6月24日に大井競馬場で行われた帝王賞(GI/ダート2000m)で1番人気のホッコータルマエ(牡6)が勝利を収めた。ホッコータルマエによって9つ目のGIタイトルとなり、ヴァーミリアンやエスポワールシチーといった歴代の名馬たちに肩を並べた。
ホッコータルマエの血統はどのようなものだろうか?徹底分析を行っていこう。
血統評価は?
ホッコータルマエは父キングカメハメハ、母マダムチェロキー、その父Cherokee Runという血統。
キングカメハメハは現役時代にNHKマイルカップと日本ダービーを制した芝馬だが、もともとダートに強いミスタープロスペクターの系統のため、砂適正が高い。実際、ダートで活躍する産駒は多く、今年のリーディングサイアー争いでぶっちぎりの1位を走っているのはダートの勝ち鞍が多いのがひとつの要因といえる。
母父のCherokee Runと母母父のアンブライドルドはいずれもブリーダーズカップの勝ち馬。特にアンブライドルドは種牡馬として大成功していて、現在米国のトップ種牡馬であるタピットも母父にアンブライドルドを持っている。
ただでさえダート適性の高いキングカメハメハに、ダートの本場アメリカの名血が入ったことでホッコータルマエのような大物が生まれたわけだ。
レースの評価は?
ドバイ帰りということで必ずしも万全の状態ではなかったと推測される。そんな中、圧倒的1番人気の支持を集めて周囲が“タルマエ包囲網”を敷く中で勝ち切ったのだから恐れ入る。
事実、クリソライトと武豊騎手はホッコータルマエを潰しに来ていた。レースのラップを振り返ってみると……
12.3- 11.4- 11.5- 12.6- 12.1- 12.0- 12.1- 12.8- 12.5- 13.4
前半からペースが流れたため、完全な消耗戦となった。最後の1ハロンは13.4秒もかかっている。ホッコータルマエが負けるとしたら消耗戦が濃厚だと考えられた。だからこそ、武豊騎手はハイペースを演出したのだろう。
しかし、自身に向かない展開の中でも押し切ってみせた。ホッコータルマエの力が1枚も2枚も上だったということだ。まさに“ダート王”の冠がふさわしい。
今年で6歳になり衰えも出始める頃だが、この日のパフォーマンスを見る限り、まだしばらくダート界はホッコータルマエを中心に回っていきそうだ。
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