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2019年5月26日、東京競馬場で東京優駿・日本ダービー(GⅠ/芝2400m)が行われる。サートゥルナーリア、ダノンキングリー、ランフォザローゼス、アドマイヤジャスタ、リオンリオンなど令和最初のダービー馬を目指してしのぎを削るが、皐月賞では惜しくもアタマ差2着、去年の新馬戦でインパクトある勝ち方を見せたヴェロックスにも注目だ。

ヴェロックスの前走皐月賞は、1000メートルの通過が59秒前半とそれなりに流れ、4番手、5番手に陣取り、後に2着から4着になる馬がそのあたりに固まった。4コーナーではこれらの馬より前におり、最後の直線では鞍上のゴーサインに応えて一心不乱に前へ進んだが、サートゥルナーリアに差されて2着。それでもダノンキングリーにハナ差勝つなど、勝負根性はある程度見せられたか。

ヴェロックスのオーナー、金子真人ホールディングスは2年連続のダービー連覇を目指すが、果たしてそれは可能か。過去の傾向を見ながら探っていきたい。


不安① 血統的に距離が微妙?

血統を見ていくと、母セルキスはドイツのGⅡを勝つなど、それなりの活躍をしている。しかし、距離的な問題として2000メートルまでの勝利しかなく、ドイツのオークスでは2200メートルで惨敗を喫している。また、セルキスの子供は直線1000メートルで勝利経験があるブショウなど、短距離での勝利が目立つ。

父ジャスタウェイはドバイで勝つなど中距離で存在感を見せ、年間のレーティング1位は立派。あくまでも中距離の話で、ジャスタウェイはダービーで2ケタ着順など、2000メートルが1つの限界ポイントだったことが伺える。父も母も2000メートルが限界だとすれば、2400メートルで本当にやれるのか、疑問が残る。

ロードカナロア産駒だから2400メートルは持たない、アーモンドアイなどもそう言われたが、母が2000メートル以上で活躍した馬だからこそそれでも大丈夫だった。今回はそうではないので、よもやの惨敗でもさほど不思議ではない。

不安② 広いコースで真価が

ヴェロックスが唯一着外になったのは東スポ杯2歳ステークスで、着外といっても1着から4着までハナやアタマ差で並ぶ状況。そこまで不安視する必要はないが、直線の長いコースでの良績というものを見るとちょっと不安になる。

若葉ステークス、皐月賞はいずれも直線が短く急坂のコース、似たような形状のコースだ。その点、ダービーのコースは直線が長く、急坂という感じではない。もっと言えば若駒ステークスも内回り、直線の長いコースでの勝利は一応野路菊ステークスがあるが、参考になるかどうか。

34秒台の脚にとどまり、この高速馬場だとそれ以上の脚を見せる馬は多くいる。川田将雅騎手はダービーを勝っているので焦ることは考えにくいが、先に抜け出して後続に差される展開も考えられる。東京での経験のなさというのは少し引っかかるものがある。

不安③ 中内田厩舎は長距離が苦手?

ヴェロックスを管理する中内田厩舎の勢いは凄まじく、今年は複勝率5割のあたりを推移し、勝率は3割あたり。着外が少なく、厳選させて上を目指していることがよく分かる。できれば中1週での出走を目指す矢作厩舎とは対極にいる存在と言える。

ところが、そんな中内田厩舎に衝撃的なデータがある。オークス週の時点で中内田厩舎は芝で85勝を挙げているが、なんと2000メートルを上回る距離での勝利実績がなんと1回しかないのだ。2000メートルまではヴェロックス、ダノンプレミアムなどが勝っているが、障害レースを除くとなんと1回しかない。

その1回も2015年まで遡らなければならず、4年間2200メートルや2400メートルで勝っていない。厩舎によっては安田隆行厩舎のように短距離の信頼度が非常に高い厩舎もあるが、これはどうか。

ダノンプレミアムで挑んだ去年のダービーは休み明けの影響もあって6着に敗れたが、思えばそれ以外は休み明けでも快勝しており、距離もあったのだろう。ただ、長距離での実績が厩舎にないというのは非常に気になる。

まとめ

不安要素は相当あり、よもやの惨敗も想定できる。サートゥルナーリアを逆転するまであるかと問われると言い切れない部分がある。おそらくヴェロックスは人気になるだろうが、積極的に連軸にするようなやり方はどうか。調教など様子見をすべき馬と言える。

川田将雅騎手と中内田厩舎のコンビは素晴らしく、中内田厩舎の重賞勝利の8割近くを川田騎手が挙げている。それゆえお互いがお互いのリーディング争いを支えていると言えるが、ダービーでもそれができるか、注目しておきたい。

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