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(C)MAZIMICKEY

11月19日、京都競馬場で秋のマイル王者を決めるマイルチャンピオンシップ(GI/1600m)が行われ、ペルシアンナイト(牡3)が優勝した。優駿牝馬からエリザベス女王杯までGI9連続馬券内のミルコ・ デムーロが大外枠の3歳馬という厳しい条件を跳ね退けて勝利した。

決して好条件が揃っていたとは言えない同馬が勝てた要因はどこにあったのか、トップジョッキーの騎乗に着目して振り返っていきたい。

結果・着順

2017年11月19日(日) 5回京都6日 天候 : 晴  馬場状態 : 稍重
【11R】 第34回マイルチャンピオンシップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝・外 1600m 18頭立

馬名性齢
18ペルシアンナイト牡34
11エアスピネル牡42
4サングレーザー牡37
9レーヌミノル牝310
12イスラボニータ牡61
1ブラックムーン牡517
10クルーガー牡58
7レッドファルクス牡63
13グランシルク牡59
1015ムーンクレスト牡518
1114ガリバルディ牡615
125サトノアラジン牡65
136ダノンメジャー牡516
143ヤングマンパワー牡512
158マルターズアポジー牡56
162アメリカズカップ牡313
1716ウインガニオン牡511
1817ジョーストリクトリ牡314

LAP 12.2-10.8-11.6-12.1-11.9-11.5-11.6-12.1
通過 34.6-46.7-58.6-70.1  上り 70.8-59.2-47.1-35.2  平均 1F:11.72 / 3F:35.17

払い戻し

単勝  18 \880
複勝  18 \290 / 11 \180 / 4 \430
枠連  6-8 \820 (3)
馬連  11-18 \2480 (8)
ワイド 11-18 \1000 (8)/ 04-18 \2100 (23)/ 04-11 \1240 (14)
馬単  18-11 \5520 (22)
3連複 04-11-18 \9300 (24/816)
3連単 18-11-04 \55890 (165/4896)

レース分析

まずはレースラップをチェックしていきたい。

12.2-10.8-11.6-12.1-11.9-11.5-11.6-12.1(34.6-35.2)

ポイントは3つ。

・逃げ馬が序盤に脚を使ったことでペースが上がったこと
・中盤で若干ペースが緩んだこと
・下り坂での加速が顕著ではなかったこと

全馬ほぼ揃ったスタートで始まったが、予想通り逃げる形となったマルターズアポジーに好ダッシュがつかなかった。押して押してハナを取りはしたが、序盤に脚を使ったことから、自分のペースを作ることができず、前残りの展開に持ち込めなかった。


中盤では若干ではあるが11.6-12.1とペースが緩み、さらに下り坂での加速が小さく、後ろから行く馬にとっては比較的楽な形となった。

では後ろから進出する馬の中で、馬券内に来ることができた馬とできなかった馬、その違いはどこにあったのだろうか。その答えは4コーナー内で脚を溜められたか、これによって勝敗が別れたと言える。4コーナー途中の映像を確認すると、レーヌミノル(4着)、エアスピネル(2着)、サングレーザー(3着)、ペルシアンナイト(1着)が内目で綺麗に縦に並んでいたことが分かる。マイルCSは4コーナーで脚を使うことなく内目で溜めていた馬が勝つことが多い。今年もその傾向が強く現れる形となった。

外を回してきた馬は届かず、結局は大外枠から内に潜って脚を溜め、馬群を縫ってその末脚を炸裂させたM. デムーロ騎手の技術、そして狭いところを怖がらずに進出したペルシアンナイトの勝利となった。

馬券になった馬とは違って外を回り、直線を向いたところでウインガニオンに当てられながらも5着に来たイスラボニータも力があるのは確かだ。枠がペルシアンナイトと逆だったらまた違った結果になったかもしれない。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ペルシアンナイト

大外枠の3歳馬と割引要因となり得る条件で、M. デムーロ騎手の手綱に導かれ見事優勝した。勝因はやはり騎手の手腕が最も大きいだろう。大外枠については不利に働く可能性もあったが、勝負所で内に潜れるM. デムーロ騎手にとってはむしろ好条件だったかもしれない。

