2020年11月14日、東京競馬場で武蔵野ステークス(GⅢ/ダート1600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるタイムフライヤー、モズアスコット、サンライズノヴァ、デュードヴァン、エアスピネルらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にする。
目次
武蔵野ステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着は2回、3着は1回。単勝1倍台は未勝利、2倍台も芳しくない。人気をそこそこ裏切るのが特徴なのかもしれない。
去年は馬連万馬券だったが、極端な穴馬同士の決着ではなく、伏兵人気馬同士の決着。取捨選択で拾い上げたいところだ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前走地方組の取捨選択
前走地方出走馬(3- 3- 2-20)
勝率 10.7% │ 複勝率 28.6%
前走のクラス別成績を見ても地方出走組が頭数を考慮すればアベレージがいい。ただその内訳を見ると、地方出走組だったからベタ買いでいいとも言い切れない。
前走がマイルチャンピオンシップ南部杯だった馬が3頭いるが、実は南部杯組はこの10年で未勝利、2011年の東京開催を除けば2着が2回あるだけだ。いずれの馬も4番人気でそこそこ差をつけられて負けている。
今年の南部杯は日本レコードが飛び出し、反動が心配される。ましてモズアスコットは59キロを背負わされるので、ここがポイントになりそうだ。
予想参考データ② 必ず絡む距離延長組
東京コースはスタミナが問われやすいが、ここ数年は距離延長組が1頭以上絡んでおり、前走グリーンチャンネルカップ組が存在感を見せている。
ここ数年の傾向を見ると、4番人気4着まで、それ以下の人気だった場合には1着がほしい。ただ今年はその組が少なく距離延長組自体は狙いにくいメンツになった。
距離短縮組だが、実は前走1700メートルだった馬は12頭中全て着外、1800メートルだった馬は17頭中2着が2回だけ。しかも、その1800メートルは日本テレビ盃と府中牝馬ステークス。エルムステークス、レパードステークス組には嫌なデータである。
予想参考データ③ 斤量56キロが熱い
別定戦のため、58キロ、59キロで出走する馬が出てくる武蔵野ステークスだが、ここ2年はすべて56キロの馬が馬券に絡んでいる。57キロもチラホラ、58キロでも数える程度しかいない。
では、57キロや58キロで来た馬の傾向を見ると、3歳で2キロ減にされているケースを入れれば前走1番人気もしくは1着だったことが多い。重めの斤量の馬は勢いが問われる。
2キロ増のモズアスコットにはきついデータか。去年59キロだったサンライズノヴァは5着に敗れている。58キロと59キロには見えない壁があるのかもしれない。
2020年の危険な人気馬は?
モズアスコットは人気になる見込みだが、やはり前走の影響が残っている可能性がある。もはやダート適性は疑わないし、横山武史騎手の前走の判断は見事だったが、59キロが重くのしかかる。武蔵野ステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、エアスピネルは2つ目の消しデータに合致している。7歳以上の馬が不振にあげぐのもあるが、いまだに好走パターンがはっきりしない。それでいて人気を集めやすいのだから、厄介な存在である。
反対にサンライズノヴァは危険なデータに一つも当てはまらない。どの上位馬も微妙だが、58キロであればどうにか克服できそう。リピーターが来やすく、2年前の武蔵野ステークスは勝利している。プロキオンステークスでは59キロを克服した。前走地方馬のモジアナフレイバーに先着されたのは気がかりだが、消去法で残った形だ。あ人気馬の中で最も不安要素が少ないのは、サンライズノヴァと言えそうだ。