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地方馬初のクラシック制覇へ――。

2018年3月18日、中山競馬場でスプリングステークス(GⅡ/芝1800m)が行われる。去年の朝日杯フューチュリティステークスで2着だったステルヴィオ、共同通信杯で2着だったサトノソルタスなどが出走を予定しているが、そんな中で大きな期待を集めそうなのがホッカイドウ競馬に所属するハッピーグリンだ。前走のセントポーリア賞では中央馬相手に快勝し、話題を呼んだ。ホッカイドウ競馬所属馬がクラシック競走に挑戦となると、2004年のコスモバルクを思い出す人も多い。その挑戦権を獲得するためにも、ここは何が何でも3着以内に入りたいと思うはずだ。

ハッピーグリンがスプリングステークスでライバルに勝る要素はいくつかある。クラシック戦線をさらに盛り上げる存在になり、地方の意地を見せられるか、ハッピーグリンに期待が集まっている。


要素① 格より勢い

スプリングステークスの過去10年を見ると前走重賞組が5勝しているが、前走500万下で1着だった馬が現在4連勝中である。その中には先日引退したキタサンブラックも含まれている。前走500万条件のセントポーリア賞を快勝したハッピーグリンもこれに該当する。好走の条件には合致しており、同じ条件に該当しているのはハッピーグリンの他に2頭のみだ。しかも東京とはいえ、芝1800mでの勝利となればポイントは高い。この舞台はコスモバルクが中央競馬で初勝利を挙げた舞台でもある。弥生賞に有力馬が集まった一方でスプリングステークスは手薄になった。2歳の時にはオープン特別で短距離と中距離で2戦連続3着がある。地力で言えば決して劣っているとは言えないだろう。

ちなみに中央初挑戦で3着だったコスモス賞で勝ったのがステルヴィオだが、その時はわずかコンマ2秒差だった。十分に巻き返せる差である。

要素② 上がり3ハロンの脚

前走のセントポーリア賞で快勝したハッピーグリンだが、上がり3ハロンのタイムが普段ダートでしか走らない地方馬とは思えない最速のタイムをたたき出す。上がり3ハロン33秒3はかなり優秀だ。上がり3ハロンのタイムだけを見れば十分に勝負ができる。問題は今の荒れた中山競馬場で意味があるかどうかだが、今年行われた弥生賞で上がり3ハロンのタイムが最速だったワグネリアンで33秒7だ。十分にその脚を活用できるし、多少外に回しても十分差し届くだけのスピードは持っている。また前走に引き続き大野拓弥騎手が手綱を握る。中山競馬場はトリッキーであり、名手ですら苦手とする競馬場だ。乗り慣れた騎手が乗るからこそ仕掛けどころがわかる。

ハッピーグリンと同じような上がり3ハロンの脚を使う馬にゴーフォザサミットとサトノソルタスがいる。しかし共同通信杯ではゴーフォザサミットはかなり後方で競馬を行い、サトノソルタスも中団待機。最低でもハッピーグリンはこの馬たちより同じ位置か少し前で競馬ができるので有利な立場にある。

要素③ 輸送もクリア

地方競馬所属の馬にとって輸送はかなりナーバスな問題である。今年は地方所属馬の中央参戦が目立つが、共同通信杯に参戦したリュウノユキナは船橋競馬に所属を変えて臨んだが最下位に沈んだ。ホッカイドウ競馬では冬場はオフシーズンとなり、多くの馬は別の競馬場に所属を変えて競馬を続けるが、環境も調整方法も大きく変わる。なかなか結果を出せない馬が多い中で、ハッピーグリンはそのままホッカイドウ競馬の一員として戦いを挑み続けている。

その結果、輸送をクリアし勝ってみせた。その経験は今回も活かされるであろう。冬の時期は他の競馬場に移ってしまう馬が多い中で、ハッピーグリンの快走は多くのホッカイドウ競馬関係者に希望を与えるものだ。ゲート練習で早めに中山競馬場入りするが、その影響も問題ない。

まとめ

スプリングステークスは皐月賞に向けたトライアルレースであるが、あくまでも皐月賞をメインにする馬とどうしても優先出走権を獲得したい馬では温度差がある。中央馬は抽選を覚悟すれば多少賞金が少なくても出走できるチャンスがあるが、地方馬は決められたレースで一定の成績を出さないと出走できない。ハッピーグリンはそんな1頭だ。1戦1戦が勝負であり、気を抜けない。そういう意味ではちゃんと勝負をかけることは明らかだ。

ハッピーグリンの先輩、コスモバルクはクラシック戦線で活躍はしたが、タイトルは最後まで勝ち取れなかった。ちなみに、この年のダービー馬は今は種牡馬として大活躍のキングカメハメハだ。今年のクラシック戦線にも役者が多くいる。その中でハッピーグリンがどこまで頑張れるか。持っている才能を出し切れば十分に勝機はある。

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