4角内で脚を溜めて直線に向いた。1度はレッドファルクスの進む内に傾くが、外目を伸びるエアスピネルの進路に切り替えて進出。そこからイスラボニータの前を塞ぎ一直線、エアスピネルを鼻差で交わす見事な競馬だった。

2着 エアスピネル

GIを取れる馬であることは確か、だが寸前で届かず。

前述した4角を縦に並んで進んだ4頭のうち2番手で直線を向いた。外に出してレーヌミノルを交わして先頭に立ったものの、ゴール寸前でペルシアンナイトに交わされて2着。ベストな競馬だったと言える内容だが、これで差されるなら仕方ない。勝ち馬が強かった。

今後もGIを狙える馬であることは間違いない。

3着 サングレーザー

3歳ながら古馬相手にも通用する、調子の良さだけではない。


目下3連勝中で注目された3歳馬。同じく4角でいいところを進んで直線に入った。エアスピネルと同じく直線は外に出して一直線。ペルシアンナイトとの併せ馬でエアスピネルを追うが届かず3着。福永騎手もうまく乗ったと言えるが、一瞬内を目指して外に戻ってきた勝ち馬、エアスピネルとの間にフタをすることができたらまた結果は変わったかもしれない。

枠や展開には恵まれたものの、古馬相手に通用することは明らかである。

4着 レーヌミノル

やはり3歳牝馬は強く、今までは距離が長かった。

重賞で穴を開けてきた和田騎手、今回はギリギリ及ばず4着。3歳牝馬で古馬相手に掲示板を確保できたのは大健闘。4角から直線をいい位置で迎えた1頭。最後は交わされるが、やはり和田騎手の騎乗は上手い、大崩れしないと言える。

今後は距離短縮で積極的に狙いたい1頭である。長くて1600m、それ以下がベストではないか。

5着 イスラボニータ

4角で馬券内の馬より1列外を回ってきた。直線を向いたところでウインガニオンに当てられたことによってワンテンポ遅れ、追い込んで来るものの前はペルシアンナイトとサングレーザーによって塞がれていた。

6着 ブラックムーン

最後方追走から6着。最後方で直線を向き、大外を回して上がり最速で0.7秒差という結果だった。この馬らしい競馬であり、力があることは証明できた。

7着 クルーガー

後方から大外を回して追い込んで7着。後方で脚を溜めても大外回して一気では馬券内は難しい。展開もあるがこの競馬でこの着順なら悲観しなくてもいいのでは。

8着 レッドファルクス

兄弟で別れた進路取り、勝敗も分ける結果に。

4角で最内進み、直線でも選んだ進路は内、しかしその後進路を変えるなど馬をふらふらさせてしまった。結局脚は残っておらず8着。進路を迷ったことが負けた要因か。


兄に戻れば期待大。

9着 グランシルク

最後方からの追い込み。いい脚で追込んできているだけあって直線を向いた時の位置取りが残念。格負けもあるが外国人騎手とのレベルも言及せざるを得ない。

10着 ムーンクレスト

先行して直線外に出すも力負け10着。差し追込み展開だったのもあるが、やはりここでは力が足りなかった。

11着 ガリバルディ

4角から直線を向いたところでは勝ち馬の内に付けていたものの、追い出してからは反応が異なり、こちらは見せ場なく11着、明らかな力負け。

12着 サトノアラジン

揉まれる競馬が苦手であることから、スタート後位置を下げざるを得なかった。後方追走からの追い込みと、ブラックムーンと同じような競馬になったが、やはり馬場が合わず満足できる結果とはならなかった。実力通りならここまで差が生じるとは考えられない。もう一度良馬場で見てみたい馬だ。

