阪神大賞典2018の競馬予想分析…サトノクロニクルが激走する三要素とは?

4歳勢の勢いに乗れるか――。

2018年3月18日、阪神競馬場で阪神大賞典(GⅡ/芝3000m)が行われる。今年の京都記念を制したクリンチャー、ステイヤーズステークス3連覇を達成したアルバート、安定した成績を残すレインボーラインなどが出走を予定している。その中で台風の目になりそうなのがサトノクロニクルだ。去年の12月に行われたチャレンジカップを制し有馬記念への出走を果たしたが、元々は良血馬としてデビュー当初から期待されてきた。しかしなかなか歯車がかみ合わず、チャレンジカップでようやくその才能の片鱗を見せつけた。

サトノクロニクルは距離の克服が焦点になるが、それでもサトノクロニクルが阪神大賞典で激走する要素がいくつか存在する。4歳勢が活躍をし続ける中で、サトノクロニクルはそこに続けるのか。そのためにはここを勝ってプレッシャーをかけたいところだ。


目次

要素① 恵まれた斤量

今回、サトノクロニクルは55キロの斤量で臨める。阪神大賞典は別定戦となっており、GⅠやGⅡの勝ち馬に斤量が加算される。チャレンジカップはGⅢであるため、斤量の加算はない。京都記念を制したクリンチャーは56キロなのにサトノクロニクルは55キロで臨める。しかも55キロの斤量で走った馬はこの10年間で2勝しているのに対し、56キロで走った馬は1勝もしていない。55キロの斤量で有力馬はサトノクロニクルしかおらず、しかも古馬相手に結果を出した。

有馬記念は9着と敗れているが、勝ったキタサンブラックとはコンマ7秒差であり、そこまで負けたわけでもない。チャンスは十分にあり、クリンチャーに劣っている要素は見られない。斤量1キロ差がプラスに働く可能性は考えられる。

要素② 強かったチャレンジカップ

チャレンジカップでは先日引退したデニムアンドルビーをクビ差しのいで勝ったが、レースの中身は非常に濃い。前半1000メートルが59秒9と平均タイムだったが、中間のラップタイムを見ても息が入っておらず、タフな流れだった。それをサトノクロニクルは3番手、4番手で推移し直線抜け出して勝ち切った。歴史に残る不良馬場で行われた菊花賞からさほど時間が経っていない中でこうしたレースをできたサトノクロニクルにスタミナの不安は関係ない。

最近の傾向からみて秋シーズンは3戦までが主流の中、サトノクロニクルは4戦した。十分にタフな馬であると同時に、菊花賞でのダメージはさほどなく、その反動もないからこそ古馬にも勝てた。ここは層が薄く、立ち回り次第では十分にチャンスがある。

要素③ 距離不問のハーツクライ産駒

サトノクロニクルの父ハーツクライは長距離で活躍する馬を多く輩出し、特にフェイムゲームはその代表格といっていい存在である。シュヴァルグランやスワーヴリチャードも長い距離で対応できている。血統的には何の問題もないし、母であるトゥーピーの血統も心配はいらない。サトノクロニクルの半兄にサトノラーゼンがいるが、京都新聞杯を制しダービーでも2着に入った。サトノクロニクルの半弟がマイハートビートだが、2000メートル戦で2勝しクラシック戦線に挑んでいる。ステイヤー血統ではないが、ある程度の距離の下限は見定めることができる。

また菊花賞のような消耗戦になる可能性は前哨戦においては考えにくく、スローペースで流れる可能性が高い。そうなると最後の上がり3ハロン勝負になりやすい。サトノクロニクルは先行できることから、そのまま押し切るだけの余力はある。あとはいかに立ち回るかにかかっている。

まとめ

春の天皇賞の前哨戦ではあるが、今年はかなり層が薄い。アルバートは生粋のステイヤーではあるが、3000メートルでも短いような印象すら与える。クリンチャーはこれまで騎乗していた藤岡佑介騎手から武豊騎手に乗り替わった。クリンチャーと藤岡佑介騎手のコンビはかなりうまくいっており、武豊騎手が同じようなコンビネーションで乗りこなせるかに注目が集まる。その点、サトノクロニクルは乗り替わりではあるが、サトノクロニクルにとっての大事なレースの手綱は川田将雅騎手が騎乗してきた。ダービーに連れて行けなかった雪辱もここで晴らしたいところだ。

斤量に恵まれ、勝ち方も強く、血統も問題ない。クラシック戦線にはかなり乗り遅れてしまったが、巻き返すチャンスが与えられている。ここを勝って春の天皇賞、もしくは今後のレースを見据えていくためにも賞金の加算や出走権の確保はしておきたい。遅れてきた大器の活躍に注目が高まる。

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