先週、高松宮記念で春のGIシリーズが本格的に開幕した。香港馬のエアロヴェロシティ(騙7)が勝利を収め、売り上げ、入場者数ともに前年を大幅に上回るなど、好スタートを切った。
今週はGIのない“谷間の週”だ。しかし、普通の“谷間の週”ではない。GI馬7頭が集結する“超GII”産経大阪杯があるのだ。
ダービー馬キズナ、皐月賞馬イスラボニータとロゴタイプ、天皇賞秋馬スピルバーグなど、超豪華なメンバーが集った。もはや普通のGIよりワクワクするレースといっても過言ではない。
そんな大阪杯を当サイト編集長のJINが展望する。
産経大阪杯出走予定馬
2015年 4月 5日(日) 2回阪神4日目 15頭 [仮想出馬表] 【11R】 第59回産経大阪杯
4歳以上・オープン・G2(別定)(国際)(指定) 芝2000m・内 (B)
馬名 | 性齢 | 斤量 |
---|---|---|
イスラボニータ | 牡4 | 58 |
エアソミュール | 牡6 | 57 |
カレンブラックヒル | 牡6 | 57 |
キズナ | 牡5 | 57 |
キングズオブザサン | 牡4 | 56 |
ショウナンパンドラ | 牝4 | 55 |
スピルバーグ | 牡6 | 58 |
ゼロス | 牡6 | 56 |
タガノグランパ | 牡4 | 56 |
ダノンヨーヨー | 牡9 | 56 |
デウスウルト | セ7 | 56 |
トラストワン | 牡7 | 56 |
ムスカテール | 牡7 | 56 |
ラキシス | 牝5 | 55 |
ロゴタイプ | 牡5 | 57 |
中心となるのは間違いなくキズナだろう。ダービー馬であり、昨年の大阪杯を制している。前走は骨折明けの影響もあって3着に敗れたが、状態は上がっているはず。1番人気に支持されることだろう。
ただ、馬券的な妙味からいくと、信頼しすぎるのはよくないという印象を受ける。前走は休み明けだったとはいえ、あの条件で差しきれないというのはいささか不満。「叩き2戦目=前走より走る」というのも安易な発想だ。
ディープインパクト産駒のダービー馬で鞍上武豊騎手、さらに叩き2戦目ということで過剰人気は必至。おそらく単勝は2倍台後半、ついても3倍台前半になる。能力が高いのは間違いないが、果たしてこのメンバーで10回走って3回以上勝てるほど抜けた馬だろうか? 基本的は疑ってかかりたい。
次に人気になるのはスピルバーグだろう。完全に本格化し、昨秋は天皇賞秋でGI初制覇を達成。ジャパンカップでも3着に好走した。今年は英国遠征を見据えているため、ここで無様な走りはできない。
イスラボニータは休み明けの中山記念で圧倒的な1番人気を裏切った。叩き2戦目でどこまで巻き返すか。さらに牝馬ながら有馬記念で6着となったラキシスも有力馬の1頭だ。エリザベス女王杯で牝馬の頂点に立ち、牡馬との対戦においてもオールカマー2着の実績がある。侮ることのできない1頭だ。
1頭注目馬を挙げるとするならデウスウルトか。今回はGI馬が集結することで人気にならないはず。しかも7歳馬ということで嫌われるのは必至だ。
しかし本格化以降の走りは安定して、このメンバーに入っても無様な走りはしないだろう。休み明けのGI馬より実力を発揮する可能性が高い反面、人気にはならないだろうから、期待値が高い馬の1頭として注目しておきたい。
どんな結果に終わるか分からないが、この中から必ず、2015年のGI戦線の主役を担う馬が誕生するはずだ。GI以上に豪華なGIIの激戦に期待したい。
(一部を『JIN競馬』より抜粋)