13着 ダノンメジャー

マルターズアポジーに続いて先行して直線へ。先行勢は展開に恵まれなかったこともあるが、ここでは力が足りていない。

14着 ヤングマンパワー

4角から直線内の良いで迎えるもテンで脚を使ってしまったか、最後は伸びを欠いた。

15着 マルターズアポジー

出負けしたことがここまで着順を落とした要因か。ハナに立つまでに時間を要し、少し脚を使ってしまった。それによって得意の競馬に持ち込むことができなかった。

16着 アメリカズカップ

直線で内を進み、伸びず16着。OPからGI挑戦は流石に厳しかったか。

17着 ウインガニオン

現状典型的な夏馬。見せ場なく17着。サングレーザーの斜行の影響でイスラボニータに接触。このレースの展開を左右する要因になった可能性がある。

冬の凡走で人気を落としたところを狙いたい。暖かくなるまで待つ。

18着 ジョーストリクトリ

武豊騎手の怪我の影響も考えられるが、18着では力不足と言わざるを得ない。


(C)Yusuke Tsutaya

直線で抜群の末脚を披露し、他馬を圧倒した。

5月13日に東京競馬場で行われた京王杯スプリングカップ(GII/芝1400m)で、2番人気のスウェプトオーヴァーボード産駒レッドファルクス(牡6)が、11番人気のクラレント(牡8)を押さえて勝利した。一方、サトノアラジン(牡6)やキャンベルジュニア(牡5)といった人気馬は馬群に沈んだ。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


レース映像・動画

映像はJRA公式サイト→レース結果のページでご覧いただけます

結果・着順

2017年 5月13日(土) 2回東京7日 天候 : 雨  馬場状態 : 重
【11R】 第62回京王杯スプリングカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1400m 13頭立

馬名S性齢
10レッドファルクス牡62
12クラレント牡811
9グランシルク牡54
1ヒルノデイバロー牡613
8トウショウドラフタ牡46
11トーキングドラム牡78
13ダッシングブレイズ牡55
5トーセンデューク牡610
4サトノアラジン牡61
102ロサギガンティア牡69
113キャンベルジュニア牡53
127ブラヴィッシモ牡57
136ダンツプリウス牡412

LAP 12.8-11.3-12.3-12.6-11.6-11.1-11.5
通過 36.4-49.0-60.6-71.7  上り 70.4-59.1-46.8-34.2  平均 1F:11.89 / 3F:35.66

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

12.8-11.3-12.3-12.6-11.6-11.1-11.5

雨が降りしきる中で行われた。通常、降雨中に行われるレース(しかもかなりの雨量がある場合)はミドル〜ハイペースになりがちだ。良馬場時に引っ張られてペースは上がるが、実際には馬場が悪いため、実質的にはハイペース……といった構図になる。


しかし、京王杯に限っては完全なスローペースとなった。12秒台のラップを連発し、最後の直線では横に広がって「ヨーイドン!」の様相となった。

その中で速い上がりを使えた馬、あるいはギリギリ、コーナーでリードを保った馬が粘って上位に来た、というレースだった。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 レッドファルクス

GI馬が実力を発揮した格好となった。位置取りは後方だったが、抜群の末脚で他馬を置き去った格好だ。

スプリントGI馬というだけあって、スピード比べになったことが幸いした。また、道中緩いペースで流れてスタミナを問われなかったため、距離を克服できたと考えられる。

2着 クラレント

瞬発力勝負では分が悪かったが、それでも粘りきって2着を確保した。何といっても道悪の鬼ダンシングブレーヴの血が騒いだのだろう。今までも重馬場の東京新聞杯で3着に激走したり、やや重の関屋記念を勝った実績を持っている。

なお、京王杯スプリングカップでは2014年に2着になった実績がある。

・馬場
・舞台設定

この2つが整ったからこそ、実現した激走だったというわけだ。

3着 グランシルク

ステイゴールド×ロベルト系といういかにも道悪巧者な血統が生きた。しかも末脚は確実な馬であるため、瞬発力勝負になったことも幸いした。

結果として瞬発力では補えないほどのポジションにいたため、3着に甘んじたが、ポジション一つで上位に来る可能性はあったと言えるだろう。


4着 ヒルノデイバロー

久々に逃げを打ったことが幸いした。マンハッタンカフェ×セントサイモン系という組み合わせで、こちらも道悪で台頭しそうなタフな血統だが、大穴を開けることに成功した。

5着 トウショウドラフタ

勝ったレッドファルクスと同じくで、どちらかといえば短距離のタフなレースで台頭してくるタイプの馬だ。不良馬場のファルコンステークスを勝っているように、舞台設定は合った。展開も相まって末脚を発揮できたが、こちらも位置取りの差で掲示板止まりに。

