モズアスコットの勝因、スワーヴリチャードの敗因は?安田記念2018回顧

奇策が叩きだしたはタイレコード。

6月3日に東京競馬場で行われた安田記念(G1/芝1600)はモズアスコットの優勝に終わった。

G1に出走する馬としては極めて珍しい連闘策を実らせた大器が好タイムでタイトルホルダーに。レースを分析していきながらモズアスコットがレースを制したポイントやスワーヴリチャードなど他馬の敗因を探っていこう。


目次

結果・着順

馬名騎手
厩舎
人気
オッズ
1
○外モズアスコットルメール騎手9
牡458(栗東)矢作15.7
2
アエロリット戸崎圭騎手5
牝456(美浦)菊沢10.7
3
スワーヴリチャードMデムーロ騎手1
牡458(栗東)庄野2.8
4
サトノアレス蛯名騎手7
牡458(美浦)藤沢和14.5
5
サングレーザー福永騎手3
牡458(栗東)浅見6.4
6
ペルシアンナイト川田騎手2
牡458(栗東)池江6.1
7
ウインガニオン津村騎手14
牡658(栗東)西園104.9
8
リスグラシュー武豊騎手6
牝456(栗東)矢作11
9
レッドファルクス田辺騎手8
牡758(美浦)尾関14.6
10
□外ウエスタンエクスプレスクリッパ騎手11
セ658(海外)サイズ54.5
11
○外キャンベルジュニア石橋脩騎手10
牡658(美浦)堀45.5
12
レーヌミノル和田騎手15
牝456(栗東)本田146.7
13
ヒーズインラブ藤岡康騎手12
牡558(栗東)藤岡66.3
14
○外ダッシングブレイズ北村宏騎手16
牡658(栗東)吉村237.9
15
リアルスティール岩田騎手4
牡658(栗東)矢作9
16
ブラックムーン秋山騎手13
牡658(栗東)西浦78.9

払い戻し

単勝101,570円9人気
複勝10
04
01
410円
290円
160円
9人気
5人気
1人気
枠連02 - 054,170円21人気
馬連04 - 107,370円31人気
ワイド04 - 10
01 - 10
01 - 04
2,100円
1,020円
680円
30人気
11人気
4人気
馬単10 → 0415,290円62人気
三連複01 - 04 - 106,560円19人気
三連単10 → 04 → 0163,280円218人気

レース分析

まずラップを見てみると、前半が45秒5、後半が45秒8というほぼ平均ペース。

ラストこそ少し落としたがかなり持続力が問われる厳しいレースとなった。しかし前の組もしぶとく粘っており好条件の馬場に有利不利はさほどなくも思えた。では各馬を振り返って行こう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 モズアスコット

先団を見る位置から、ややごちゃつき結局は中団のインに収まった。

直線も内目にいたがスワーヴリチャードが外に流れて空いたスペースを突き猛然とスパート。抜け出し最後は自身も一杯気味だったがなんとか押し切った。見事な勝利だったが進路取りには運も味方した。

2着 アエロリット

3番手のインで虎視眈々。直線は横に広がる競馬ではっきりと抜け出すようなシーンは無かったが常に先頭争いに加わり最後まで食い下がった。

ヴィクトリアマイルから速くなった時計に対応出来たのがカギだろう。高速馬場に強く、戸崎騎手も積極策なら非常に頼もしい。

3着 スワーヴリチャード

先団を見られるインからレースを進めた。直線さぁここからというところで外にヨレていた。立て直して再度前を追うが3着まで。地力は見せたがやはり不器用な面は否めない。

4着 サトノアレス

出遅れて後方から。直線は大外を鋭く伸びてきたが最後は同じ脚色に。大味なレース運びになったのが悔やまれる。外枠ならまた違ったか。

5着 サングレーザー

中団の外目を追走。直線も良い位置から前を追ったがいつもの脚は使えず。溜め切らないと味がない部分もあるが、前哨戦向きないしは出来のピーク持続が難しいタイプかもしれない。

6着 ペルシアンナイト

中団から進め直線は4枠両頭の間を狙ったが狭くなりジ・エンド。鞍上も反省の弁に終始したように全く競馬になっていない。不完全燃焼中の不完全燃焼。見限れない。

15着 リアルスティール

この馬も中団から。しかし直線は下がる一方であわやシンガリ負け。海外帰りもマイルも合わなかったのだろうが、年齢を重ねてズルさを覚えてきたところもあるか。

まとめ

オープン特別を勝ち切れなかった馬が連闘で大舞台へ。多くのファンが取捨を悩んだであろう逸材はしっかりと師と名手の期待に応えた。

レース選択に長ける矢作きゅう舎が馬の状態を持たせ、頼れる相棒クリストフ・ルメールはロスのないエスコートを見せた。

スカっと目の前が開いた直線コース。これまでそして先週と続いた惜敗の日々にたまった鬱憤を晴らすかのように弾けた末脚が府中の春を締めくくった。

文=櫻井秀幸

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