウセイらが出走する。

今年もサマースプリント王者がこのスプリンターズSに参戦する。アレスバローズだ。

現在重賞2連勝中で勢いに乗るディープインパクト産駒の同馬であるが、このままの勢いでGⅠ初制覇を成し遂げるのかどうか。中間の動きなどから馬自体の体調は好調を維持しているようだが……ここでは、そのデータ的な厳しさを物語る3つのポイントについて解説する。


ポイント① サマースプリント王者は本番では苦戦?

サマースプリントシリーズが現行のレース体系になったのは2012年からだ。2012年以降のサマースプリント王者が、同年のスプリンターズSに参戦した場合の着順と合わせて挙げてみる。

2012年 パドトロワ 8着
2013年 ハクサンムーン 2着
2014年 リトルゲルダ 出走せず
2015年 ベルカント 13着
2016年 ベルカント 10着
2017年 ラインミーティア 13着
2018年 アレスバローズ ?

ハクサンムーンの2着はあのロードカナロアと渡り合ってのもので評価できるものであるが、基本的にサマースプリントシリーズ制覇に求められる適性と、スプリンターズSでの好走に求められる適性は違うことがわかる。

サマースプリントシリーズはアイビスサマーダッシュ(直線コース)や北九州記念(小回り平坦コース)が含まれるため、底力よりは軽快なスピードが重要なのだろう。サマースプリントを連覇した快速牝馬ベルカントが、2年続けてサッパリだったのがそれを裏付けていると言えよう。

アレスバローズ自身は末脚も切れ、スプリンターにしては珍しい父(ディープインパクト)・母父(トニービン)共に中距離志向であるものの、このサマースプリント王者が苦戦するデータを覆す材料になるかは定かではない。

ポイント② 本番での乗り替わりは苦戦傾向

過去10年を遡ってみても、前走と異なる騎手が騎乗する所謂「乗り替わり」でスプリンターズに挑んだ馬は連に絡んでいないという事実がある。3着内に対象を広げてもその割合は約8%と非常に低い数値となっている。

近年はたとえ乗り替わりになっても、有力騎手に有力馬が集中する傾向があるだけに、このデータは意外と言えば意外だが、この時期は乗り替わりで結果を出す外国人ジョッキーがヨーロッパのシーズン中につき短期免許で来日しないのも影響しているか。

アレスバローズは今回、前走北九州記念を勝利したときの菱田騎手から藤岡佑介騎手への乗り替わりで参戦。乗り替わりの経緯があまりツキのある感じではないと噂されているので、風向きはそれほど良くないのは事実。藤岡佑介騎手自体は、今年のNHKMCでケイアイノーテックを乗り替わりで人馬とものGⅠ初制覇に導いているが果たして。

ポイント③ ディープインパクト産駒のスプリントGⅠは……?

ポイント①でも触れたものの、アレスバローズは父がディープインパクト、母父トニービンという中長距離志向の配合である。

ディープインパクト産駒は初重賞制覇となったダノンバラードから数えて、障害レースを含め重賞を181勝している。これは驚くべき数字であるのは確かだが、出走数が1678回とう事実も差し加えた上で、スプリントGⅠの勝利がないというのは気になる材料だ。

ディープインパクト産駒では特異なほどテンからのスピードに優れていたあのミッキーアイル(NHKMC、マイルCSを勝利)でさえ、ついにスプリントGⅠには手が届かなかった。今回、アレスバローズがその歴史を塗り替えることが出来るかどうか。

<まとめ>

以上、アレスバローズの戴冠には厳しい状況となっている3つのポイントについて解説したが、アレスバローズはこれらのポイントをクリアして逆転できるかどうか。現時点でデータ的には難しい材料が揃っている。

おすすめの記事