6着 トーキングドラム

7着 ダッシングブレイズ

2走前に道悪の落葉ステークスを勝っているように、馬場は問題ではなかった。

敗因はおそらく距離だろう。

直線の入り口の時点で6番手にいたが、スピードアップするタイミングで完全に置かれてしまった。最後は伸びて盛り返したが、上位を差しまでには至らず。

キャリアを振り返ると33秒台の末脚を連発していることから、瞬発力勝負に全く対応できないというわけではない。それでも置いていかれてしまったのは、1400mという距離に対応できなかったからだろう。

距離を伸ばしたところで見直したいところだ。

8着 トーセンデューク

9着 サトノアラジン

好スタートを切りながらズルズルと後ろに下がり、直線ではほとんど最後方となっていた。これではいくら瞬発力を発揮したとしても届かない。

通った位置取りが微妙で終始前が壁になるようなレースだったため、この順位も致し方なしといったところだ。川田将雅騎手の騎乗ぶりに疑問符がつく、といったところ。

それでも上がり2位の脚を使っているのだから、道悪がダメだったというわけでも、距離がダメだったというわけでもない。次のレースで見直し可能だろう。


10着 ロサギガンティア

11着 キャンベルジュニア

直線まで持ったまま、残り400mを越えてようやく追い出されたが、全く切れることなく、下位に沈んでしまった。もっとも、もともと瞬発力勝負は得意ではないため、致し方ないといったところだ。追い出した時点で周囲を囲まれて窮屈になった面もあった。また、距離も微妙だったのだろう。

先行して持ち前のスタミナをいかし、どれだけ粘り込めるか……というスタイルだけに、今回のレースは厳しかった。見直し可。

12着 ブラヴィッシモ

13着 ダンツプリウス


グランシルクがNHKマイルカップで1番人気を裏切った“ワケ”とは?


ステイゴールド産駒のグランシルク(牡3)は、5月10日に行われた3歳マイル王決定戦のNHKマイルカップ(GI/芝1600m)で1番人気に支持されたが、5着に敗れてしまった。勝ったのは3番人気のクロフネ産駒クラリティスカイだった。

なぜ、1番人気に応えることができなかったのか? その敗因に迫ることで、次回の“買い時”を見つけていこう。


敗因① そもそも1番人気は過剰人気だった

まず、これに尽きる。

グランシルクは前走のニュージーランドトロフィーで鮮烈な末脚を使ったことで人気を集めた。

しかし、鮮烈に見えた末脚は実は“漁夫の利”によって生み出されたものだった。前半からペースが流れたことで先行勢は総崩れ。上位は4角16番手だったグランシルクを筆頭に、後方に待機していた馬ばかりだった。

1着 ヤマカツエース 4角8番手
2着 グランシルク 4角16番手
3着 アルマワイオリ 4角10番手
4着 ナイトフォックス 4角6番手
5着 ネオルミエール 4角14番手

1番人気というのは、やや過剰人気だったといえるだろう。

敗因② 前走気持ちのいい競馬をした“余波”

前述のとおり、グランシルクはニュージーランドトロフィーで最後方から競馬をした。最後方からスムーズに外に出し、直線では不利を受けることなく、自慢の末脚を発揮した。最後まで他の馬に邪魔されることはなかった。さぞ、気持ちよく走ったことだろう。

一方で今回は1枠2番からスタート。好位につけられたのは良かったが、前走と違って道中でかなり揉まれた。直線でも窮屈になる場面があったため、伸び切れなかった。このように、前走スムーズな競馬をした馬がストレスを受けると案外伸びない、というケースは多々ある。


例えばペルーサが思い出される。“出遅れの帝王”は天皇賞秋やジャパンカップで出遅れながら鮮烈な末脚を使うことから、「出遅れなければGIを勝てる」と言われていた。しかし、はじめてまともにゲートを出た2010年の有馬記念では終始先行しながら、3番人気4着と人気を裏切る結果に終わっていた。「前走出遅れたから、出遅れなければ勝てる」という考えは、必ずしも正しくないわけだ。

グランシルクにも前走気持ちのいい競馬をした“余波”があったと考えて不思議はない。

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