新馬戦がスタートして2週目となり、先週も2日間で5つの新馬戦が行われた。
現3歳世代のGI勝ち馬を見ると阪神ジュベナイルフィリーズ馬のショウナンアデラ、朝日杯フューチュリティステークス馬のダノンプラチナ、桜花賞馬のレッツゴードンキ、NHKマイルカップの覇者クラリティスカイと、夏競馬期間中にデビューした馬が多く勝利している。近年は夏の2歳戦の重要度が増しているわけだ。
そこで今回は先週行われた新馬戦の中から4レース勝ち馬をピックアップしてみた。
新種牡馬アンライバルド産駒が勝利!
【土曜日】
東京5R(芝1400m)
1着 トウショウドラフタ
好スタートから2番手を追走し、直線では楽に抜け出して2馬身半差の快勝だった。父アンライバルドはネオユニヴァースの初年度産駒で09年のGI皐月賞を制した。母ウイッチトウショウは1戦して未勝利だったが、その母サマンサトウショウはGIIIエプソムカップを制し、GIマイルチャンピオンシップでも3着となった実績馬。その仔のタバサトウショウは、ハーツクライなど強力牡馬相手に宝塚記念などGI3勝の名牝スイープトウショウを産んでいる、トウショウ牧場の牝系だ。
また、本馬の父母父サドラーズウェルズと母父母ナンバーは4分3同血であり、3×3のニアリークロスが成立している。どちらかというとスタミナ型の父アンライバルドから1400mで先行できるスピードを持つ本馬が誕生したことは、牝系と、このニアリークロスの影響が強いのではないか。地味ながら良血で、配合も面白く将来が楽しみな1頭だ。
世界的な明血が母系に流れる
【日曜日】
東京5R(芝1800m)
1着 メジャーエンブレム(父ダイワメジャー)
早め抜け出しで2着プランスシャルマンの追撃を凌ぎ切った。父はサンデーサイレンス産駒でノド鳴りの手術を乗り越え、2000m以下のGIを5勝したダイワメジャー。母キャッチータイトルはオペラハウス×レインボークストという血統の通り2000m以上で5勝し、オープンまで出世した。産駒には本馬と同じダイワメジャー産駒の2頭が勝利を挙げているが、どちらも1800m以上のみの勝利でありスタミナに優れた母といえるだろう。
芝に対応できるスピードや軽さを兼ね揃えているのは父の他に父父父ヘイローと母系にあるレッドゴッドやポリッシュプレジデントの影響が強いように思える。本馬も兄同様に堅実な競走生活が送れそうだ。
東京6R(芝1600m)
1着 リリカルホワイト(父ダイワメジャー)
中団の内目を追走し、直線前が開くとアッサリ抜け出して快勝。母リリウムは未出走、その母ベゴニアもアメリカで未勝利だったが、その母が牡馬相手の英GIキングジョージを6馬身差で制し2年連続で英年度代表馬となった世界的な名牝ダリアだ。
姉アイスフォーリスは今年3月のGIII中山牝馬S2着で引退したがGIオークスで3着がある実績馬だった。父ダイワメジャー、母父クロフネとパワーのある血統だけに牝馬ながら500キロを超える雄大な馬体の持ち主だ。今回は中団から差す競馬で勝利したが、本来は先行して粘り込む形がベストのように思う。秋の中山開催にあるOP芙蓉ステークスに出てきたら狙ってみたい、そんなタイプの馬だ。
クラシック路線において、特に牝馬は馬体維持に苦しむ馬が多い中、この馬格は有利に働くだろう。世界的名牝の血筋から楽しみな馬が出てきた。
阪神5R(芝1200m)
1着 ダガノヴィアーレ(父ダイワメジャー)
やや出遅れて道中は後方2番手を追走、直線追い出してからはジワジワと差を詰め1馬身4分の3差で1番人気のルミナスエレメントを差し切った。母ビーグレイシャスは1戦未勝利だったが、柔らかい体質を伝えるミスターグリーリー産駒で同じく柔らかい体質を伝えるサーゲイロードのクロスを持つ馬で、このようなタイプの母にパワー型のダイワメジャーと配合すると、特に牝馬の場合、アミカブルナンバーやゴールデンナンバーのような差し馬になることが多いように思える。
本馬も同様のタイプだろう。追走も一杯一杯だったので距離はマイルまでなら持ちそうだし、リリカルホワイト同様500キロを超える大型馬で馬格にも恵まれた。直線の長いコースで見てみたい1頭だ。
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