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2018年10月21日、京都競馬場で菊花賞(GⅠ/芝3000m)が行われる。

グレイルはデビューから連勝で京都2歳Sを制し、共同通信杯で1番人気に支持された(7着)ほどの好素材。春は皐月賞6着、ダービー14着と悔しさを味わったが、秋初戦のセントライト記念で3着と、改めて力を示した。2戦2勝の京都で逆襲はあるのか。その可能性を探っていく。


期待① 皐月賞が好内容

皐月賞は馬群が縦長となり、先団グループでレースを進めた馬が3着までを独占。稍重だったこともあって、レースの上がり3Fは37.3秒と時計がかかったが、後方を進んだ馬には非常に厳しい展開となった。

そんな中で、評価できる内容の競馬を見せたのは、のちのダービー馬ワグネリアンに先着して4~6着に入った3頭。いずれも4コーナー13番手から直線で外を回りながら、メンバー最速の上がり3F34.8秒をマークして追い上げた。

4着だったステルヴィオはその後の毎日王冠で、秋のGⅠを目指す年長馬と対戦して2着。メンバー最速の上がり3F33.2秒をマークし、切れ味は古馬の重賞級と互角以上であることを示した。

ほとんど同じ内容の競馬をして、走破タイムも上がりタイムも同じだった5着キタノコマンドール(屈腱炎を発症して戦線離脱)と6着グレイルにも、同程度の高評価をしていいだろう。

期待② 長距離戦に強い鞍上

現役ジョッキーの中で、長距離戦に最も強いと言ってもいいのが岩田康誠騎手。過去10年で芝3000m以上のレースを7勝している。この数字は、現役の中で次位の武豊騎手、北村宏司騎手に2勝差を付けてトップ。芝3000m以上のレースに10回以上騎乗している中で、勝率20.0%は3位、連対率31.4%は1位だ。

園田競馬所属だった頃の2004年にデルタブルースで菊花賞を制し、2006年には同馬に騎乗して、オーストラリア最大のレースであるメルボルンC(芝3200m)を制覇。今年もレインボーラインとコンビを組んで阪神大賞典を勝つと、続く天皇賞(春)でもシュヴァルグランを抑えて優勝。天皇賞(春)は2008年にアドマイヤジュピタでも勝っており、自身2勝目となった。長距離戦に滅法強く、伏兵に乗せたら特に怖い男だけに、鞍上込みで一発の可能性を秘めていそうだ。

不安① スピード色が濃い母系

半兄ロジチャリス(父ダイワメジャー)はダービー卿チャレンジTの勝ち馬。祖母の半兄に安田記念、スプリンターズSなど芝1200~1600mで重賞を5勝したブラックホーク、半妹にNHKマイルCを勝ったピンクカメオがいる。一族の他の活躍馬を見ても、JBCスプリントを勝ったサウスヴィグラス、米GⅠブリーダーズCターフスプリントを勝ったオブヴィアスリー、米GⅠオークツリー招待Hで芝2400mの世界レコード(当時)をマークしたホークスターなど、母系はスピード指向が強い。

グレイルは中長距離向きのハーツクライが父だが、母系を見る限り長距離が歓迎とは言えないだろう。

不安② 追い込み馬は不振

過去10年の菊花賞で、4コーナー10番手以下だった馬は【0・4・1・78】。差し、追い込み馬は苦戦している。

過去10年で、前走の4コーナー通過順が10番手以下で菊花賞を勝った馬は2008年オウケンブルースリ、2017年キセキと2頭いるが、ともに神戸新聞杯で強い競馬をしたことが評価されて1番人気に支持されていた。さらに、オウケンブルースリは道中12番手から4コーナーで2番手、キセキは道中14番手から4コーナー7番手と、本番では早めに動く競馬をしていた。

グレイルは過去3戦の4コーナー通過順が⑬⑯⑬と、追い込みに徹している。同じような競馬だと、今回は厳しいと言わざるを得ない。

ただ、外回りと内回りの違いはあるものの、京都は2戦2勝。いずれも好位でレースを進めていただけに、このコースなら違う競馬ができるのかも知れない。強気の騎乗を得意とする岩田騎手がどんな手綱捌きを見せるか。

まとめ

一時はクラシックの有力候補として名前が挙がっていたグレイル。プラス材料もマイナス材料もある中で、春の悔しさを晴らして最後の1冠をもぎ取ることができるか。

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