テトラドラクマの勝因、マウレアの敗因は?クイーンカップ2018の回顧

ハイペースを押し切る強い内容で桜候補に名乗り。

2月12日に東京競馬場で行われたクイーンカップ(G3/芝1600)はテトラドラクマの優勝に終わった。レースを分析していきながらテトラドラクマがレースを制したポイントやマウレア、ツヅミモンなど他馬の敗因を探っていこう。


目次

結果・着順

2018年 2月12日(月) 1回東京6日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第53回デイリー杯クイーンカップ
3歳・オープン・G3(別定) (牝)(国際)(特指) 芝 1600m 16頭立

馬名S性齢
テトラドラクマ牝33
フィニフティ牝35
アルーシャ牝37
オハナ牝36
マウレア牝31
ハトホル牝310
ソシアルクラブ牝39
モデレイト牝311
ロフティフレーズ牝313
10レッドベルローズ牝34
11ライレローズ牝312
12ツヅミモン牝32
13キャッチミーアップ牝314
14アトムアストレア牝316
15ナラトゥリス牝38
16マルターズルーメン牝315

LAP 12.6-11.0-11.0-11.4-11.8-12.0-11.5-12.4
通過 34.6-46.0-57.8-69.8  上り 70.1-59.1-47.7-35.9  平均 1F:11.71 / 3F:35.14

払い戻し

単勝  6 \560
複勝  6 \220 / 2 \360 / 9 \430
枠連  1-3 \2150 (9)
馬連  02-06 \4010 (14)
ワイド 02-06 \1320 (14)/ 06-09 \1450 (15)/ 02-09 \2230 (23)
馬単  06-02 \6420 (24)
3連複 02-06-09 \15560 (49/560)
3連単 06-02-09 \71150 (206/3360)

レース分析

レースのラップを見ると前半の4ハロンが後半に比べて1、7秒速くなっている。はっきりと前傾ラップと言える展開で、最後の1ハロンでラップがコンマ9秒も落ちていることから見てもハイペースの消耗戦だったと言える。勝ち時計もここ2年とそん色ない優秀なものだ。実力がはっきり出た今後に向けて参考になるレースだったと言える。では各馬について見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 テトラドラクマ

スタートを決めてハナへ。何が何でも逃げるというような構えでは無かったが、先頭に立った後は速いラップを刻んで行った。直線も手ごたえに余裕はあったが過度に後ろを引き付けることはなく後続に脚を使わせるように早めにスパート。キレ味勝負に持ち込まず追いすがるディープインパクト産駒たちを退けた走りは見事だった。鞍上の仕掛けも絶妙だった。桜花賞の有力候補になるが、ベストは府中マイルなことも確かか。マイルカップでも面白そう。

2着 フィニフティ

中団の馬群の中から進め直線も間を割ってよく伸びて楽に連対を確保。浅いキャリア、遠征戦だったことを考えれば強い内容。全兄ステファノス同様詰めが甘いところもありそうだが重賞戦線でも十分に通用する逸材。

3着 アルーシャ

スタート食後はハナ争いになるかと思われたが引いて番手からの競馬。直線もよく粘ったが勝ち馬には並ぶ瞬間もなかった。今日のところは前2頭に力負け。

4着 オハナ

中団の外から脚を伸ばしたがここまで。昨年の姉ハナレイムーンのリプレイを見ているようだった。展開を考えればもうひと押し欲しかったところで、馬格のなさがパワー不足に直結している印象。血統的にも素質は確かでゆくゆくは重賞クラスかもしれないが、現状では力強さの部分で課題を残す。

5着 マウレア

前2頭を見る形でレースを進め直線は内へ。気持ち追いづらい部分もあったがイマイチ脚を使えず。のびのび走れていればもう少し前に迫れた可能性はあるが、少なくとも抜けた力まではなかった。阪神ジュベナイルフィリーズのレベルを再考する余地もあるだろう。

10着 レッドベルローズ

後方から大外に回ったが、道中も直線も接触の不利があり競馬にならず。見直し可能だ。

12着 ツヅミモン

マウレアと同じような位置から競馬をし進路もしっかりあった分伸びてくるかと思ったがさっぱり。着差は大きくなかったし、ハイペースもプラスではなかったが他の先行勢にも先着を許した走りはだらしなかった。輸送もすでに経験していただけに不可解な大敗。力負けと見るべきで一旦評価を下げざるを得ない。

まとめ

毎年堅調に二桁の勝利を挙げる関東のいぶし銀小西厩舎。今年の初戦はテトラドラクマでのフェアリーステークスだった。1番人気に推されたが着外に大敗、20年ぶりの重賞制覇を狙っていた陣営には辛い結果だった。1か月半後その馬は厩舎に今年の初勝利と待望の重賞タイトルをもたらした。そして鞍上は元所属の田辺裕信。事実は小説よりも奇なり、競馬は今週もドラマチックだった。

文=櫻井秀幸

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