グレイルの勝因、タイムフライヤーの敗因は?京都2歳S2017回顧

2017年11月25日、京都競馬場でラジオNIKKEI杯京都2歳ステークス(GⅢ/芝2000m)が行われ、2番人気に推されたグレイルが差し切り勝ちを収めた。

一番人気のタイムフライヤーは僅差の2着に終わった。

勝者、敗者をわけた“分岐点”はどこにあったのだろうか? 振り返っていくことにしよう。


目次

結果・着順

2017年11月25日(土) 5回京都7日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第4回ラジオNIKKEI杯京都2歳S
2歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(指定) 芝・内 2000m 9頭立

馬名性齢
6グレイル牡22
2タイムフライヤー牡21
1ケイティクレバー牡25
4アイトーン牡27
7シスターフラッグ牝26
9ナムラアッパレ牡29
3マイハートビート牡24
8スラッシュメタル牡23
5ランリーナ牝28

LAP 12.6-11.5-12.6-12.4-12.6-13.0-12.3-11.6-11.3-11.7
通過 36.7-49.1-61.7-74.7  上り 72.5-59.9-46.9-34.6  平均 1F:12.16 / 3F:36.48

払い戻し

単勝  6 \480
複勝  6 \130 / 2 \110 / 1 \190
枠連  2-6 \400 (1)
馬連  02-06 \380 (1)
ワイド 02-06 \190 (1)/ 01-06 \620 (10)/ 01-02 \320 (4)
馬単  06-02 \1000 (4)
3連複 01-02-06 \1180 (5/84)
3連単 06-02-01 \5450 (21/504)

レース分析

勝ち時計の2分1秒6は重賞に昇格する以前も含めて考えてもほぼほぼ平均的な時計で特段ハイレベルとは言えない。

ただラスト5Fはわずかながら1分を切っており、特に最後の3Fは持続力と瞬発力を問われるレースとなった。

逃げたケイティクレバーが3着に残ったとはいえ、前2頭とは着差があり1、2着馬の力が目立ったレースと判断できるだろう。

出走馬勝因、敗因

1着 グレイル

特に勝ったグレイルは不良だったデビュー戦とは全く違う条件をあっさりこなしたあたり、万能型のクラシック候補と言えるだろう。

断然人気のタイムフライヤーとは残り1Fを切ったあたりでも2馬身ほどの差があったが、そこからぐいぐい差を詰め捕まえきった。

馬場不問に、鋭い決め手。出世が見込まれる。

2着 タイムフライヤー

僅差負けのタイムフライヤーも十分に力は見せた。

前半楽をしていた前を自力で捕まえ、一旦は完全に抜け出していた。最後は出し抜けを食らうような形にもなり、運もなかった。

マークされる立場であったことが大いに影響したレースであり、まだまだ見限れない。展開ひとつで勝ち馬を逆転することも可能だ。

1、2着馬はともにハーツクライ産駒。寒い時期になると走る傾向が強く、この時期以降特に超注意だ。

3着 ケイティクレバー

こちらは好調ハービンジャー産駒。産駒得意のそれほど重い馬場ではない中でよく踏ん張ったが、前走と走破時計はほぼ同じ。力は出し切ったし、恵まれの入線だった感も。

人気しないタイプで馬券的妙味はある馬なので、メンバー構成次第で狙いどころを絞れば面白い存在だ。

4着 アイトーン

5着 シスターフラッグ

6着 ナムラアッパレ

7着 マイハートビート

8着 スラッシュメタル

9着 ランリーナ

人気どころではマイハートビートとスラッシュメタルは大敗に終わった。

良いところなく沈んだスラッシュメタルに関してはしばらく静観としたいところ。

ただマイハートビートは巻き返しに期待できる。

まずスタートで2馬身は出遅たが、ここ2走そういう傾向はなかった。出遅れ癖のある馬とは言えず、まずこの要因は度外視する。

そして後方から進めたが、ピッチがあがった残り600から一気に進出してしまい、最後は失速。1400mからの1Fは外を回って11秒前半で動いている。

これでは止まるのも当然で、むしろ瞬間的加速力に期待が高まる。展開に注文のつく面はあるが、評価を落とすのは危険だ。

その他では上がり3Fで1、2着馬に続いたナムラアッパレの末脚に多少見どころがあった。

掲示板に載ったとはいえ、なだれ込んだ印象が強いアイトーン、シスターフラッグもまだまだ地力強化が必要。ランリーナは関東の自己条件から出直し。

文=櫻井秀幸

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