2021年7月4日、福島競馬場でラジオNIKKEI賞(GⅢ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるリッケンバッカー、ボーデン、シュヴァリエローズ、アサマノイタズラ、ヴァイスメテオールらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
中山開催だった2011年を除く過去10年のデータを参考にしていく。
目次
ラジオNIKKEI賞の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は2勝、2着は3回、3着はなし。ハンデ戦なので、人気馬の信頼度もさほど。
穴馬もそれなりに来やすく、伏兵の一発は十分に考えられる。あとはハンデとの兼ね合いで、取捨選択も済ませていきたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前走GⅠ組の取捨選択
前走GⅠ組(0- 3- 3-18)
勝率 0.0% │ 複勝率 25.0%
以前は残念ダービーとも言われたラジオNIKKEI賞だが、その割にこの10年でGⅠ組は未勝利。牝馬のレースではないが、格より勢いを思わせる。
NHKマイルカップ組は、1秒以内の負けにとどめておきたい。オークスやダービー組は最低人気、ブービー人気だった馬の巻き返しに注目したい。
シュヴァリエローズやアサマノイタズラ、ワールドリバイバルは少々負け過ぎか。クリアしているのはリッケンバッカーぐらいだが、あとは掲示板入りがどう影響するか。
予想参考データ② 狙いは斤量増減なし
ハンデ戦ということもあり、多くの馬は斤量減で臨める。しかし勝率などの兼ね合いで考えると、実は増減なしの馬の方が成績がいい。斤量減の馬は斤量が減れば減るほど信用しにくい。
斤量的には54キロが5勝と激熱で、あとは55キロの2勝、以下、53キロ、56キロ、56.5キロが続く。ちなみに斤量増で唯一結果を残すのは0.5キロ増だ。
前走から斤量の増減なしで臨む馬はゼロ。その次に信頼度がある斤量1キロ台の減少となるとかなりいる。ハンデのデータから激熱馬はいなかったので、荒れてもおかしくなさそうだが。
予想参考データ③ 人気馬たちの前走レベル
リッケンバッカーの前走はNHKマイルカップだった。前半は33秒台の逃げ、ペース的に速かったが、バスラットレオンの落馬が影響した部分もあった。後ろに展開が向きやすく、最後方のリッケンバッカーにはチャンスだったが、上がり最速の脚でも届かず。やや後ろ過ぎたか。阪神の外回りに良績が集まっており、福島の小回りに対応できるかどうか。
シュヴァリエローズやアサマノイタズラの前走は皐月賞だった。稍重ながら60秒ほどの逃げ、やや速いかとも思われたが、逃げたタイトルホルダーが粘り、前目にいたエフフォーリアが完勝。しかし、エフフォーリアのすぐ近くにいたアサマノイタズラはシンガリ負け、後方にいたシュヴァリエローズは後方伸びず。どちらも福島とは縁遠いが、この中で優劣をつけるなら小回りで結果を出すアサマノイタズラだが。
ボーデンの前走はスプリングステークスだった。重馬場特有の遅いペースとなり、力のいる展開に。ボーデンは前目につけていたが、重馬場適性で順位が決まったかのような着順に。その中でもボーデンは健闘した方か。常に前目で競馬を行い、今回は内枠に。先行してロスなく回ってくれば開幕週の福島ならチャンスはありそうだ。
ヴァイスメテオールの前走はプリンシパルステークスだった。平均ペースで流れる中、ヴァイスメテオールは中団やや後方に。しかし、展開的に後半にかけてペースが緩くなり、前目が楽な展開となり、最後の上がり勝負に。ヴァイスメテオールはなんとか上がり最速の脚で4着までは来たが、展開が向かなかった。この馬はスタートがすべてで、ここで後手を踏むと開幕週でどこまでやれるか。
2021年の危険な人気馬は?
リッケンバッカーは人気になる見込みだが、直線の長いコースで良績が集まっていることや斤量、そして前走末脚を発揮して4着という流れも人気を集めやすく、危険である。ラジオNIKKEI賞の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、シュヴァリエローズは3つ目の消しデータに合致している。55キロでも見込まれた感じがあり、乗り方を少々工夫しないと厳しそうだが。
反対にボーデンは危険なデータに一つも当てはまらない。安定的にスタートが切れてポジションがとれるのは大きく、ロスなく回る可能性が高い。大混戦ではあるが、そういう時程上位馬で決まりやすく、この中で可能性があるのはボーデンだろう。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ボーデンと言えそうだ。