届いた渾身の大外一気。
4月7日に中山競馬場で行われたニュージーランドトロフィー(G2/芝1600)はカツジの優勝に終わった。
NHKマイルカップの前哨戦は混戦の路線を象徴するような激しいせめぎ合いとなり、モータースポーツ風に言えば4コーナーでは8ワイドに広がった大接戦だった。ではそのレースを分析していきながら、カツジがレースを制したポイントやケイアイノーテックなど他馬の敗因を探っていこう。
結果・着順
| 着 | 馬名 | 騎手 厩舎  | 
人気 オッズ  | 
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 1 
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カツジ | 松山騎手 | 2 | |
| 牡3 | 56 | (栗東)池添兼 | 4 | |
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 2 
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ケイアイノーテック | 戸崎圭騎手 | 1 | |
| 牡3 | 56 | (栗東)平田 | 3.2 | |
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 3 
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○外デルタバローズ | 大野騎手 | 9 | |
| 牡3 | 56 | (美浦)堀 | 23.2 | |
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 4 
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ゴールドギア | 武藤騎手 | 12 | |
| 牡3 | 56 | (美浦)伊藤圭 | 70.8 | |
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 5 
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アイスフィヨルド | 北村宏騎手 | 7 | |
| 牡3 | 56 | (美浦)武藤 | 17.9 | |
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 6 
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ファストアプローチ | 田辺騎手 | 5 | |
| 牡3 | 56 | (美浦)藤沢和 | 9.9 | |
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 7 
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カシアス | 浜中騎手 | 3 | |
| 牡3 | 56 | (栗東)清水久 | 6.9 | |
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 8 
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○外リョーノテソーロ | 吉田隼騎手 | 4 | |
| 牡3 | 56 | (美浦)武井 | 7.3 | |
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 9 
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エントシャイデン | 田中勝騎手 | 10 | |
| 牡3 | 56 | (栗東)矢作 | 35.1 | |
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 10 
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コスモイグナーツ | 柴田大騎手 | 11 | |
| 牡3 | 56 | (美浦)高橋祥 | 50.3 | |
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 11 
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カイザーメランジェ | 黛騎手 | 15 | |
| 牡3 | 56 | (美浦)中野 | 331.9 | |
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 12 
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イサチルルンルン | 国分恭騎手 | 13 | |
| 牝3 | 54 | (美浦)竹内 | 149.4 | |
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 13 
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○外ラムセスバローズ | 内田博騎手 | 6 | |
| 牡3 | 56 | (美浦)木村 | 10.2 | |
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 14 
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ペイシャルアス | 三浦騎手 | 14 | |
| 牝3 | 54 | (栗東)坂口正 | 227 | |
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 15 
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アンブロジオ | 石橋脩騎手 | 8 | |
| 牡3 | 56 | (美浦)菊沢 | 23.1 | |
払い戻し
| 単勝 | 5 | 400円 | 2人気 | 
| 複勝 | 05 14 02  | 
170円 160円 500円  | 
2人気 1人気 9人気  | 
| 枠連 | 03 – 08 | 540円 | 1人気 | 
| 馬連 | 05 – 14 | 950円 | 1人気 | 
| ワイド | 05 – 14 02 – 05 02 – 14  | 
400円 1,620円 1,740円  | 
1人気 24人気 27人気  | 
| 馬単 | 05 → 14 | 1,950円 | 3人気 | 
| 三連複 | 02 – 05 – 14 | 6,780円 | 22人気 | 
| 三連単 | 05 → 14 → 02 | 27,070円 | 78人気 | 
レース分析
レースのラップを見てみよう。前半も後半も47秒1という平均ペースとなった。結果的には追い込み決着となったが、展開面での有利不利はさほどなく坂を上がってからの実力勝負だった。では各馬の勝因・敗因について見ていこう。
出走馬勝因、敗因、次走への展望
1着 カツジ
道中は後方2、3番手を進んだが勝負所から進出を開始。大きく広がった先頭集団の外から二頭目を回りロスは大きかったがゴール前何とか届いた。大味な競馬ではあったが決め手はかなり秀逸。
2着 ケイアイノーテック
中団から進め、直線を向くところでは先頭集団内から五頭目に位置した。一旦は抜け出したがゴール前で勝ち馬の強襲を受けた。外枠不利のコース形態を加味すれば勝ち馬と同等の評価は必要だろう。
3着 デルタバローズ
先団の少し後ろを追走。ややかかり気味の走りだった。二列目で直線を向いたがうまく前を捌き上位争いに加わったが最後は力尽きた。やはりベストはマイルだろうが、さらに短縮でも新味が出そう。
7着 カシアス
ハナを切って積極的に進めた。直線もよく粘っていたが坂上で力尽きた。後続が早めに殺到する展開はこの馬にとってはやや不運だったが、いずれにせよマイルは少し長いか?
まとめ
減った馬体は輸送の影響か、適度に絞れたのかは定かでないが、初関東圏・初の急坂をものともしない末脚の破壊力は凄まじかった。
ヤマカツスズランでの歓喜ももう昔、それからヤマカツエースでメイショウベルーガで何度も涙を呑んできた池添兼雄きゅう舎に19年ぶりの春がやってきそうだ。
文=櫻井秀幸

